Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

神無月(10月6日) オープン

2016-09-30 09:46:04 | ラジオ亭便り

すっかり雨に祟られた 9月が過ぎていく。石川町辺りの裏路地を歩いていても金木犀の香りが微風に運ばれる季節を迎えている。近くの麦田町交差点の近所へ移転が決まって2ヶ月。内装、電気配線等の大半が済んでホッと一息という境地だ。

出戻ってきたステレオ部を担うアルテック403AプラスJBL LE-20の2ウエイスピーカーとコンビを組むフィッシャーの真空管プリメインアンプの慣らし再生も順調に進んでいる。モノラルソースのナチスドイツ時代生誕ビンテージ真空管ラジオと交互に再生する理想の二本立て路線がやっと実現する。ハード面は老齢期に入るつつある諸氏の懐古的心情にアピールすべき道具立てが揃って「横濱ラジオ亭」は益々、爺サロン化することは間違いない。

しかし稀には男性中身を具現しているマニアックな女性客も現れる。こうしたマニアック女性にもホッとできそうなやや甘なコーヒーの添え物も新登場することになった。音楽と菓子類に嗜好のある女性が焼いた音符や動物、楽器をあしらった彩りのクッキーである。新価格はクッキー2個付きのお茶類セット(珈琲、紅茶、ココア)が600円。音と音楽の寄り添い方を、機材フェティシズムじゃない方向で最高レベルの雰囲気にまで高めた我が場所への喜捨として了解してもらいたい。


出戻りアルテックスピーカー 嬉しい9月

2016-09-22 12:28:14 | ラジオ亭便り

四谷時代に交流のあった千葉に住むAさんとは年に数回程度の音信を重ねている。「音の隠れ家」時代に彼に売った中型スピーカーがある。アメリカ、アルテックランシング社の403Aという20センチのフルレンジスピーカーである。米松のベニヤ材で自作したもので塗料は楽焼の分派の金沢にある「大樋焼」のような飴色の着色を施したものだ。稚拙な素人の日曜大工めいた品物だが、ここ数年このスピーカーの再生音を思い出す機会がちょくちょくあった。

最近、立派なオーディオルームを作られたAさんは、数組のオーディオ黄金時代に該当する名品を鳴らしている。アルテック社のA-7、JBL社のC-36バロン、ソブリン、ジェンセン社のフィールド型スピーカー➕ウエスタンエレクトリック社の朝顔型モノラルホーンという垂涎物ばかりである。

 

こういう顔触れの中では我が自作スピーカーなど、本格小説に混じる心境小説みたいなものでこれはオーディオ王道における脇役通行人の類になると推測が閃いた。そこでAさんにタイミングを計らい買い戻しを申し出た。売却時の半額というこちらの希望をAさんは好意的に受けてくれた。蔵前橋通り、市川、松戸、横浜を往還した苦労は報われた。

雨季の9月後半で中区の山手トンネルに近い「横濱ラジオ亭」の一軒家カフェの改装も足踏みしているが、このプアなスピーカーが小気味のよい中音域で1950年代半ばという私が最も好んでいるベツレヘム、コンテンポラリー、コロムビア、等のジャズソースを色濃く鳴らす主役になることを祈って魂を吹き込んでいる最中である。写真の後半はAさんの趣味溢れるシステム、キャピトルのディック・ヘイムズがウエスタンホーンで流れ出す音の風景が白眉だった。


山元町から麦田町へ引越し

2016-09-04 12:15:12 | ラジオ亭便り

古い店舗にはいろいろな因縁が巡って来て急遽、近場の一軒家に店を引っ越すことになった。今までのラジオ亭からは徒歩で10分程度の近場である。今度は坂に喘ぐこともなくなった。平地の大通りの角地に位置する。横浜には元町商店街という服飾系老舗の集まる賑わい場所があるのだが、ここへはJR石川町駅の南口が至近だ。商店街への入口までは東に進んで数分。ここで交叉する大通りを左に向かうと中華街や横浜スタジアムへ数分で辿り着く。これを右に向かうと本牧や磯子方面に至るという横浜を南北に横ぎる幹線道路である。

 

                                                                                               

                                                                                                                  

右手の前方に目をやるとトンネルが見える。これが通称「山手隧道」だ。本牧方面と石川町、関内を繋ぐ生活必須のトンネルで頭上は「港の見える丘公園」や女学校が散在する通称「山手本通り」に位置している。このトンネル長は300メートルくらいか?このトンネルを抜けて最初の信号に出くわす。そこの右に時間貸し駐車場があって隣の小さな二階家が「横濱ラジオ亭」の新天地である。石川町駅からの徒歩所要時間は6分くらいだろう。普通の昭和調一軒家を換骨奪胎する。そんなテーマが上手くいくのかどうかわからないが、鋭意内装を進める9月に入っている。

山元町で意気投合した常連風お客さんがほぼ10人、数回やってきて離れてしまったお客さんは30人くらいだろうか。公営住宅専用庭で育てた花を愛でながら、隠棲仕事と採算の塩梅を思案している初秋の昼下がりである。