Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

山肌

2011-04-12 16:23:01 | 自然
すぐ隣といってよい近距離の白髯神社を囲むように咲く大木の桜もそろそろ散り始めている。
今朝も神社の月桂樹の葉を眺めに行ったが、小道の路傍を埋める花びらがはらはらと舞っている様子がいかにも「はるの別れ」といった情趣を醸しだしている。

日向付近は神奈川でもかなり稀少な里山が保存されていて、その有難さを実感する季節が桜から紫陽花へと季節が動いているいま時分の野山がもたらす色の諧調である。
以前に住まいがあった横浜にも自然散策路を整備した「三保市民の森」があったが、戦後植えた杉やヒノキのような針葉樹が暗く覆いかぶさって、なぜか心の風が立っていかない林相がいかにも残念だった。

大山の東には日向薬師から七沢にかけて、針葉樹も多いけど雑木林の広葉樹がこれまた柔らかい風景の資源を形づくっている。
神社の脇道から仰ぐ写真ショットの遠近は日向らしい風景の得がたい平凡の稀少性を物語っている。

樫、クヌギ、楢、ブナ、様々な樹木が一斉に芽吹いてくると茶褐色でモノトーンな山肌が薄紅や萌黄へと変化する。
山肌が躍動する前の微細なる序章めいたこの季節は何度味わっても尽きることがない地味な喜びの一つである。