Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

季節の恵み

2019-03-20 09:30:41 | ラジオ亭便り
3月16日の大和骨董市は予想されたお天気の崩れもなく穏やかな散歩日和に恵まれた。この日の駄物収穫はどれもこれも1000円から100円迄のジャンク山からの掘り出しに面白味のある逸品が見つかって小さな満足を得る。ひとつは益子の昭和40年時期と思われる番茶用土瓶だ。これが100円。

糠白釉薬の素地に柿釉がたっぷりと覆っている。その上を滲んで垂れ零しに余勢を感じさせる黒釉の刷毛目がとても良いアクセントをつけている。同じパターン柄の品物を別なブースで3500円で発見するもこちらは精々、昭和50年代以降の益子的実用品から力感というものを駆逐した薄弱品に過ぎず100円という当方の選択に溜飲を下げることになる。しかし入手にもそれなりの苦労は伴なうものだ。家財整理品の山の中でこの土瓶は最初に蓋がなかった。これでは生活上の「用の美」を満たすことは出来ないと思って、珍しく執念深く周りの雑多品を掻き分ける。ここの100円ジャンク山で共蓋の欠品を捜すなどは至難の業であるのは分かっていたが、やはり離れたところで蓋が見つかるという幸運にこの日は恵まれた。
もう一つの掘り出し品は再生ガラスをブレンドした赤茶色に濁った肌合いが魅力の小さな花入れだ。これは同じ家財整理屋さんのグレードアップ均一品の山で見つかり1000円は致しかたない価格である。この濁った肌合いの花瓶に春を迎えて群がって咲き出した 限りなく雑草に近い薄紫の「花韮」 でも指したら、さぞかし色のコントラストが映えるだろうと「用の美」 探究心に拍車をかけることに。翌日、本牧間門付近の崖斜面に咲き出した「花韮」をもいできて早速、挿してみたのが写真のガラス花瓶である。

大和骨董市の収穫とは別に古道具屋が余興で運んできて良い風情を発揮しているものに植木の枝物がある。この日は富士宮市の中古着物屋さんが持ってきた「ネコヤナギ」「ミツマタ」「ニワトコ」などの地味な色調の枝花に吸い寄せられる。これを数本買って、数年前に買った 益子の扁壺、それも雪柳をアブストラクトに絵柄としているものにも挿してみたのが、もう一つの写真である。こうした花に囲まれて春の兆しを吸い込んで満悦しているラジオ亭の春分時候である。、
営業日 3月23日(土)24日(日)30日(土)31日(日)13時〜19時