Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

模様替え

2017-09-29 13:05:25 | ラジオ亭便り
店を初めて二年目の秋を迎える。昭和年号でいうところの昭和14年製造の米国ゼニス真空管ラジオが息を吹き返してちょうど二週間が経った。本牧に住む真空管ラジオについて熟知しているエンジニアYさんが回路や各種パーツを入念にチェックしてくれた。AMラジオ放送の受信、モノラル真空管パワーアンプ部、全てが健常に再生されて嬉しい限りである。

フィールド型の25センチスピーカーを支える容器は大型のチーク材突板仕様のせいで余裕の再生音が流れ出す。ラジオ部分には音質補正機能のイコライザーが生きていてアナウンサーの声を聴きながら刺激的にならない再生音域に調整する作業もたのしいものだ。

LPレコードの再生はアンプがモノラル専用なので音の入口であるカートリッジもモノラルのバリレラ針、その前のLPレコードもモノラル録音時代に限ったソースを選んでかけることにしている。いつも装置を変えた時に基準LP盤として登場するアントニオ・ヤニグロが演奏するウエストミンスター盤、バッハの「無伴奏チェロ組曲1・3」ディック・ヘイムズがピアノを主にカルテット➕ストリングスを従えて歌う通称「渚のヘイムズ」が久々の活躍をしている。これらの珠玉盤を筆頭とするLP再生は当面、毎週一回以上顔を出してくれる知己と自分専用に限定して流すことにしている。

オーディオの歴史的には蓄音機、電蓄、ホームラジオ、ハイファイステレオ装置と進化をしてきたわけだが、78年という歳月を経たこの大型ホームラジオから流れる人声も楽器音も古ぼけた抜けの悪い音がしていないところがしみじみと不思議なこの度の発見である。

9月最終週・10月初旬の営業ご案内

9月29日 平常営業 9月30日 12時〜15時30分 10月1日 平常営業12時〜19時

10月 6・7・8 平常営業12時〜19時

益子トンボ帰り

2017-09-08 11:25:11 | ラジオ亭便り

この真夏も暇な店に引きずられて、逆に夏休み特有な気晴らしというものをする気が起きてこないまま9月を迎えた。8月下旬からの涼気を感じた友人が提案した益子半日ツアーに便乗することになった。昨年の日録を辿ってみたら9月初旬もかなりの猛暑日があったことを思い出す。益子は東日本大震災の翌年に行って以来だ。友人が運転するレンタカーと筑波エキスプレスを利用する日帰り旅である。

あれから数年を経て共販センターがある陶器店街の街並みが随分と洗練された変身を遂げている。震災直後の茂木町へ通じる県道沿いの大型陶器店の飾られた陶器類が崩れ倒れたままになっていたショーウインドウの光景がふとよぎる。益子の緑濃い里山や花々、質朴な栃木気風の人々を敬愛するものにとってはよい復興の流れが町の空気になっている。益子町のソフト化のせいだろうか、昔の陶芸職人がそのまま店番をしたり、隠居お婆さんが店番をしているような風景には出くわさなくなったのも少し寂しい。昔、大きな甕などをたくさん並べて売っていた「福島陶器店」等も女性向きな描画も華やかなクラフトアート調の陶器類がたくさん並んでいる。先代の店主が亡くなってもう10年になるそうで、このお店の売れ筋からは少しずれた益子昭和トーンが感じられるお土産を選んでみる。


コバルト、鉄絵の草紋様を描く一輪挿し、緑釉に胴体の真ん中で鎬囲いしたような静けさを醸し出す大型湯呑み茶碗、その昔、同じ益子の酒井陶器店で購入した愛用茶碗を思い出す。すっかり歳月の味わいを増している鼠釉の武骨湯呑みみたいに出世させるには格好の素材だ。


そういえば、前に寄って休業日だった「カフェ フーネ」ここはやっていた。小径の奥にある山裾の隠れ家風情の店だ。ランチそのものよりも益子自然を飽食できる贅沢空間が楽しい。

庭に飛び交う赤とんぼに指を伸ばしたら返礼に指先へ止まって暫く滞在。チョロチョロ小虫を捕食している蜥蜴なども人の顔を眺めて逃げようとしない。これなども益子トーンの味わいということでそうこうしているうちにトンボ帰りの時間となる。
営業ご案内 営業する日 9月15(金)16(土)17(日) 13時〜19時 16日のみ15時から開店します。