Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

小澤一雄 HAPPY MUSIC 展に。

2011-05-29 17:27:12 | JAZZ
入梅らしい土曜日の午後は珍しくアート系の展覧会場をハシゴする。
神田・小川町にある「世界観ギャラリー」!ネーミングが唯物弁証法
が隆盛した時代を彷彿させるアナクロっぽい店名に惹かれる。
店名のあくの強さに反してギャラリーないは、奇を衒うこともない
普通の明るい画廊だった。
知人Nさんの知己で噂を聞いていた小澤一雄さんのイラスト展覧会だ。
今年で21回目という息の長い企画が素晴らしい。
小澤さんのイラストは音楽家の肖像を軽妙にデフォルメしていてタッチのコミカルさが持ち味で、サムホールくらいの小品に都会的センスの光るものが多い。
東北・関東大震災で凹んでいる場合じゃないと、楽器を奏でる七福神をB全の特大用紙で活写しているのが、今回の「HAPPY MUSIC」展の趣旨らしい。
小澤さんはクラシック、ジャズの両分野に通暁していて、自分のような
無名なライターが雑誌に書いたジャズ記事まで読んでいられることを聞いて驚いてしまった。
小澤さんの展覧会場には、ジャズライブの通だったら知る人ぞ知るQ・
石川のようなしぶいテナーマンがやってきてアドリブ・ソロを吹く余興
もあるらしい。
少年の好奇心に輝く目を持った白髪の小澤さんとは、どうやらジャズ嗜好も気が合うようでいつか神田の「ステップ」のライブにでもご一緒しようということで居合わせた人と記念ショットに納まった。


梅雨入り

2011-05-27 12:30:02 | 自然
「薄暑」などという肌触りの柔らかな時候の言葉を反芻して
いたら今朝のニュースでは関東・東海地方が記録的な早さで
梅雨入りを迎えたとのこと。
関東では1963年に次ぐ戦後二番目の記録らしい。
これから7月の下旬までおよそ二ヶ月の亜熱帯性気候に辟易
とするが、旺盛なる自然の活性や代謝を味わえる時でもある。

敷地の縁を彩っていた「紫らん」が盛りを過ぎてその花勢を
眺めていたら、繁みの隙間にはいかにも水の雫が似合う「紫
つゆくさ」が綻びはじめ、水路の際に咲く紫陽花も仄かな
青色を帯びて梅雨めいた背景図を作っている。

そういえば山里の梢から聞こえる鶯やホオジロに混じって、
ホトトギスもやってきてあの複雑怪奇なるオノマトペを繰り
返すと夏が近づいてきたという実感も高まるものだ。


世を隔て人を隔てて梅雨に入る(高野素十)

樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ(日野草城)

昨日より梅雨に入りし波がしら(斎藤美規)

角川春樹さんが選出した「現代俳句歳時記 夏」編中の秀句
から弾けだす梅雨心の水滴を堪能しつつ、雨にちなんだジャズ
を聴く。雨の日のジャズといえばスー・レイニイのキャピトル
盤だ。自己流ボーカル百選には欠かせない愛聴必携CDの1枚
である。
「レイン・オン・ザ・ルーフ」、1959年に当時19歳の
スー・レイニイが吹き込んだ雨尽くしアルバムだが、なかでも
好きなのがこの曲!
戸外を揺する雷鳴の効果音で始まる歌でブルーな気分を予想
しがちだが、青木啓さんの解説によると「私は屋根に当る雨の
リズムが好き、それは幸せなリズム、幸せな夢を運んでくれる」
といったハッピーな歌曲だそうで作者はジャズの名曲「柳も咽
ぶ」を書いたアン・ロネルが1932年に作ったらしい。
古い曲は色褪せないなと思っていると、また思い出したように
雨が降り出してきた。

THE BLUE ROAD

2011-05-24 11:38:57 | JAZZ
雨が降って伊勢原の小稲葉という地域にある「アヤメの里」
も見ごろを迎えたと予想して寄り道してみたら見事に外れた。
寒い冬の反動で菖蒲畑には冷たい雨と東よりの風にゆらぐ
数本の菖蒲がちょこっと咲いているだけ。
三ノ宮の比々多神社の水路では満開だっただけにこの様子
だと見ごろは6月の初旬だろうか?
あては外れたがこの畑の周りには、近在ではみかけなくなって
しまった麦畑が「麦秋」を迎える風景、粟の未分化雑草みたいな
「えのころ草」が畑地の外縁を彩って、隙間には「紫ツユクサ」
が可憐に水滴を垂らすような季節の変化指標を観察できる寄り道
の魅力も溢れている。
ちょうど西の正面には晴れていれば大山の稜線を愛でることもで
きるし心のなかの遠近感を味わうにはもってこいの広々とした
眺望が好きである。

帰ってきてコーヒーと駄菓子をつまみながらフィッシャーアンプ
、モニターゴールドスピーカーを鳴らす為のBGMを捜す。
雨の日没時の一曲を絞ってみる。アトリエサワノの隠れベスト
セラー、「A BOY FULL OF THOUGHTS」
ベント・エゲルブラダの思念と叙情が高次元結晶を成し遂げた
1988年の傑作CDとして密かな人気を博している。
どこかスエーデン民謡の「懐かしのストックホルム」日本の「五木
の子守唄」の調子を彷彿させてくれるエゲルブラダが編曲した
オリジナル曲「THE BLUE ROAD」を別テイク曲と聴き
比べる。アルコベースとピアノのシンプル旋律の絡み、バッキング
するドラムがさわっとしたブラシで揺するテンポはまるで緑園の道
を歩行しているような懐かしい快感を呼び覚ます曲だ。

玉葱の色

2011-05-23 19:24:18 | 
先日のフリマ会場で買った地元産の大きな新玉葱は4個で100円、
また昨日いただいた赤玉葱を足すと、しばらく補給の必要がない。
主食を作れない日の自炊メニューはどうしてもパスタになる。
アサリ、ニンニク、バター、バジルが揃っている日はボンゴレパスタ
を作るが、いまの季節は玉葱が旬の勢いを感じさせるから、玉葱を
フルに活用することになる。
ニンニクのスライスをオリーブオイルで焦げ目のつく寸前まで炒めて
、そこへたっぷりと刻んだ玉葱とベーコンを追加してよく炒める。
ふだんは缶入りのホールトマトを一缶注いで、ワイン、各種香草類
を添えて煮込むが、最近見つけたスーパー「OK」の在庫品「ソル・
レオーネ」というコンパクトな紙パック容器に入ったトマトソースが
安くて使い易いことに気付く。値段は1個79円!缶による後始末の
苦労もないのは大きなメリットだ。
完成したトマトソースを茹で上げパスタにたっぷりまぶせば、本日の
夕飯は出来上がる。
普通の玉葱を素材に使ったら、赤紫の玉葱は薄切りしてサラダにする。
アクを抜いた新玉葱はそのまま削り節をかけて醤油を垂らして食する
のもよいが、昨日はそこら辺に転がっている、バナナ、甘夏を刻んで
サラダ菜と混ぜてフレンチドレッシングで食べてみた。
代々木公園駅の老舗「はしや」あたりでこの程度のパスタと副菜の注
文をすれば軽く1500円はオーバーだ!こちらはベーコンを加算し
てもたったの200円程度な材料費である。赤玉葱を被う旬の諧調の
微妙を愛でながら食する夕餉もまた楽しいものである。

神社のフリマへ

2011-05-21 18:43:40 | その他
古代の勾玉が出土した伊勢原の三ノ宮地区にある古いお宮
が比々多神社である。
その神社が毎年行うイベントが「勾玉祭」で一種の文化祭
のような雅楽や剣舞、はたまた地元の上手いビッグバンド
ジャズなどの楽しいプログラム等も盛り込まれている。
その行事の一つにフリマがあって、フリマとしてはとても
ショボイ参加出店者数なのだが、今年も参加してみた。
予報によると神奈川西部の気温は25℃以上の「夏日」だ。
住んでいる日向薬師からすると方角は南西にあたる。
「高部屋」から峠を辿って「一の郷」「上粕屋」などの
集落を眺めながら栗原という地区にあるこの神社までは、
およそクルマで15分の距離である。
こんな山里をバスが通るのかという山道沿いには、「伯母
様」などという珍奇な名前のバス停もあって、一日の停車
は朝夕に数回あるらしい。

肝心のフリマだが、持て余している陶器類や雑貨に絞って
持ち込んでみた。
大震災もあるのだろうが、客足は不調である。それでも野点
のお手伝いに来ている婦人連が、安目に設定した備前の花器
、信楽の花器を買ってくれて釣りの言葉で言えばなんとか
坊主を回避できた。

神社の外郭を走る清冽な水路の菖蒲を讃えて、なおかつ正門
に鎮座する精悍な面構えの狛犬と大きな欅への目礼を怠って
なかった効果でもあったのか?不調を嘆いている矢先で古い
デザインの卓も売れるという僥倖に恵まれた。
その収入を使って帰りは地元栗原で採れたレモン、タマネギ
、甘夏ミカンなどを買うこともできた。
予報によれば明日は午後から雨らしい。出店すべきか、否か
まだ悩んでいる。