Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

スーパーカブの花見

2022-04-01 06:44:40 | ラジオ亭便り

春めいてきた気候に誘われて、冬籠りしていたスーパーカブの拭き掃除する。座間の部屋の片付けと役所雑事への往復、ついでに道筋の桜見物にも使う。50ccの非力をカバーしつつ、安全コースを配慮した片道30キロの行程である。幹線道路の八王子街道、厚木街道といった混雑路を迂回しながらの桜見物も兼ねた最適ポイントを記憶に従って組み立てる。

中区の麦田町がスタート地点、山元町、唐沢、平楽町、山谷という横浜の旧市街地の丘陵沿いに走って、米軍基地残存エリアの稲荷坂頂上を急降下するという道順だ。ここまでの桜の見どころは遊行坂の石川小学校、浄光寺付近。平楽町沿いの真言宗増徳院と根岸共同墓地へつながる下り坂付近が私的隠れ名所になっている。

中村橋を渡って蒔田の商店街を抜けると、宮元町で鎌倉街道に出くわす。これを進むと次の桜名所が大岡川の両端になる。蒔田橋付近は散歩者で混雑してるが、桜並木の趣きとしては、黄金町駅に近い太田橋付近が繚乱という言葉を思い起こす格上の春景色だと思う。鈍足非力のカブは井土ヶ谷から保土ヶ谷橋に連なる殺風景な大通りを避けることにする。

永田の交番を曲がって通称遊園地道路を30キロ程度の法定速度でテクテクと上がる。横浜市が戦後の復興期に力を入れて造成した「児童遊園地」が行くての右側に現れる。一角にはイギリス人墓地もあって膨大な緑園パラダイスになっている。造成着工の時期は半井清なのか飛鳥田一雄市長の時代かはわからないが、過去には善政というものもあったことを実感する場所だ。混在するソメイヨシノ、山桜、コブシの静かなる開花を傍観しながら国道1号へ降りる。

ここで左に折れると平戸方面への風情がない実務型ツーリングになってしまうので、右折することに。狩場インターを保土ヶ谷方面に戻る。元町橋の信号を左折してガードをくぐる。JR線を左に見ながら法泉、今井町、南本宿のコースは車の交通量も少なく、横浜郊外ののんびりとした里山景色も併せて楽しめる。大池自然公園も桜の名所として有名だが、これはパスして万騎が原、さちが丘を迂回しながら厚木街道へ出る。

厚木街道も二俣川を過ぎて三ツ境までは渋滞も少ない。三ツ境の二つ橋というところを曲がると、亡妻が入退院を繰り返して苦労した横浜市西部病院へ通じる道に出る。野境道路といって左右を市民の森が囲っている。仕事が繁忙だった時代の夜更けに通った懐かしいこの道は桜の大木が満開を競っていて今も変わらない。

病院先の信号を左折する付近が追分市民の森.続いて瀬谷市民の森という緑地帯の道路を走る。森の空気はすこぶる気分が良く桜も点在している。東野という新興住宅地を抜けて相鉄線の瀬谷駅の北側を通る。駅の西側にある踏切を渡ってから右側の裏道を西へ向かう。境川という町田方面から江ノ島付近に南下する川が、横浜市と大和市を区切っている。川を渡った付近に深見神社の古格溢れる杜がある。鬱蒼とした森を囲む桜の彩りが素晴らしい。

大和市街地の深見台、草柳を抜けて相鉄線の相模大塚へ通じる道がある。そこを走っていると泉の森という広い自然公園に出くわす。カブを休めて上の道路から眺める。桜の木立と引地川の水路が良い景色を作っていて、菜の花が咲き誇るほとりでは小学生が駆け回っている。唱歌「春の小川」を思い出す。ここから自宅のある団地までは、残すところ15分程度で到着予定だ。最後に自宅に近い立野台公園の池に覆いかぶさってる桜の大木を愛でてから、カブによる往路のプチツーリングを終えることにした。