Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

KIKIパンの閉店

2017-12-30 18:26:58 | ラジオ亭便り
JR根岸線の山手駅からほど近い線路沿いにあるパン屋さんの「KIKI」が12月30日で閉店になるという噂を聞いた。このパン屋さんの良質な味は近隣の噂でも自分の舌でも知っていたので惜しい気持ちで予約品を受け取りに行く。Dさんに頼まれていた葡萄入り食パン、ハイグレード食パン、美味しいシチューソース入りのフランスパン等がお目当である。
やはり惜しむファンが多いせいか、開店後の店内は焼きあがったパンが補充される度にすぐに品切れ状態になってしまう。焼きあがるパンを待っている間に、壁面に貼られたこのパン屋さんを讃える気の利いた賛辞コピーを読んでいて驚く。

なんと自分が伊勢原や秦野の山村に仮寓していた時代に何度かギターソロのイベントに招いていたほぼ無名なギタリスト、小川彰さんによる店へのオマージュではないか。世間は繋がっているものと改めて感じる。小川さんは流麗なギターテクニックを誇る方ではなかったが、スペイン等のギター小曲を弾かせると朴訥で稚拙感を味わいにまで換骨するような方だった。惜しくも数年前に急逝してしまって今は北鎌倉に近い小袋谷踏切付近のお寺にお墓があることをDさんに聞いていた。



店から戻って来て写真に収めた小川さんの放浪スペイン時代に体得したと思われる普遍的なパン文化論に共鳴しながら日本で独自に進化した「トルテーニャ」「シチューソースフランスパン」等、閉店してしまうKIKIパンの滋味バリエーションを味わうラジオ亭の歳末となった。
年末年始の営業 平常営業 12月31・1月1日・3日・5日 12時〜19時

ラジオプラント訪問

2017-12-14 13:02:01 | ラジオ亭便り
散歩に飢えている旧友の青柳君と連れ立って念願の自由が丘にあるカフェ「ラジオプラント」さんへ寄ることができた。駅前のロータリーを昔ライブハウスの「ファイブスポット」があった路地からスーパー「ピーコック」のある「学園通り」へ出る。ブティック、女性向き雑貨屋、小さな飲食店などで賑わっている一角だ。これを少し南下して西に折れる右側の路地を探す。数分歩くだけで辺りは静かな住宅街に変貌する。目黒区自由が丘と世田谷区奥沢に住居表示が分かれるエリア迄来た。およそ駅前から7分程度の徒歩距離である。目印の学校と大井町線の線路が見えて来たところで「ラジオプラント」が右手に現れる。

よく手入れの行き届いたモダンな店内レイアウトは予想どおり。店の最奥にビンテージ系統のオーディオセットを納め、主人が入念に集めたと思われる古いラジオ類は棚の頭上に鎮座している。アールデコ調、ウッド調ありの小さなキャビネットがもたらす景色は旧時代ラジオフェチストには応えられないものがある。我々の訪問時間帯は幸いにもお客さんの動きが少なく、主人は気を遣ってLPレコードなどをかけることで歓待の意を表してくれた。メインのステレオスピーカーは自作ボックスに収まったジェンセンのフィールド型12インチに滅多に見かけなくなったツルーソニックのホーン型ツイータを加えて高域を補正している。これをEMTの930アナログプレーヤー、プライマーのコントロールアンプ、真空管のメインアンプを経由して鳴らしている。

再生音の総量は店のカフェBGM政策上、息を忍ばせた腰引け感が否めないが、流れる音の背骨は大らかな再生に耐える素性が垣間見えている。昔から馴染んで聴いているオールドピアニスト、アール・ハインズトリオの「ヒア・カムズ」これはリチャード・デイビスの固く引き締まったベースランニングと老人の童心還元的鍵盤遊びが綾なすコラボが魅力。

ピンキー・ウインターズのバンテージ盤10インチ、これはいつも「思い出の種」からか「リトル・ガール・ブルー」から聞くべきか?悩む一枚。フランク・ストライザーがアルト主役のビージェイ盤。これは脇の方でバック即興を繰り広げるブッカー・リトルの光芒に満ちたラッパソロも魅力。私などと同世代の主人が思いで集めたLPレコードはやはり皆いいものだと実感する。

ラジオ再生の圧巻はアメリカコスリー製ラジオにアナログプレーヤーで再生した音を独自トランスミッターで送り込むリー・ワイリーの「ウエスト・オブ・ザ・ムーン」。これがナローな人肌の温もりと情緒というものの何たるかを教えてくれる好古の見本のような再生音質だった。今の自分には一番フィットする感性だ。同行した青柳君も喜んで又再訪しようということで満足し、次の目的地横浜・伊勢佐木町へ向かうことにした。

営業のご案内 平常営業日 12月16・17(土)(日)12時〜19時

近くの散歩道

2017-12-05 12:01:17 | ラジオ亭便り
店やバイトの関係で麦田町に居ついているせいか、隙間ができると自転車や徒歩の散歩に出かけることが増えてきた。先日も歩いて数分の山手公園を起点に、石川町の西外れにある急坂で名高い「地蔵坂」上の山手町本通り付近の初冬風景を楽しんできた。


イタリー山庭園には公孫樹の大木、糸杉の大木が古い近代洋館の旧跡を彩っている。根岸線の石川町駅ホームの南端から下車する度に、今年も見れるかな?と案じていたがようやく平日の黄落風景に遭遇できた

フェリス女学院のキャンパス南西に接してる山手公園は広葉樹の宝庫のような自然林だ。桜や樫系統の大木が犇いている。落ち葉、ドングリの実が傾斜面にうず高く積もっていてこれも初冬めいた色彩グラデーションを味わせてくれる。

小一時間の散歩路の終点は少し馴染んできた麦田町バス停前にある四川料理の「知味亭」のランチにありつく。若い主人とバッタリ顔を合わせたせいか、「黒酢酢豚定食」は普段は入っていない茄子などが盛られていて無言のサービスを感じる。


営業ご案内 平常営業 12月7・8・9・10 日 13時〜19時 9日 日中はおでんパーティー、おでん、ソフトドリンク付き1500円会費、アルコール類は実費オーダー制。10日は14時〜17時 貸切、その他時間は通常営業。