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Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

57年前の映画雑誌

2011-09-21 20:45:36 | その他
ようやく名物の彼岸花が咲き揃う矢先に台風15号が暴風雨を運んできた。和歌山から遠州灘を越えて浜松に上陸、午後は東海、夕刻は関東・甲信越の全域が巻き込まれてしまった。彼岸花の茎はそう丈夫ではないから、台風が去った明日はかなりの量が倒れているにちがいない。近いうちに4年弱を過ごした神奈川の山里を去ることになった。今度は東京の西端ともいうべき青梅市に移住する。

過去から累積する不要品を如何に取捨するのか当面の悩みは大きい。台風の唸りをBGMに古い雑誌などを整理していたら、1954年当時のアメリカで発行されていた映画雑誌が紛れている。日本版「ダウンビート」「血と薔薇」「黒の手帳」「季刊銀花創刊号」等捨てがたい雑誌の一群に混じっていたものである。薄っぺらな雑誌の風体に反して登場するタレントの豪華陣容に改めて驚く。ジャズも映画もやはり50年代に尽きる。表紙を飾るショートヘアーの女性は歌手のドリス・デイだ。両腕を腰に添える仕草のなんと可愛らしいコケットリーだろうか!ページをめくるとマリリン・モンロー、リズ・テイラー、デビイ・レイノルズ、ローズマリー・クルーニーなどのスナップ写真が惜しげもなく掲載されている。男優陣ではバート・ランカスター、ジョン・ウエイン、ロック・ハドスンなどの活躍シーンも混じっていて飽きることがない。

こうした雑誌類は後年になって音楽や本の道楽が始まってからの収集品だが、少しマセ始めた中学生時代には憧れと畏怖を抱いた俳優達である。少年時代の横浜界隈には下町エリアに封切り洋画の上映から暫く経過した作品を2本立て位で放映する安価な二流映画館がけっこうあった。テアトル横浜、千代田劇場などがその類だが、洋画、洋楽志向の性癖はどうやらその時代に培ったアメリカ映画礼賛暮らしに刷り込まれているようである。今度移住する青梅では画廊茶房を始めるつもりだ。まあまあ大きなアルテックA7等の箱も設置して鳴らす傍らの部屋でこれらの捨て損ねている雑誌類の閲覧棚も整備しようと、あれこれ夢を素描していたら、台風が去ったらしく静かな秋夜が戻ってきた