Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

三度目の秋景色

2011-09-24 20:30:37 | 自然
台風15号になぎ倒されたかと思われた彼岸花の様子を眺めに付近を歩いてみた。今年は寒い季節が長引いたせいか、彼岸花はまだまだ茎だけというエリアが多いことに気がつく。これを誤解して今年は彼岸花が少ないと嘆いているすれ違うハイカーさんの嘆息を耳にすることも多い。一眼レフカメラを持った中高年の会社員リタイア組とお見受けする人々で山里は、珍しく賑わっている秋分の祝日だ。彼らの多くは稲田の畦に咲く彼岸花の群落を目指している様子だ。

こちらはさすがに日向暮らしを少しは知っている利点を活かしOさんという日向川沿いにあるお百姓さんの畑地の傾斜面に咲く花園風秘密スポット等を逍遥する。ついでに咲き乱れるコスモスなども被写体に収めることで日向薬師らしい秋の景色を噛みしめることもできる。中世の鎌倉期に北条政子が日向薬師に参拝に出向いた時のコースという細い小道の「日陰道」等もついでに歩いてみた。小高い畑の畝に頭をのぞかせるさりげない風情の彼岸花はこの細い道に分があるようだ。

枝垂れ咲くハギは台風で見ごろを終えた。紫式部の実ははこの二日にまたがる冷涼な空気を経て紫を一層濃くしている。夏のうちに猛々しく増えた青紫蘇はすでに花芽ともいうべき穂を満載して、穂に連なって咲くミクロな花弁に潜む美味しい蜜へ群がるミツバチの集団もやはり秋がたけなわである。「日陰道」の土手になびいているススキを眺めていて去年の秋に撮って仕舞ってある画像を思い出した。九州の黒釉がたっぷり覆い尽くす壷に活けたススキが秋の深まりを感じさせる。四年前の中秋ころに契約を済ませ住みついたのが厳寒の一月。日向薬師で迎えた三度目の秋、慌しいけど季節の移ろいを脳裡に焼き付けておきたいと思っている。