7月7日(日)まで東京藝術大学大学美術館で開催されている「夏目漱石の美術世界展」 の"ブロガー特別内覧会”に運よく当選したので5月31日夜、参加してきました。
夏目漱石は、中学時代の夏休み課題が ”トラウマ” なので、「吾輩は猫である」「坊ちゃん」国語の教科書に載っていた「こころ」そして「夢十夜」位しか読んだことがありません。
ただただ上のパネルの左上に描かれている、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849-1917)の「人魚」を視たかったのです。
内覧会の冒頭、古田亮氏(東京藝術大学大学美術館准教授)による見どころと主な出展作品の解説がありました。
「漱石の頭の中に入り込んでみよう」が、「夏目漱石の美術世界展」のコンセプトであり、
キャッチコピーの「みてからよむか」のとおり、
展覧会を視てから漱石の文学へ入るのも「勿論良し!」、
とおっしゃったので少々安心しました。
以下の写真は美術館より特別な許可を得て写真撮影をしております。
撮影した写真、カメラのホワイトバランスが上手く調整出来てなく色調はずれています(´・_・`)
右の絵は小説「坊ちゃん」の中で赤シャツが、坊ちゃん達と三津浜で視た松を、ターナーの絵に描かれている松に似ていると語った、そのターナーの”絵”らしいです。
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)「金枝」
左の絵はジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849-1917)の「人魚(1900)」です。
小説「三四郎」に記述されているマーメイドの絵のイメージでは?と考えられているそうです。
エロかっーた(^^)
奥は黒田清輝(1866-1924)の「婦人図(厨房)」です。
短編「夢十夜」の第二夜に出てくる襖絵は、この蕪村(1716-83)の「漁夫臨雨行」のようです。
その他、漱石の作品に登場する、数多くの絵画が展示されていました。
夏目漱石(1867-1916)といえばやはり「吾輩は猫である」でしょう。
漱石、最初の小説「吾輩は猫である」の装幀は橋口五葉(1881-1911)です。
橋口は鹿児島市生まれ、東京美術学校で西洋画を学び、
長兄が漱石の教え子であった縁で「吾輩は猫である」の装幀を担当しました。
その後、「虞美人草」「三四郎」「それから」「門」など多くの漱石の作品の装幀を手がけました。
「吾輩ハ猫デアル」上編扉(1905)橋口五葉
「吾輩ハ猫デアル」上編(1905)橋口五葉(装幀)
「吾輩ハ猫デアル」中編扉(1906)橋口五葉
「吾輩ハ猫デアル」下編扉(1907)橋口五葉
「吾輩ハ猫デアル」下編(1907)挿絵 浅井忠
「吾輩ハ猫デアル」縮刷本(1911)橋口五葉(装幀)
橋口五葉の描く "猫” が、漱石の頭の中に棲んでるに違いありません。
そのほかにも・・・・・
朝倉文夫(1883-1964)つるされた猫
昨今、猫をこうしたら”動物虐待”で訴えられるのでは?
我が家の猫どもは重くて(7kgと4kg)とてもこの真似は出来ません(´・_・`)
岡本一平(1886-1948) 漱石先生
眼が可愛いです。
普段はほとんどグッズは購入しないのですが(^_^;)
上は「吾輩ハ猫デアル」下編表紙(1906)橋口五葉
下は「吾輩ハ猫デアル」上編挿絵(1907)中村不折
「藝術新潮」6月号表紙絵 矢吹申彦氏
ショップコーナーには猫をモチーフにしたオリジナルグッズも沢山揃えてありました(^^)
「夏目漱石の美術世界展」 猫好きにも充分堪能できました。
さて、
「みたからよむか(^^)」
※ 「青空文庫」で読める夏目漱石の作品リスト
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person148.html
夏目漱石の美術世界展
|
|
会期: | 2013年5月14日(火)- 7月7日(日) 午前10時 - 午後5時 (入館は午後4時30分まで) |
休館日: | 毎週月曜日 |
会場: |
東京藝術大学大学美術館 |
巡回情報
2013年7月13日(土)~8月25日(日) 静岡県立美術館
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/