つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

二次関数

2006-04-23 18:20:46 | ファンタジー(異世界)
さて、作品の中身とは関係ないなの第509回は、

タイトル:砂漠の花
著者:金蓮花
出版社:集英社コバルト文庫

であります。

確か、このひとのは、ん年前に初期作品を読んだだけだったなぁと思い、いまではどんな感じになってるのかと言うことで購入。

大陸一の大国カナルサリにあって、16歳という若さで女王となったカリュンフェイは、暗殺によって弑された父王シアネーグに与えられた神託で戦の女神とされる少女。
また、そのカリュンフェイが受けた神託は二つという異例のもの。
「和をもって統治する」未来と「血によって支配する」未来の二通り。

そんな女王カリュンフェイと、女王を取り巻く父王時代からの宰相、生まれたときに亡くしたカリュンフェイにとって母と慕う王妹で宰相夫人、その息子である従兄などのカナルサリの者。
そして属国となった第二の大国シルヴァスから人質として送られてきた公子のシリスという人物によって、カリュンフェイに授けられた神託は現実のものとして回り始める。

物語の大筋としては、神託を中心にして繰り広げられる国家間の話ではあるのだが、この1巻はかなりキャラ個人中心。
カリュンフェイの運命を回し始めるシリスとの出会い、恋や、求めても得られなかった父王への思慕など、まぁ取り立てて「これは!」というものはないが、丁寧にカリュンフェイの姿が描かれている。

また従兄の立場に安寧として鳶に油揚げをさらわれた宰相の息子であるレンソールなどの脇キャラについてもよく描かれている。

ストーリーもまだ1巻と言うことでそこまで進んではいないが、次巻以降も期待させてくれる話にはなっていると思う。

それにしても……、読みにくいなぁ、このひとの描写は……。
比喩表現や情景描写など、読むひとによってはかなりくどく見えるだろうし、くどいのが嫌いではない私でも読みにくい。
逆に、キャラを動かしている際の描写が説明不足で、場面の動きやキャラの視点の変化などがわかりにくいところがぼちぼちある。

キャラの心理描写やストーリーはいいだけに、文章がもっと読みやすく、且つ情景が想像しやすい描写などになっていればかなりの高評価になったんだけどねぇ。


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