さて、久々にクラシックのコンサートに行って来たの第292回は、
タイトル:雄飛の花嫁 涙珠流転
著者;森崎朝香
出版社:講談社X文庫ホワイトハート
であります。
……前ふりと小説の内容はぜんぜん関係ないです(笑)
さておき、本書は古代中国をベースにした中国風のファンタジー。
主人公は、綏(すい)と言う国の公主である珠枝という少女。
公主とは言うものの、母親の身分が高くなく、近親婚を繰り返して血統を重んじる王宮にあって、周囲の冷たい蔑みを受けながらも、王である兄を慕って日々を暮らしていた。
だが、北方の蛮族の国である閃(せん)が、いくつかの小国を打ち破りながら綏へ迫っていた。
これまでの小国と違う規模の綏国に、戦うことはたやすいがその戦力や、自国の状況を勘案し、公主を正妃に迎えることを条件に和議を提案する閃。
珠枝とともにもうひとりいる公主……だが、珠枝は結構主義に固執する王太后の言葉に押し切られるように、慕っていた兄王から閃王である巴 飛鷹(は ひよう)のもとへ送り出されてしまう。
そうして、閃と言う異国で珠枝の物語は始まる……。
なーんて(笑)
まぁ、本の解説文だったらこんな感じかなぁ。
基本的には、珠枝の成長物語であり、飛鷹とのささやかな恋愛物語である、と言っていいと思う。
中国風と言うことで、格闘ゲームばりの派手な戦いや、得体の知れない道士が怪しげな術を使ったり、なんてことはまずない。
だいたいは珠枝の描写……生まれ育った綏への思いや、兄王への思慕、閃での役目、飛鷹との関わりなど、とても細やかに、珠枝の気持ちが語られている。
文章も1文がそこまで長くないけれど、珠枝の心理描写がしっかりしているので、適度に軽く読みやすい。
するすると入っていけるので、おそらくキャラへの感情移入もしやすいのではないかと思える。
ストーリーは、まぁ、上の解説文もどきを読めば、だいたいの流れはわかるはず。
奇を衒うこともなく、意外な結末がある……ほんのちょっとあるくらいで、大筋はとても安心して読めるお約束な話ではある。
ただ、文章の中で珠枝を表現する描写で、「悲愴な覚悟を背負った、けれど凛とした透明感のある姿」というような描写が、何度も何度も出てくるのは閉口する。
時折、強調するのにはいいけれど、こうも何度も出てくるとうざったくなってくる。
あと、ラストに歴史家が記す、と言ったような、珠枝や閃国、綏国などのその後を語った部分があるんだけど、個人的にここは失敗以外の何者でもないと思う。
まぁ、その前のクライマックスが終わったあとに流れが、だらだらしていて、それまでのいい流れを阻害しているので、全体としてラストはいただけない。
歴史家が記す、みたいな感じで書くにしても、十二国記のように史書の文章として、簡潔に書かれると、ラストがぴしっと締まるとは思うので、書き方をもっと考えればいいと思う。
ただし、ラストのこれを我慢すれば、全体としてなかなか読める話ではあった。
この手の中国ものが好み、と言うのを差っ引いても、十分に及第点を超えるだけの話になっている。
たぶん、ホワイトハートなのでライトノベル系に分類されるんだろうけど、ライトノベルというくくりでいけば、かなりの高得点をつけてもいいだろうね。
タイトル:雄飛の花嫁 涙珠流転
著者;森崎朝香
出版社:講談社X文庫ホワイトハート
であります。
……前ふりと小説の内容はぜんぜん関係ないです(笑)
さておき、本書は古代中国をベースにした中国風のファンタジー。
主人公は、綏(すい)と言う国の公主である珠枝という少女。
公主とは言うものの、母親の身分が高くなく、近親婚を繰り返して血統を重んじる王宮にあって、周囲の冷たい蔑みを受けながらも、王である兄を慕って日々を暮らしていた。
だが、北方の蛮族の国である閃(せん)が、いくつかの小国を打ち破りながら綏へ迫っていた。
これまでの小国と違う規模の綏国に、戦うことはたやすいがその戦力や、自国の状況を勘案し、公主を正妃に迎えることを条件に和議を提案する閃。
珠枝とともにもうひとりいる公主……だが、珠枝は結構主義に固執する王太后の言葉に押し切られるように、慕っていた兄王から閃王である巴 飛鷹(は ひよう)のもとへ送り出されてしまう。
そうして、閃と言う異国で珠枝の物語は始まる……。
なーんて(笑)
まぁ、本の解説文だったらこんな感じかなぁ。
基本的には、珠枝の成長物語であり、飛鷹とのささやかな恋愛物語である、と言っていいと思う。
中国風と言うことで、格闘ゲームばりの派手な戦いや、得体の知れない道士が怪しげな術を使ったり、なんてことはまずない。
だいたいは珠枝の描写……生まれ育った綏への思いや、兄王への思慕、閃での役目、飛鷹との関わりなど、とても細やかに、珠枝の気持ちが語られている。
文章も1文がそこまで長くないけれど、珠枝の心理描写がしっかりしているので、適度に軽く読みやすい。
するすると入っていけるので、おそらくキャラへの感情移入もしやすいのではないかと思える。
ストーリーは、まぁ、上の解説文もどきを読めば、だいたいの流れはわかるはず。
奇を衒うこともなく、意外な結末がある……ほんのちょっとあるくらいで、大筋はとても安心して読めるお約束な話ではある。
ただ、文章の中で珠枝を表現する描写で、「悲愴な覚悟を背負った、けれど凛とした透明感のある姿」というような描写が、何度も何度も出てくるのは閉口する。
時折、強調するのにはいいけれど、こうも何度も出てくるとうざったくなってくる。
あと、ラストに歴史家が記す、と言ったような、珠枝や閃国、綏国などのその後を語った部分があるんだけど、個人的にここは失敗以外の何者でもないと思う。
まぁ、その前のクライマックスが終わったあとに流れが、だらだらしていて、それまでのいい流れを阻害しているので、全体としてラストはいただけない。
歴史家が記す、みたいな感じで書くにしても、十二国記のように史書の文章として、簡潔に書かれると、ラストがぴしっと締まるとは思うので、書き方をもっと考えればいいと思う。
ただし、ラストのこれを我慢すれば、全体としてなかなか読める話ではあった。
この手の中国ものが好み、と言うのを差っ引いても、十分に及第点を超えるだけの話になっている。
たぶん、ホワイトハートなのでライトノベル系に分類されるんだろうけど、ライトノベルというくくりでいけば、かなりの高得点をつけてもいいだろうね。