さて、悩んでしまったの第263回は、
タイトル:こうばしい日々
著者:江國香織
出版社:新潮社
であります。
前に「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」と言う短編集を読んで、いまいちだったけど、今度は中編か、長編を読んでから判断しよう、と思ったので、今度は中編2作が入った本をチョイス。
作品は、表題作の「こうばしい日々」、それと「綿菓子」。
それぞれ、主人公が小学生の年齢である11歳の少年、小学6年生から中学1年生にかけての少女の日常、そしてかわいらしい恋愛小説。
2作なので、各話の解説を。
「こうばしい日々」
11歳の少年のダイのアメリカでの生活を描いた話。
大学生で年の離れた、日本が懐かしい姉とのやりとりや、姉の通っている大学にいる友達で日本びいきのウィルとの関係。
また通う学校でのガールフレンドのジル、何かと突っかかってくるサミュエルと言った学校での日常。
毎日忙しくて、けれど水曜日には早く帰ってくる無口で取っつきにくい父、やさしい母、父の同僚の島田さんなどの家庭での日常。
そういった中で日本人だけど、英語しか話せなくて自身もアメリカ人というダイの一人称という形で、とても11歳の少年らしい見方や感性がよく描かれている。
ほんとうに、「日常」という言葉がふさわしいストーリーなんだけど、とてもいい雰囲気を持った話になっている。
また、ダイの周囲の姉やウィル、ジル、サミュエルなどと言ったキャラたちとの関係も、自然で、姉との喧嘩やジルとの気まずい関係の中でダイの取る行動や思考も、少年らしくてほほえましい。
まぁ、ストーリーの中ではいろいろとあるけれど、そういう小難しいことは言わないでおこう。
そういうことを考えなくても、ただ雰囲気のあるいい作品、と言える。
「綿菓子」
こちらは短編連作で、
綿菓子
絹子さんのこと
メロン
昼下がり、お豆腐のかど
手紙
きんのしずく
のタイトルで、1話1話がとても短く、こちらもとても読みやすい。
中学1年生の少女みのりが主人公で、こちらも一人称で語られている。
年の離れた姉がいるのも共通。だけど、こちらは既婚で、家を出ている。
「こうばしい日々」では恋愛小説としての相手は同級生のジルだったけど、こちらはもともと姉の恋人で、けれど別れた大学生の次郎くん、と言うキャラ。
姉はもともと次郎くんと付き合っていたのに、別れてしまい、そしていまの夫とお見合いで結婚してしまっている。
そんな姉の結婚のこと、また、無口で無愛想な父と母の結婚、そして次郎くんのことなど、そういったことを見聞きしながら、様々なことを思い、考えていくみのり。
こちらは、ほほえましい、と言うよりも切ない話で、どこかしっとりとした雰囲気のある作品になっている。
また、恋愛だけではない、両親や姉の夫婦、と言うものを通して得られる主人公のみのりの気持ちなどの描写も、とてもみずみずしく描かれている。
ただ、読んでいくとラストの「きんのしずく」が唐突なきらいがあるけれど、そうさして気になるレベルではない。
こちらも総じて雰囲気のあるいい話、と言える。
となると、ここで迷うのが次……。
短編集は、「ふ~ん」で終わったので、どうかと思ったけど、この2作の中編はよかった。
となると、やはり次は長編、と言うことになるかなぁ。
ホントはこの2冊で終わるだろうと高をくくっていたんだけど(^^;
タイトル:こうばしい日々
著者:江國香織
出版社:新潮社
であります。
前に「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」と言う短編集を読んで、いまいちだったけど、今度は中編か、長編を読んでから判断しよう、と思ったので、今度は中編2作が入った本をチョイス。
作品は、表題作の「こうばしい日々」、それと「綿菓子」。
それぞれ、主人公が小学生の年齢である11歳の少年、小学6年生から中学1年生にかけての少女の日常、そしてかわいらしい恋愛小説。
2作なので、各話の解説を。
「こうばしい日々」
11歳の少年のダイのアメリカでの生活を描いた話。
大学生で年の離れた、日本が懐かしい姉とのやりとりや、姉の通っている大学にいる友達で日本びいきのウィルとの関係。
また通う学校でのガールフレンドのジル、何かと突っかかってくるサミュエルと言った学校での日常。
毎日忙しくて、けれど水曜日には早く帰ってくる無口で取っつきにくい父、やさしい母、父の同僚の島田さんなどの家庭での日常。
そういった中で日本人だけど、英語しか話せなくて自身もアメリカ人というダイの一人称という形で、とても11歳の少年らしい見方や感性がよく描かれている。
ほんとうに、「日常」という言葉がふさわしいストーリーなんだけど、とてもいい雰囲気を持った話になっている。
また、ダイの周囲の姉やウィル、ジル、サミュエルなどと言ったキャラたちとの関係も、自然で、姉との喧嘩やジルとの気まずい関係の中でダイの取る行動や思考も、少年らしくてほほえましい。
まぁ、ストーリーの中ではいろいろとあるけれど、そういう小難しいことは言わないでおこう。
そういうことを考えなくても、ただ雰囲気のあるいい作品、と言える。
「綿菓子」
こちらは短編連作で、
綿菓子
絹子さんのこと
メロン
昼下がり、お豆腐のかど
手紙
きんのしずく
のタイトルで、1話1話がとても短く、こちらもとても読みやすい。
中学1年生の少女みのりが主人公で、こちらも一人称で語られている。
年の離れた姉がいるのも共通。だけど、こちらは既婚で、家を出ている。
「こうばしい日々」では恋愛小説としての相手は同級生のジルだったけど、こちらはもともと姉の恋人で、けれど別れた大学生の次郎くん、と言うキャラ。
姉はもともと次郎くんと付き合っていたのに、別れてしまい、そしていまの夫とお見合いで結婚してしまっている。
そんな姉の結婚のこと、また、無口で無愛想な父と母の結婚、そして次郎くんのことなど、そういったことを見聞きしながら、様々なことを思い、考えていくみのり。
こちらは、ほほえましい、と言うよりも切ない話で、どこかしっとりとした雰囲気のある作品になっている。
また、恋愛だけではない、両親や姉の夫婦、と言うものを通して得られる主人公のみのりの気持ちなどの描写も、とてもみずみずしく描かれている。
ただ、読んでいくとラストの「きんのしずく」が唐突なきらいがあるけれど、そうさして気になるレベルではない。
こちらも総じて雰囲気のあるいい話、と言える。
となると、ここで迷うのが次……。
短編集は、「ふ~ん」で終わったので、どうかと思ったけど、この2作の中編はよかった。
となると、やはり次は長編、と言うことになるかなぁ。
ホントはこの2冊で終わるだろうと高をくくっていたんだけど(^^;