つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

誰を攻略しますか?(笑)

2012-04-08 13:36:15 | ファンタジー(現世界)
さて、別にゲームのレビューをするわけじゃないよの第1006回は、

タイトル:緋弾のアリア
著者:赤松中学
出版社:メディアファクトリー MF文庫J(初版:'08)

であります。

アニメは見ましたが、MF文庫なので多大な期待はしていません(笑)
だいたいアニメ自体、ヒロインを釘宮さんがやっていた、と言うだけで見て、それっきりしばらく忘れていたくらいなので、原作を読んでみる気になったのも遅くなりました。
まぁ、アニメ自体、おもしろいともおもしろくないとも言えないものだったので、仕方ないのですが……(笑)

さておき、ストーリーは、

『遠山キンジはバスに乗り遅れて、自転車で通学していた。さすがに2年生になったばかりの始業式に遅刻するわけにはいかなかったからだ。
だが、それも突然の奇妙な声に始業式どころではなくなってしまう。
「そのチャリには爆弾が仕掛けてありやがります」
おまけに無人のセグウェイという乗り物にしかけたサブマシンガンが狙いをつけてくる始末。

ハイジャックならぬチャリジャックに幼馴染みの言っていた「武偵殺し」の名が頭をよぎる。
何もできず、爆弾に吹っ飛ばされるか、セグウェイに乗ったサブマシンガンで撃ち抜かれるか――そんな絶望的な状況からキンジを救ったのは武偵高女子寮からパラグライダーで飛び下りてきたひとりの少女だった。
セグウェイを銃撃でぶっ壊し、パラグライダーでキンジを捕まえて救った少女の名は、神崎・H・アリア。
銃器の使用が認められ、金さえ払えば何でもこなす武偵で最高のSランクの少女だった。

そしてアリアの目的は、自分のパートナーを探すことで、その相手にキンジを選んだのだった。
しかし、キンジはと言うと厄介な体質とトラウマになっている兄の死とそれにまつわる出来事から、武偵高校を辞めるつもりでいた。
だが、アリアにはそんなことはおかまいなし。男子寮のキンジの部屋に押しかけてくるわ、自分勝手に振る舞うわ、おまけにパートナーのはずが「ドレイになりなさい」と言う始末。
はっきり言って付き合うのもイヤだったが、しつこく食い下がってくるアリアにキンジは1件の事件だけ付き合うことを条件に、アリアと行動をともにすることを提案。
それを受けたアリアが選んだ事件は「武偵殺し」に関わるものだった。』

さすがMF文庫。
狙いまくってますね(笑)

まずキャラですが、ヒロインのアリア。142センチのロリ体型に恋愛ごとに疎い赤面症のオプションつきツンデレ。
サブヒロインに、キンジに惚れてて献身的に尽くすタイプの巫女さんで幼馴染み属性付きの白雪。
服装はロリだけど、身体は高2らしく、はっちゃけてるながらも実際はひねくれてる理子。
Sクラスのスナイパーで、無表情でクールなレキ……。
とりあえず、1巻で出てくるメインの女性キャラはこれだけですが、さて、

誰に萌えますか?(笑)

ついでに言うと、キンジの厄介な体質――ヒステリアモードと言って、キンジが性的興奮を覚え、それが許容量を超えると発動、普段は最低のEランクなのに、Sランクの実力を出せるようになる体質ですが……。

はい、読者サービスのための設定ですね(笑)

他にも設定にいろいろとツッコミどころはあるものの、ここまで来ると逆に潔いですね。
キャラはギャルゲーでそのまま通用するくらい王道で、読者(ゲームならプレイヤー)サービスも忘れない親切設計。
キャラに萌えられる人にはいい作品だろうなぁ、と思います。

ストーリーは、まぁ期待していなかったからか、さほど悪い印象はありませんでした。
紹介文の「大スケールアクション&ラブコメディー!!」とあるうちのアクションもそれなりの出来で迫力はあるほうでしょう。
展開にも大きな破綻はなく、比較的すんなりと読める作品になっています。
ラブコメのほうについては、まんまギャルゲーですね。フラグたてまくりです。
ギャルゲーなら1巻分が固定イベントで、選択肢によって誰を攻略するかの最初の分岐になるような感じでしょうか。
文章は……ラノベだし、傍点のルビが多くてうざったいとか、擬音でごまかすなとかいろいろと突っ込みたいところはありますが、そこは大人の対応をして受け流しておきましょう。ラノベなのですから、いちいち気にしていては読めませんよ?(笑)

と言うわけで総評ですが、MF文庫にしては当たりの部類に入るのではないでしょうか。
キャラ萌えもできますし、読者サービスもありますし、大スケールアクション……とまでは言わないけど、そこそこアクションも楽しめて、軽く読むには適していると思います。
ツッコミどころはあるものの、ラノベ点という甘さを加えてみれば、比較的オススメしやすい作品だと思います。
と言うわけで、総評は良品としておきましょう。
かなり甘めですが(笑)

それにしても、Amazonのレビューがおもしろいですね、この作品。
★5つのレビューが25で、逆に★1つのレビューが24。ものの見事に評価が真っ二つ(笑)
ここまで評価が割れる作品も逆に珍しいのかもしれませんね。私なら甘めの評価もあって、★4つくらいはつけますでしょうか。
あれこれ考えるより、何も考えずに割り切って読めばおもしろい作品だと思いますよ。
(だいたいうちのラノベのカテゴリ分けって、「ファンタジー」だし(笑))


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