JR姫新線・津山駅から北部中鉄バスで1時間足らず、奥津温泉BSからすぐ近くの吉井側の畔にある1928年(昭和3年)創業の老舗旅館です。
この歴史を感じさせる木造3階建ての東和楼は、奥津荘、河鹿園と並ぶ、奥津温泉を代表する旅館で、しかも温泉マニアの間でも評価の高い旅館です。
ここのお湯をいただくための序章として、旅館の本館から薄暗いトンネルを抜けて行く必要があります。廃墟を思わすトンネルは少々不気味だが、これから現れる温泉への期待を高めてくれます。
古びた浴室に小さく深い浴槽があり、やや青みを帯びた温泉が満たされています。浴槽の底は岩盤になっていて、その割れ目から大量の湯が自噴しています。
匂いも味もないまろやかでややヌルヌルしたお湯で、しばらく浸かっていると全身に気泡がまとわりついてきました。足元湧出の柔らかい感触のお湯は、低温でじっくり浸かることができます。
しかし、温いながらも浸かっているうちにホカホカしてくるのは気泡のお陰。温泉の本道を歩む質実剛健さを感じることができる…これぞ温泉の醍醐味です。
・場所:北部中鉄バス・奥津温泉BS
・泉質:弱アルカリ性単純泉 38~40度
・訪問日:2008年1月9日