NPO法人 三千里鐵道 

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歴史の忘却どころか歴史のねつ造までたくらんでいる

2013年05月23日 | 南域内情勢
前北韓軍特殊数部隊出身と明らかにしたイム・チョンヨン自由北韓軍人連合代表が「5・18は北韓特殊部隊が介入した武装暴動」と主張している。 TV朝鮮‘チャン・ソンミンの時事タンク’ 13日放送/放送画面キャプチャー


韓国の反北反統一勢力は、歴史の忘却どころか歴史のねつ造までたくらんでいるようだ。

現在使用されている中学校歴史教科書の相当数が、5・18民主化運動を叙述する部分で戒厳軍の発砲と死傷者発生などを明確に記述していないといいます。

今年の5.18記念式典に参加した朴槿恵大統領は、「5.18精神が国民統合と国民の幸福に昇華されねばならないと考えます。」と話し、その歴史的意味を封印しようとしました。

5.18は、私たちみんなが、痛みとともに記憶しなければならないと思います。
国家や民族には誇らしい歴史もありますが、恥辱にまみれた歴史もあります。大切なことは、私たちがそのことを正しく記憶することです。
 
日本の安倍首相や橋下大阪市長が歴史歪曲をすることを許さないというのであれば、我が国の歴史の歪曲を許していいはずがありません。いや、数倍罪深いというほかありません。

このようなテレビ局に猛省を促したいと思います。


by maneappa


……………………………
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/14768.html
TV朝鮮も‘5・18北韓軍浸透説’放送 謝罪

登録 : 2013.05.22 20:54修正 : 2013.05.23 00:57

 5・18光州(クァンジュ)民主化運動の時、北韓軍が大規模に浸透したという内容を放送して荒々しい批判を受けた<朝鮮日報>系列の総合編成チャンネル(TV朝鮮)も該当放送内容に対して公式に謝ることにした。
 キム・ミンベTV朝鮮報道本部長は22日<ハンギョレ>との通話で「今日(22日)夕方に放送されるTV朝鮮のメイン ニュース<時>で一方的な主張だけを入れた放送で光州民主化運動遺族および関係者、視聴者たちの心を傷つけた点について公式に謝る予定」と明らかにした。 キム本部長は 「公式謝罪だけでなく‘北韓軍浸透説’の真相を検証し、なぜ虚偽なのかを明らかにした取材内容を同時に送りだすものであり、当初放送を送りだした番組進行者であるチョン・ソンミン氏の謝罪コメントも流されるだろう」と話した。 この日<時>には「‘北韓軍浸透説’は明白な虚偽」と指摘してきた言論人チョ・カプジェ氏も出演する予定だ。

 TV朝鮮は去る13日の時事プログラム<チョン・ソンミンの時事タンク>で脱北者イム・チョンヨン氏とイ・ジュチョン円光(ウォングァン)大教授をパネルとして登場させ 「5・18光州民主化運動は北韓軍特殊部隊が介入した暴動」という主張をろ過することなく放送した。 この放送は2日後に‘5・18時、北韓軍が光州に浸透した’と主張する脱北者インタビューを放送した<チャンネルA>の放送と共に 「5・18の真実と意味を蔑視した」という公憤に直面した。

 これに先立って<チャンネルA>は21日初めから放送を送りだした時事プログラム<キム・グァンヒョンの蕩蕩平平>とメイン ニュースで謝罪放送を流した。


チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr
韓国語原文入力:2013/05/22 19:13
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/588595.html 訳J.S(839字)

北、6・15記念行事の南北共同開催を提案

2013年05月23日 | 南北関係関連消息
 
 5月23日付ソウルの『聯合通信』は「6・15共同宣言」の発表13周年を迎えるにあたり、同宣言の北側実践委員会が、南および海外の実践委員会に送った統一行事の共同開催提案について報道しました。
 統一行事を北の開城(ケソン)もしくは金剛山(クムガンサン)で共同開催しようとの提案です。北の一方的な宣伝攻勢だと反発する向きもあるでしょうが、南北の和解と協力を掲げた「6・15共同宣言」の精神に基づき、韓国政府の前向きで積極的な対応を期待します。さらに一歩踏み込んで、南側実践委員会が8・15(解放記念日)、もしくは10・4(南北首脳宣言)の記念行事をソウルで共同開催しようと呼びかけるのも、一案だと思います。  JHK


北、6・15記念行事の南北共同開催を提案

 (ソウル=聯合ニュース)チャン・チョルウン記者
 北が、来月15日に13周年をむかえる6・15共同宣言行事を南北で共同開催しようと提案したことが、23日に確認された。

 6・15共同宣言実践南側委員会(南側委)はこの日配布した報道資料で、「前日、6・15共同宣言実践北側委員会(北側委)から、'6・15共同宣言発表13周年民族共同統一行事を開城または、金剛山で推進しよう' という提案を受けた」と明らかにし、受信したファックスの原本(写真)を公開した。

 北側委は南側委に送ったファックスで「北南関係を原状回復し自主統一の新しい局面を開く唯一の道は6・15共同宣言の履行にある」として、共同行事を提案した。

 チョン・ヒョンゴン南側委共同執行委員長は「北側が開城を開催地の一つに提案したことは、開城工業団地を生かそうとする意志を間接的に表明したこと」と述べた。そして、「行事の開催には切断された軍事通信線の回復など、南北当局間で協議すべきことが少なくない。政府が肯定的な方向で協力してくれることを願う」と明らかにした。

 韓国政府統一部の関係者は「南北関係の現況で不必要な論争が発生してはならない。その間に開催された共同行事の性格や波及効果などを総合的に検討したうえで、政府の立場を決定する」と説明した。

 6・15共同行事は、2000年南北首脳会談の翌年からイ・ミョンバク政府初年度の2008年まで、毎年、金剛山(クムガンサン)で開催された。ところが、2008年7月に発生した金剛山観光客の死亡事件などにより南北関係が悪化し、2009年以降は開かれていない。

ハナ〜奇跡の46日間〜 上映続々決定

2013年05月21日 | NPO三千里鐵道ニュース

東京虎ノ門はまだ上映中!千葉は25日から!大阪は、6月23日、第七藝術劇場で先行上映会!の後、29日から!  勝負はこれからだ!!  ファイティン!!!

【公開情報】
5/25より千葉劇場にて公開決定!!
5/25~5/31
10:00~
ガーデンシアターin虎ノ門四丁目にて好評上映中です。
詳細はこちらより。
sumomo.co.jp/garden


映画『ハナ〜奇跡の46日間〜』関西公開記念先行上映会のご案内

最近、東北アジア諸国間の緊張関係が深刻化しています。とりわけ分断状態にある南北コリアは世界に深刻な
不安を投げかけています。映画「ハナ ~奇跡の46日間~」は、1991年初めて南北の統一チームKOREAが荻村伊智郎・国際卓球連盟会長(当時)の尽力で日本で実現し、 在日コリアンが南北の壁を超えて単一応援団として応援した感動の物語です。このような時だからこそ日本で上映される意義は、ますます大きいでしょう。
この度、映画「ハナ ~奇跡の46日間~」の第七藝術劇場上映開始(6月29日)に先立ち、下記の内容で、映画「ハナ ~奇跡の46日間~」関西公開記念先行上映会を開催いたします。
皆様のご参加を心よりお願い申し上げます。

日時:6月23日(日) 午後18:20開場 18:30開演
 場所:第七藝術劇場 
 〒532-0024 
 大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F
 TEL:06-6302-2073  web: http://www.nanagei.com/
 
入場料:2000円 
購入方法:事前申し込み、当日入場も可(お支払は当日会場にて行います。)
 内容:映画「ハナ ~奇跡の46日間~」上映、パギやん(趙博)ライブ、ゲストスピーチ

チケットは事前にお申し込みをされた方から順に当日整理券を配布いたします。お申し込みは、氏名、電話番号など連絡先を記載の上、メールまたはお電話で承ります。ご連絡お待ちしております☆

なお、当日入場も可能です!

29日〜の全国の映画館で使用できる一般上映のチケットもワンコリアで販売しておりますので、ぜひご連絡くださいませ!
(全国の「ハナ」上映映画館で使用可能)チケット代:1500円

※上映映画館の案内:大阪第七藝術劇場6月29日(土)~7月5日(金)10:00 14:05(1日2回上映)
7月6日(土)~7月12日(金)10:00(1日1回上映)
7月13日(土)以降は未定、順次、元町映画館、京都みなみ会館にて公開☆

配給会社:株式会社SUMOMO
http://sumomo.co.jp/


ファイティング!!
ハナ〜奇跡の46日間〜
hana46.jp


みんなで、小さな統一を見に行きましょう(*^。^*)

全国共通チケットはハングルの森でも買えます(*^。^*)
http://item.rakuten.co.jp/eac-hg/ticket-korea/

ハナ ~奇跡の46日間~ (原題KOREA) 名古屋では6月8日封切

2013年05月21日 | NPO三千里鐵道ニュース

名古屋上映の日程が決まりました。

6月8日~28日 ロングランです。
 上映時間は
   8日-14日  12:40 と 17:25
15日‐21日  10:30 と 16:00
22日‐28日  12:15

劇場は名古屋駅西のシネマスコーレです。

みんなで、小さな統一を見に行きましょう(*^。^*)

全国共通チケットはこちらからも買えます(*^。^*)
http://item.rakuten.co.jp/eac-hg/ticket-korea/



朴槿恵大統領への手紙

2013年05月21日 | 南域内情勢
5.18光州民主化運動記念式典で演説する朴槿恵大統領


5月18日、光州(クァンジュ)民主化抗争の日から33年が経過しました。今年の5.18記念式典には朴槿恵大統領が参加し、国民に向けた演説をしています。以下に紹介する書信形式の文章は、大統領の演説に対する一市民の率直な意見です。出展は5月19日付『オー・マイ・ニュース』。
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001866827&PAGE_CD=N0001&CMPT_CD=M0019
 保守勢力からは、光州民主化抗争の意義を貶めようとするこころみが続いています。5.18民主化運動への評価をめぐる韓国社会の現状を理解するうえで、何らかの参考になれば幸いです。 JHK


パク・クネ大統領

 5.18記念式に参加されたことに、国民の一人として感謝の挨拶を申し上げます。イ・ミョンバク前大統領は就任初年度に参加して以後、退任する時まで一度も参加しませんでした。二年目からは代読の演説文さえ出さなかったので、多くの人々が深く失望していました。
 今回、現職の大統領が5年ぶりに5.18記念式典に参加したことで、5.18民主化運動に対する大統領と政府の基本的な認識が前政権に比べて一歩前進したとわかり、安堵している次第です。

 ただ、『あなたのための行進曲』をめぐる葛藤から、5.18民主化運動の遺族たちは参加しませんでした。その結果、記念式典の意義が半減してしまったことは、大統領と現政権が発揮できる包容力の限界のように思え残念です(式典の冒頭に参加者全員が斉唱する『あなたのための行進曲』が“不適切”だとして、政府は許可しなかった:訳注)。

 大統領が朗読された記念演説は、評価に値するものだったと思います。
あなたは「民主主義のために崇高な犠牲をささげた英霊の冥福」を祈ったし、「遺族の皆さん、そして光州市民の皆さんに慰労の言葉」を述べもしました。とりわけ、大統領が「家族とともに光州の痛みを感じる」と語ったくだりでは、胸が熱くなりました。
「英霊が残した志を受け継ぎ、より成熟した民主主義を作ることが、その犠牲と痛みに報いることだと信じる」と言われたのを聞き、多くの人々が同意したことでしょう。

 ところが、大統領の記念演説にうなづくことができたのは、ここまででした。その次の部分からは、まったく何の話なのか、あんな話をなぜ5.18記念式で聞かなければならないのか、いぶかしく思うばかりでした。

 大統領は「民主主義において大きな進展を成し遂げたが、階層間、地域間、世代間で葛藤の溝は埋められないままだ」と正しく診断されました。しかし、大統領の演説はそこから一挙に「私はもはや、新しい国家発展の道を開いていくべきだと考える」と飛躍したのです。

 数日前に総合編成チャンネル(保守傾向のTV局:訳注)では、5.18当時、“北朝鮮軍が潜入し光州市民に変装して扇動した”という報道をしました。また、名前を上げることも恥ずかしい某インターネット・サイト(日本の「2ちゃんねる」に相当:訳注)には、光州市民の死体を指して"エイを並べて干している"という侮辱的な表現もありました。

 33年の間、私たちの社会では葛藤の溝が埋められるどころか、最近になってさらに深まっているのが現実です。ところが大統領は、その埋められなかった溝を指摘しながら、何の対策も出すことなく唐突に「国家発展」を語ったのです。

 5.18民主化運動を貶める企図は、今では韓国社会の広い範囲に及んでいます。これはイ・ミョンバク政権から始まった、政府レベルでの5.18に対する名誉毀損の結果です。現政府も、決してその責任から自由ではありません。
「5.18国立墓地を訪問するたびに光州の痛みを感じる」というのが事実なら、5.18の価値を本来のものに復元することから語るべきではないでしょうか?

 しかし、大統領は5.18精神とかけ離れた「国家発展」の話だけを続けました。
「私はもはや、5.18精神が国民統合と国民の幸福に昇華されねばならないと考えます。民主主義の究極的な目的は国民の幸福であり、国民が幸福になる時代を切り開くことにあります」。

 私はこのくだりで、大統領の歴史意識に絶望するほかありませんでした。5.18精神は、軍部勢力によって歪曲された歴史を再び正常なものへと戻し、この国に正義を打ち立てようとするものでした。当時、権力を強奪した全斗煥(チョン・ドゥファン)ら軍部勢力に対する抵抗であったし、彼らの命令を受けた軍人たちによって市民が虐殺されたのが、5.18光州民主化運動です。

 良い暮らし、豊かな生活を目指した「セマウル運動(朴正熙政権期、農村を中心に推進された国民動員運動:訳注)」と混同されるべき性質のものではありません。「経済発展のパラダイムを変えて経済民主化を成し遂げ、国家の発展と国民の幸福が好循環する新しい構造を作る」ことも重要ですが、そこに5.18精神を無理に関連づけてはなりません。

「(現政権が目ざす)道に、民主化のために高貴な犠牲と痛みを体験された皆さんが先導的な役割をして下さることを要請」したところで、5.18の民主英霊と光州市民は唐突に感じるだけです。

 大統領にお願いします。大統領が真に5.18精神が国民統合に昇華されることを望まれるなら、前政府から続いている5.18民主化運動に対する冒涜をまず中断して下さい。 5.18民主化運動に意図的な侮辱を加えている総合編成チャンネルとインターネット・サイトへの調査を通じて、彼らの違法行為を明らかにして下さい。

 そして、光州虐殺の主犯である全斗煥・前大統領に課された追徴金を全部回収して、今も続けられている前大統領への過度な礼遇を止めるように願います(内乱と不正蓄財などの罪で無期懲役を宣告された全斗煥氏に1672億ウォンの追徴金が課せられた。だが、彼は全財産が29万ウォンしかないと主張し今も滞納している:訳注)。
 
 そうすることによってのみ、「5.18の英霊の前で冥福を祈り、遺族に慰労を伝え、共に胸を痛めた」という大統領の真心が確認されることでしょう。

 大統領の賢明な判断を期待します。

チョン・セヒョンの情勢トーク~『韓半島信頼プロセス』、3ケ月過ぎて看板だけ残った~

2013年05月16日 | 東北アジアの平和
インタビューに応じるチョン・セヒョン元統一部長官


チョン・セヒョンの情勢トーク~『韓半島信頼プロセス』、3ケ月過ぎて看板だけ残った~
 北朝鮮非核化を放棄した米国、引き立て役になった韓国

 朴槿恵政権の統一外交政策に関する韓国内の論評を紹介します。以下の翻訳文は、元統一部長官の丁世鉉(チョン・セヒョン)円光大学総長のインタビュー記事です。出展は韓国のインターネットメディア『プレシアン』2013年5月13日付。長文のため、内容の一部を省略しました。原文のサイトを挙げておきますので、参照してください。 KJH
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=10130512191220&Section=05

プレシアン(以下、問):朴槿恵大統領の訪米が北朝鮮核問題解決の出発点になるのか期待を集めたが、現状を打開する新しい試みはなかった。今回の韓米首脳会談をどのように評価するか?

チョン・セヒョン(以下、答):朴槿恵大統領の訪米に対する損益計算書を作成するなら、私は“損をした取引”と評価する。私たちにとって重要な懸案である北朝鮮の核問題、特に大統領が掲げる『韓半島信頼プロセス』に対して、米国からは外交辞令以上の支持を得られなかったからだ。会談直後に発表した『韓米同盟60周年記念共同宣言』を見れば、米国の関心事項が主に議論されており、私たちの重要問題に対する言及は殆どなかった。

 首脳会談の時期が韓国政府に不利だったといえる。今年が停戦協定締結60周年になることに加え、最近の米国はシリア問題解決に外交力を集中している。また、米国側で北朝鮮核問題、韓半島問題を担当する東アジア太平洋国務次官補が今も空席だ。したがって、私たちの懸案問題を米国と具体的に調整できる外交窓口がなかったかもしれない。ジョン・ケリー国務長官が去る4月、韓中日に立ち寄った時点では北朝鮮の核問題を解決するために2者会談や4者会談も可能だと話していたが、それに対する韓国側のフォローが十分ではなかったと考える。

 オバマ大統領は『韓半島信頼プロセス』について「朴槿恵大統領の接近方式と私の接近方式が似ている」としたが、それこそ外交的な辞令といえる。ケリー国務長官は韓中日への歴訪後に開かれた上院外交委員会聴聞会で、『韓半島信頼プロセス』について「現状では実行が困難」と表明している。対話を重ね相互の信頼を構築して北朝鮮の核問題を解決するというのが『韓半島信頼プロセス』なのに、米国側は対話を通して解決できる状況ではないという立場なのだ。このような状況で、外交ラインを通じて米国を動かすのは容易ではなかっただろう。

 それでも、首脳会談で『韓半島信頼プロセス』の重要性を強く主張し「米朝対話に応じてほしい」と要求したなら、米国も共同宣言でそれに関したコメントを入れないわけにはいかなかっただろう。「韓国側の要求を米国は十分に傾聴し、今後この問題に関する協議を継続していくことにした」ぐらいのコメントを入れることはできたはずだ。そうした内容が全くなかったのを見ると、韓国政府が話題にもしなかったのだろう。

 首脳会談の全般を総合して感じるのは、『韓半島信頼プロセス』を立案した朴槿恵大統領の対北認識や南北関係の観点が、大統領就任から3ヶ月を過ぎて一変したのではないかということだ。『韓半島信頼プロセス』の看板はかけているが、真剣に推進する意志はすでに消滅したのではないかと思う。推進する意志があったなら、共同宣言のどこかで触れられていたはずだ。

 ケリー国務長官が4月中旬に韓中日を歴訪して協議した内容のうち、「9・19共同声明に戻るべきで、6者会談はもちろん2者会談、4者会談も可能だ」というのは済んだ話になってしまった。「中国役割論」だけが残った状況だ。実際にケリー長官は中国に対して、「北朝鮮核問題の解決を主導してほしい」と要請した。つまり、「自分たちはシリア問題で手が一杯だから、北朝鮮核問題は中国が管理してほしい」という話なのだ。だが、私は「中国役割論」こそ米国の錯覚中の錯覚だと判断している。

 根拠を三点挙げたい。まず、中国が北朝鮮核問題を解決するために米国式の圧迫を加える可能性が殆どないということだ。次に、北朝鮮核問題は根本的に米国が解決しなければならない問題だ。北朝鮮が核カードを通じて得ようとするもののうち、中国や韓国の力だけで提供できるものは一つもない。米朝修交、平和協定、経済支援などは米国が決心しなければならない問題だ。最後に、東北アジアあるいはアジア全体の覇権をかけて米国と中国が競争局面に入っているのが現状だ。このような状況で、中国が米国の「使い走り」をするだろうか。「中国役割論」は、米国が中国に「使い走り」をさせる事に他ならない。

 「中国役割論」には韓国政府も期待をかけているようだ。「中国が北朝鮮に対する制裁を始めた。3回目の核実験に対する国連制裁を忠実に履行している」と判断して、「米国の言うように中国が積極的に動くなら北朝鮮核問題が解決されるから、その時まで待ってみよう」という立場を定めたようだ。首脳会談後の記者会見でも、そのようなニュアンスが濃厚だった。

 「北朝鮮が非核化への意志を行動で見せれば対話できる。韓米両国は対話の門を開いている」という内容だった。しかし、「対話の門が開かれている」という表現ほど消極的な外交姿勢はない。対話の門を開いているといったが、北朝鮮が対話の門に出てこれるような要因は一切なかった。北朝鮮核問題を解決する意志がこの政府にないのではないか、『韓半島信頼プロセス』は開始もできずに終わってしまうのではないか、と憂慮される。

 李明博政府では『非核・開放・3000』政策を当初から明確に出していたので期待しなかったし、失望することもなかった。だが、朴槿恵政府は違った方式で接近すると公言した。3月27日に開かれた統一部・外交部業務報告でも、南北対話を重ねながら北朝鮮核問題の解決方法を探すと明らかにしている。その分、今回の首脳会談で完全に期待を裏切られたので。失望がより大きい。

  
問:韓国が“損した取引”だと話されたが、国内メディアの大部分は今回の訪米が非常に成功的だったと評価している。なぜ肯定的に評価するのだろうか?

答:私たちの外交目標を単に韓米関係の維持・発展に置くならば、損害を被ったのではないと言うこともできる。韓米関係が外交の全部であった時代の観点で見れば、今回の外交は成功したのだ。だが、6.25(朝鮮戦争:訳注)以後の60年間、米国が提供する安保の傘の下で十分な経済力を持ったんだから、今後はこの経済力を維持し発展させるために外交の多角化を模索すべきではないだろうか?
 
 そうした点で今回発表した韓米共同宣言文は、今後の韓中関係を発展させていくうえで障害物になるかもしれない。宣言文は、米国の対中国包囲戦略に韓国が積極的に協力するフレームで組まれている。「21世紀の安保における新しい挑戦に対応できるように、同盟を引き続き強化し調整していく」という部分がある。この「21世紀の安保における新しい挑戦」とは北朝鮮核問題を指しているのではない。北朝鮮核問題はすでに20世紀末に始まり、今も現在進行形の挑戦だ。安保における新しい挑戦は、米国中心の東北アジア軍事秩序に対する挑戦を意味している。挑戦の主体は中国にならざるを得ない。G2の位置にまで上ってきた中国を指しているのだ。

 朴槿恵大統領が翌月に中国を訪問するが、この内容のために中国の疑いを受け、協力を取り付けるのが困難になるかもしれない。米国と連携して中国の台頭を抑制するという、極めて対決的な趣旨だからだ。対中関係の将来を考慮したとは思えない。

 最近になって中国は軍事費を持続的に増強している。世界銀行とゴールドマンサックスは2025年頃に中国が米国のGDP規模を追い越すと予測した。また、国際通貨基金(IMF)はPPP(実質購買力)を基準にした中国のGDP総額が、2016年には米国を上回るものと展望している。

 中国に対する米国の警戒心が大きくなるなか、中国は習近平時代に入ってから米国と協力しながらも、他方では米国の中国包囲戦略を牽制する動きも見せている。アフリカ外交の強化とかロシアとの関係回復などもその例だ。昨年には韓米日が行なった西海(ソヘ)連合艦隊訓練に対応するために、西海でロシアと合同海上軍事訓練をしている。米国が北朝鮮核問題を口実に韓米同盟を強化しミサイル防御網(MD)を構築することが、中国の立場では対中包囲と圧迫だと見なすしかないだろう。


問:今回の首脳会談で「北朝鮮核問題の解決は事実上あきらめた反面、米国の対中国包囲戦略に引っ張り込まれ米国にいいように弄ばれた。一方的に私たちが米国側に立てば、韓中関係に悪影響を及ぼす」という指摘なのか。

答:表面上は「韓米関係をグローバル・パートナーシップに格上げする」と取り繕っておいて、実質的内容においては米国中心の外交、米国の国益増大に協力する結果を招いてしまったのだ。私たちの懸案問題は一つも提示できなかった。

 共同宣言文の「北朝鮮の挑発から両国国民を保護するために、北朝鮮のミサイル威嚇への共同対応と共に、情報・監視・偵察体系の連動を含んだ包括的で相互運用可能な連合防衛力を持続強化していく」という部分は、事実上MDを意味するものだ。この内容を読むと、米国はもはや、北朝鮮の核を根本的になくす「非核化」の水準で解決する意思は撤回したと思える。核の外部流出だけを防ぐ「不拡散」を米国の政策目標に決めたので、MDに関するコメントを明記せずにぼかしたのだろう。私たちには死活問題である北朝鮮核問題だが、米国はそうでもないので中国に解決を任せながら、自分たちはシリア問題に全力投入しているわけだ。米国が北朝鮮の非核化は現実的に不可能だと見ているか、あるいは、米国の国益に役立たないと判断したかのどちらかだろう。多分、後者だと思う。


問:つまり、米国は北朝鮮核問題の解決に積極的意志がなく、韓国も主導的役割を担うつもりがないことが、今回の首脳会談で確認されたということか?

答:そうだ。だが、韓国はそうするべきではなかった。何としてでも非核化を主張し、米国がその方向に転換するようにすべきだった。米国の本心は不拡散であっても公式の立場は非核化だったから、その公約を守れと迫るべきだった。朴槿恵政府は『韓半島信頼プロセス』を持ちだしたが、その入口である南北対話については何の措置も取らずに「対話の門が開いている」とだけ主張している。『韓半島信頼プロセス』を推進するには、「対話の門を開けておく」と言うだけでなく、私たちがその門前まで行って北が出て来れるように呼びかけないとだめなんだ。


問:北朝鮮核問題と関連して米国は非核化よりは不拡散の立場を定めたし、韓国も主導的に出ないことが確実なら、今後の韓半島状況はどのように進行するのか?

答:非核化ではない不拡散の方針が固まり米国とその方向に行くとしたら、『韓半島信頼プロセス』は何一つ実行できないだろう。おそらく、保守志向の朴大統領支持者もこのような状況進展を喜ばないだろう。反対する可能性が大きい。北が核を保有する状況とは、南が核を頭に載せて生きろというのに他ならない。「こんな状況で一体、どんな南北対話や交流協力をするのだ」という反発が出てくるだろう。

 結局、今と同じ状態が続くことになる。北朝鮮核問題は放置され南北関係は行き詰まって...。『韓半島信頼プロセス』の入口が南北対話で出口は北朝鮮核問題の解決なのに、朴槿恵政府が自ら『韓半島信頼プロセス』が稼働できないように米国の外交方針に協力してしまった。

 北朝鮮は今後、核兵器の小型化・軽量化を推進していくだろう。「核カードを通じて受け取るものがなくなった。このままでは米朝修交も望めないし経済支援や平和協定も期待できない。オバマ政府と朴槿恵政府に期待するこは何もない」と考え、今年に発表した「核武装と軽工業発展の併行推進」という路線に行くしかない。
 この路線に対して朴槿恵大統領が「そのような政策は成功しない」と述べたが、そんな言及は南北当局間対話の余地を自ら遮断するものだ。北の立場からは内政干渉と見なすだろう。 相手を認めるには、その路線に対して是非を論じるべきではない。


問:去る2009年、オバマ政権の第一期がスタートする時点では、米国が北朝鮮核問題の解決に積極的に取り組むだろうと期待されたのだが。

答:私たちがオバマに期待をかけたのは、彼が「核兵器のない世界」を作ると演説したからだ。ノーベル平和賞の受賞もその構想のおかげだった。しかし実際に「核兵器のない世界」に寄与したことはなかった。ノーベル賞を前借りしたようなものだ。結果としてオバマ政権は、核兵器のない世界ではなく海外における米国の軍事的介入を拡大し、北朝鮮核問題の優先順位を下げた。そして、「戦略的忍耐」という言葉でそれを正当化したのだ。


問:前回の「情勢トーク」で春になると“北朝鮮威嚇論”が提起される理由として、米国の予算審議日程を関連させて説明されたが。

答:1983年か84年だったと思う。4月頃に某日刊紙にコラムを一つ書いた。「春になれば毎年、北朝鮮軍の前線陣地配置説が出てくる」で始まるコラムだった。1980年代は、1961年から始まった韓国の軍事政権が“北朝鮮の対南脅威のために安保強化が必要だ”との論理で、軍事政権の存在理由を国民に説得して認識させた時代だ。

 何をするにも北朝鮮を口実にしていた時代だ。挑発の可能性、北朝鮮軍の前線陣地配置などは、国内政治的な必要生もあったが、米国の国防予算を審議する頃になると常に米国発で出てくる情報だった。 1970年代からほとんど毎年、春になると前線陣地配置説が出てくるが「そのような前線陣地配置をすべて合算すれば今頃、北朝鮮軍は済州道(チェジュド)の南にまで到達していなければならない」と書いたことがあった。

 朴槿恵政府の初期から、北朝鮮の挑発と威嚇をメディアは執拗に強調してきた。他の見方をすれば、保守的な論調が政府の『韓半島信頼プロセス』を推進できない状況にした側面もあった。そうなった原因を説明しないで、北朝鮮の行動だけを報道すれば「あんな連中を相手に何の対話や信頼か!」という反応が出てくるしかない。そのような主張が大勢になれば、信頼プロセスは開始すらできない。

 今年のフォール・イーグル韓米合同軍事演習(3月1日~4月30日)は、例年に比べて強度が増大したものだった。B-52戦略爆撃機、B-2ステルス爆撃機、核潜水艦、駆逐艦などが動員されて高強度の訓練を展開した。わが方では通常の防御的な訓練というが、北の立場では毎年繰り返される威嚇と感じるしかないだろう。北としては「南の新政府と米国の2期オバマ政府がスタートした時点でこのように強く出てくるのは、連携して北を崩壊させようとするからではないか」と判断をしただろう。それで猛烈な抵抗を展開したのだろう。 わが方から見れば挑発と威嚇だが、北の立場では抵抗であり反発なのだ。

 では、米国はなぜこれほどの高強度訓練をしたのか? 米国の予算制度では、毎年5月15日から下院で歳出予算審議が始まる。それに先立ち2月の第一月曜日までに大統領が連邦政府予算案を議会に提出しなければならない。上下院各委員会はそれを受け、6週間の期限で各予算委員会に予算評価報告書を提出する。政府案を受けて実務者が1次的なコメントを付けて委員会に提出するわけだ。
 
 4月15日までに上下院で予算審議の内容を決める措置を取り、5月15日から下院で予算審議書を細部にわたって検討する。6月30日までに下院で13個の歳出予算案を通過させなければならない。そして7月には下院で通過させた歳出予算案を上院で審議することになる。7月15日に大統領が修正予算案を提出して、9月30日に大統領が最終署名し予算案は確定する。そして10月1日から新しい会計年度が始まるのだ。

 重要なのは3月中旬から5月15日までの二ヶ月間、予算審議に関連した各種の評価報告書が出されるという点だ。米国防総省では既存の予算を削減されないために、必要なら米軍が駐屯する地域で緊張を高めることになる。今年、とりわけフォール・イーグル訓練の度合いを高めたのは、今回の2期オバマ政府が「財政の崖」状態でスタートしたためだと見れる。北が猛烈に抵抗、反発するように仕向て“北朝鮮脅威論”を名分にし、駐韓米軍と駐日米軍の予算削減を阻止しようとする計算が作用したと思う。


問:だが、フォール・イーグル訓練が強化されたのは、今年2月に北朝鮮が敢行した第3回核実験への対応だったのではないか?

答:北朝鮮が訓練の日程を想定していたとは思えない。それとは別途に動いたのだろう。訓練は北朝鮮が核実験を敢行する以前の、昨年秋から計画されていたことだ。核実験への米国の対応は、国連安保理の決議案を通じて決定された。3月から対応がより強化したのは、「財政の崖」状況で予算編成する際に、国防予算を削減されないための根拠資料だと言える。米国政府各部署の利害関係や議会内における予算削減派と維持派間の競争の渦中で、私たちは事情も知らずに対北朝鮮強硬派の論理を代弁し続けたわけだ。

開城(ケソン)工業団地の件は、東北アジアの緊張を高める米国に韓国政府が協力するのを防止する目的で北が切ったカードだと思う。ところが、私たちがそれに対してさらに強硬な手段を行使したので、北朝鮮の退路がなくなってしまった。李明博政権の時も同じように北が通行を制限したことがあるが、しばらくして解除された。だが、李明博政権の時はフォール・イーグル訓練がこんなに膨大な規模ではなかった。また、李明博政府の時に開城工業団地が問題となったのも軍事訓練の時期ではなかった。

 今年、北朝鮮の猛烈な反発は高強度な訓練に対してのものだったのに、私たちはそれを開城工業団地と関連させてさらに強硬な対処をするしかなかった。朴槿恵政府としては不運な側面もある。


問:それなら北朝鮮への、そして南北関係に対する朴槿恵大統領の立場が変わる契機になったのは開城工業団地の問題なのか?

答:そうだと思う。本来なら、開城工業団地の問題を契機に南北対話を始めていなければならなかった。当時、南北当局間の接触が必要な状況は作られていた。北が開城工業団地で従業員撤収などの強硬措置を取ることになったのは、キム・グァンジン国防長官の“人質救出”の談話や、「北はお金のために開城工業団地を閉鎖できない」という保守メディアの“ドル箱論”などが原因だった。

 北は、それに抗議して従業員撤収という強度な対処をすれば南側で会談をしようと出てくるのではないか、朴槿恵政府と南北関係の新しい枠組みを作れるのではないか、と期待したようだ。そうすれば開城工業団地への投資も増やし、金剛山観光も再開できると期待して事を大きく構えたのだが、南はバサッと切り捨てた。朴槿恵政権が強硬対処した背景には、フォール・イーグル訓練に伴う韓半島の軍事状況、訓練に対する北の激烈な抵抗と反発には断固たる姿勢を見せなければならないとの意識があったからだろう。その時点ですでに『韓半島信頼プロセス』を放棄していた状態だったと思う。


問:だとすれば、米国が韓半島で追求する戦略的目標は何か?

答:不拡散とMDだと言える。このような状況がしばらく維持されることになるだろう。私たちは戦争でも平和でもない状態に置かれ、分断の克服は思いもよらないこととなる。韓半島状況の安定的管理も期待できないだろう。


問:北朝鮮核問題が解決されず南北がずっと対峙状態にあるなら、このような状況が米中関係をより一層の葛藤へ推し進める要因にならないか。

答:北朝鮮核問題は米国が中国を牽制できる名分になってしまった。米日同盟強化ないしは日本の防衛力増強、韓米同盟強化による安保協力、(共同宣言にあるように) MD配置などを推進することで中国を牽制すれば、中国も対処するために国防予算をより一層増加させるだろう。わが国の立場では、安保を60年以上米国に依存してきたので簡単に抜け出すことはできないが、経済発展を持続するには韓中関係を円満に発展させていくべきなのだ。ところが、米国に一方的に傾いた状況で経済だけは中国と上手くやっていくことなどできるだろうか?

 米国の対中国圧迫に参加しながら、どのような“裏ワザ”で韓中関係を発展させていくことができるのか? 中国がそれも見通していないと思うのか? 翌月に予定されている朴大統領の訪中が、形式的には韓米関係と韓中関係のバランスを取るものと見えるかもしれないが、内容的には、今回の韓米首脳会談が原因でバランスを取るのも容易ではない状況になってしまった。米国が韓国を有無をいわさず味方に引き寄せてしまったのだ。今後も米中関係における米国の戦略は、北朝鮮核問題を活用し軍事的に中国への圧迫を加えて包囲する方向に展開されるだろう(終)。

アメリカ政府にとっての朝鮮半島問題

2013年05月12日 | 南北関係関連消息
米国製のPAC-3パトリオット・ミサイル


 アメリカ合衆国は世界最強の軍事大国であり国際社会の指導国を自認している。では、米国の外交政策において「北朝鮮の核脅威」をはじめとする朝鮮半島問題は、どれほどの重要度を占めるのだろうか。

 今回、朴槿恵大統領の訪米を見守るなかで、朝鮮半島問題の優先順位が決して高くないことを実感した。首脳会談後の記者会見では四人の記者が質問した。二人は米国メディアの記者だ。その質問はシリアの内戦とアメリカ軍内部の性的暴行事件に関する内容で、朝鮮半島問題や米韓関係とはほぼ無縁な話題だった。米国民の関心がどこにあるのかを端的に示す質問だが、韓国大統領との共同記者会見だったのでかなりの違和感を覚えた。

 米国の外交政策において、常に最優先の順位を占めるのは中東問題と言われている。現状ではシリア事態であろう。シリア政府が化学兵器を使用した疑惑が浮上し、イスラエル軍はシリアを攻撃した。そしてイランが中東のイスラム諸国に向け、イスラエルに対抗する共同戦線を主張している。緊迫するシリア事態を前にしては、米韓首脳会談の比重も低下せざるを得ないところだ。

 米政府において国務長官の占める位置は際立っている。その存在感は副大統領をも超えると言えよう。当然ながら、韓国大統領を迎える会談の場に参加しているはずだ。しかし、ジョン・ケリー国務長官は一度も顔を見せなかった。彼は一体、どこで何をしていたのか...。

朴槿恵大統領がワシントンに到着した数時間後、彼はロシアに向け出発している。プーチン大統領とシリア事態の対策を講じるためだ。周知の通り、内部にチェチェン問題を抱えるロシアはアサド政権を擁護し、イスラエルの安全保障には政権交代が不可欠とする米政府は反政府軍を支援してきた。三時間に及んだ会談の末に米露はシリア事態への打開案に合意した。5月下旬に、アサド政権と反政府軍の間で平和交渉を開始するという内容だ。

 米韓首脳会談で、朝鮮半島の平和体制に向けた具体的な提案は一切なかった。両首脳は、国連安保理の対北制裁決議が唯一の解決策と見ているようだ。中国の積極的な協調をくり返し主張するのは、北朝鮮との困難な交渉を推進する意思も代案もないからだろう。

 今回の米韓首脳会談は国務長官が不在であり、実務責任者であるアジア・太平洋地域担当次官補も任命されていない状況で開かれた。これが、米国外交における朝鮮半島問題の位置づけであり、「北朝鮮の脅威」に対する危機認識のレベルと言えよう。米政府は“北朝鮮による先制攻撃”を想定していない。よって、朝鮮半島問題を緊急な解決課題とは見ていないのだ。

 その一方で、米政府は米韓首脳会談でも抜け目なく国益を確保している。朴槿恵大統領は歴代の韓国大統領に劣らない歓待を受けた。だが、請求書は高額だった。オバマ大統領は共同記者会見で、韓国政府の「シリア反政府軍に対する支援」を要請した。また、北朝鮮のミサイル脅威への対処として「ミサイル防衛網(MD)への共同投資」を強調している。

米韓同盟60周年が声高に謳われているが、MD計画への無分別な参与は米国製武器の購入拡大と膨大な軍事費負担につながるだろう。また、南北関係だけでなく、中国との関係も緊張することは明らかだ。金大中政権期にも米政府はMDへの参与と迎撃ミサイルの購入を強要したが、当時の千容宅(チョン・ヨンテク)国防長官は次のように説得したという。

 「われわれは南北関係を改善して、北が核兵器やミサイルで南を攻撃しないように良好な関係を築くつもりだ。だからミサイル防衛の話はやめよう。」

 朴槿恵大統領は米議会の演説で、非武装地帯(DMZ)に世界平和公園を作る構想を発表した。三千里鐵道としても歓迎すべき話だが、素朴な疑問が頭をよぎる。朝鮮半島の平和体制を念頭に置かず、そして北との和解・協力なしに、「DMZの世界平和公園」が果たして可能だろうか?    2013.5.12 JHK

   

「同盟」と「平和」の距離-米韓首脳会談への断想-

2013年05月09日 | 韓米関係
「同盟」と「平和」の距離-米韓首脳会談への断想-

 歴代の韓国大統領が就任後、最初に訪問する国はアメリカです。朴槿恵大統領も例外ではありません。5月7日、オバマ大統領との首脳会談を終え共同記者会見に臨んだ朴大統領は、対北朝鮮政策における韓米同盟の強い絆をアピールしました。

 両首脳の対北メッセージは単純明快でした。オバマ大統領は「北朝鮮が危機を作り出し譲歩を引き出す時代は終わった。...北朝鮮が先ず約束と義務を果たし非核化への意思を見せるなら、米韓両国は対話する用意がある」と述べ、既存路線(戦略的忍耐)の堅持を強調しました。朴大統領はさらに「北の変化を待つのではなく、変化せざるを得ないように国際社会が一貫した姿勢で臨むことが重要であり効果的だ」とし、対話よりも制裁圧力の優先を主張しています。

 今回の首脳会談には内外の注目が寄せられていました。米韓合同軍事演習が4月末で終了し、戦争危機が叫ばれていた朝鮮半島の緊張も収束に向かうと予測されるなかで開催されたからです。核問題を解決し朝鮮戦争の停戦体制という不安定要因を取り除くために、対話と交渉に向けた何らかの対北メッセージが公表されるのではと、期待する向きも少なくありませんでした。

 しかし、両首脳は朝鮮半島の平和体制に向けたメッセージを語らず、対話への意思すら垣間見ることができませんでした。
「対話への窓口は閉ざしていない」と言いつつも、「北朝鮮の非核化」が前提であり、その前提条件を北が決して受容しないことが明確である以上、それを対話のメッセージと見なすことはできないからです。

 どうやら、朴大統領の対北政策は、核放棄を南北関係改善の前提条件にした李明博前大統領の「非核・開放・3000」政策と大差がないようです。オバマ大統領も「この数年間、両国が歩調を合わせてきたアプローチに似ている」と満足気です。だとすれば、前政権の5年間に朝鮮半島の軍事緊張が極度に高まり、南北関係が最悪の状況まで後退した現実から、両首脳は全く教訓を得ていないことになります。

 今年は、朝鮮戦争の停戦協定締結から60年になります。一日も早く終戦を宣言し平和協定を結ぶ時だと思いますが、米韓首脳会談では「米韓同盟の60周年共同宣言」が採択されました。
 その一節には「米国は拡大抑止と、通常および核戦力など全ての軍事的能力の使用を含む確固たる対韓防衛公約を再確認する」と書かれています。北への核使用もあり得ると明言しているのです。また、「両国は...民主主義と自由市場経済の原則に立脚した平和統一を実現する」という、吸収統一への露骨な意思も記されています。この勇ましい文面からは、両体制の平和共存に基づく漸進的な統一を誓った「南北合意書」や「6.15南北共同宣言」の精神を見出すことはできません。。

 70年に及ばんとする民族分断の痛史から、私たちが学ぶべきことは何でしょうか。
 同族を制圧するために結ぶ大国との「同盟」によっては、「平和」も「統一」も決して達成されないという真理ではないでしょうか。

 最後に、冒頭のオバマ大統領の言葉をもじって、両首脳に返したいと思います。
 「軍事的圧力と経済制裁で北に譲歩を強要する時代は終わった。米韓両国が北の体制保全と平和協定への意思を表明するなら、朝鮮半島非核化への道は再び開かれるだろう。」 

2013年5月9日 J.H.K.

李明博元大統領、李相得元国会議長兄弟のような人々が得意とする錬金術。

2013年05月06日 | 南域内情勢
韓国民は、このような報道を目にしてどのようなことを考えるのであろうか…

このような人間を国の代表に選んだ自分たちの愚かさを自覚してくれればよいのだが…

maneappa


以下ハンギョレ新聞から転載。
…………………………

億台の子供株式富者にMBの孫も

登録 : 2013.05.05 17:32修正 : 2013.05.06 08:06


財閥ドットコム ホームページより

保有株式評価額が1億ウォン以上の‘子供株式富者’が118人に達することが明らかになった。


 5日、財閥ドットコムが上場企業大株主の特殊関係人が保有する株式評価額(4月30日終値基準)を調査した結果、1億ウォン以上の株式を保有する満12才以下(2000年4月30日以後の出生者)が118人と集計された。 昨年の同じ時点の調査では102人だった。 今年10億ウォン以上は31人、100億ウォン以上は2人だった。

 評価額順位を見れば、ホ・チャンスGSグループ会長のいとこであるホ・ヨンスGSエナジー副社長の長男(12才)が429億9千万ウォンで1位を占めた。 ホ副社長の次男(9才)は174億6千万ウォンで2位だった。 ホ副社長の長男は3才だった2004年に㈱GSの株式25万9千株余りを初めて贈与され、現在は76万341株に株式数が増えた。 続いてイム・ソンギ韓美薬品会長の親戚7人が大挙上位圏に布陣したが、これら親戚たちは韓美サイエンス・韓美薬品などの株式を贈与を受け、それぞれ80億ウォン台の株式を保有していた。

 イ・サンドク前セヌリ党議員の婿であるク・ボンチョンLBインベストメント代表の長男(12才)と次男(10才)の保有株式はそれぞれ60億5千万ウォン、55億5千万ウォンの評価額を記録した。 また、パク・サンドン イェシングループ会長の娘(10才・52億7千万ウォン),ファン・ウソン ソウル製薬会長の同年齢の二人の息子(9才・それぞれ42億5千万ウォン),前フィリップ パラダイスグループ会長の長男(11才・21億9千万ウォン)と次男(9才・36億2千万ウォン)等が上位圏に名前を上げた。 李明博前大統領の婿であるチョ・ヒョンボム韓国タイヤ社長の息子(7才)と娘(10才)もそれぞれ8億1千万ウォン、8億ウォン分を保有した。 今年満1才のク・ボンチョン LBインベストメント代表の甥とソン・ゴンソク ワトスコリア代表理事の孫娘もそれぞれ1億6千万ウォンと1億ウォン分の株式を保有していることが分かった。

 財閥一家の大株主たちは、幼い子供や親戚に贈与した株式を売買して相場差益を得た後、保有株式数を段階的に増やしたケースが多かった。 一例としてチョ・ソンレ 暁星グループ会長の孫3人は、2008年(株)暁星株式を8千万~9千万ウォン分ずつ買いとった後、2010年10月に株価が4倍以上に騰がるとすぐに処分して、それぞれ3億ウォン台の差益を得た。 その後、昨年5月に同じ株式5億ウォン分ずつを再び買い入れ保有株式数を3倍近く増やした。 キム・フェスン記者 honesty@hani.co.kr

韓国語原文入力:2013/05/05 16:18
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/585928.html 訳J.S(1213字)


http://japan.hani.co.kr/arti/economy/14634.html

6/16 李鳳朝先生講演会 『南北新体制の現状と展望』

2013年05月03日 | NPO三千里鐵道ニュース
6.15共同宣言13周年記念講演集会

『南北新体制の現状と展望』

昨年から今年にかけて、朝鮮半島の北では金正恩体制が、南では朴槿恵政権が発足しました。
中国では習近平体制となり、ロシアはプーチン大統領が再登板、米国はオバマ政権二期目となり、この日本では自民党政権に逆戻りして安倍再登板となりました。つまり、朝鮮半島の平和にかかわる六か国すべての国で体制が変わったのです。
七月には、朝鮮戦争の休戦協定から60年を迎えます。
東アジアの平和には、朝鮮戦争の早期終結と平和協定が緊要ですが、朝鮮半島は今、最悪の戦争危機といわれています。
そしてついに、南北の和解と協力の象徴である開城工業団地までもが閉鎖の危機に陥ってしまいました。
 6.15南北共同宣言の歓喜の声はかき消され、そこで示された朝鮮半島の平和と統一への道はいったん閉ざされたかのようです。
 このような情勢の中で、今年の6.15記念集会は、李鳳朝先生を招いて講演会を持つことにいたしました。
現状について学び、そして今後の活動について展望して参りたいと思います。ぜひお越しください。

講演 李鳳朝 先生(元韓国統一部次官)

日時:6月16日(日) 午後2時半開場 3時開演
場所:名進研ホール 名進研ビル3階
(名古屋市西区名駅2-34-19  名古屋駅より北へ徒歩5分 サンルートホテル北側)

参加費:500円 (学生無料)

主催:NPO法人 三千里鐵道 問合せ 0532-53-6999

5/25 康宗憲氏再審無罪記念講演会&祝賀会のご案内

2013年05月03日 | NPO三千里鐵道ニュース
康宗憲氏再審無罪記念講演会&祝賀会

『再審裁判を闘って』
 
さる1月24日、韓国ソウル高裁は1975年に「北朝鮮スパイ」として韓国軍に摘発され、国家保安法違反罪などで死刑判決が確定し、約13年間服役した在日韓国人2世の康宗憲氏の再審裁判において、無罪判決を出しました。
 在日韓国人元「政治犯」の再審裁判では、このところ無罪判決があいつぎ、既に11人の無罪が確定しています。さらに5人が無罪判決に対する検察の上告など上級審で係争中ですが、今年中には無罪が確定するものと期待されています。
さらに再審開始決定の出た人や再審の申請を終えた人もおり、今年は朗報が続くことが期待されます。

康宗憲さんの再審無罪判決の公判には、三千里鐵道の都相太理事長も日本から駆けつけ、またこの間の三千里鐵道の活動の中で懇意にしていただいている李在禎元統一部長官も多忙な中傍聴して、その喜びを分かち合いました。
三千里鐵道では、当時より救出運動に取り組まれた方たち、そして釈放されて日本に帰ってきてから康宗憲さんに出会った方たちと一緒にこの無罪判決の喜びを分かち合う会を持ちたいと思い、このように講演会&祝賀会を開催することといたしました。

日時:5月25日(土)午後3時~
場所:カネジュービル5階第五会議室
名古屋市中村区則武1丁目2-1カネジュービル5階

主催:NPO法人三千里鐵道

※祝賀会参加者の人数を事前にある程度把握したいと思
いますので、参加をご希望される方は、下記までご連絡
くださいますようお願いいたします。

電話 090-3559-8874
Mail gideok2010@sanzenri.gr.jp