原文入力:2012/02/20 19:03(1148字)
朴槿恵・セヌリ党非常対策委員長が昨日放送記者クラブの討論会で最も強調した話は‘過去との断絶’だった。彼女は "今セヌリ党が復活している"として "過去の過ちと完全に断絶して新しく生まれるために果敢な刷新をしている" と話した。五日前政党代表演説に続いて繰り返された過去断絶論だ。

 セヌリ党はすでに政治綱領・政策の基調を競争を優先視する新自由主義から幸福を重視する福祉拡大の方向に変えた。14年以上使い続けたハンナラ党という名前も果敢に捨てた。現在、真っ最中の公認選びでも道徳を基準として現役議員を大幅に入れ替える計画という。‘李明博でなければ何でもいい’というほど大きな変化が予想される。
 朴槿恵委員長が主導するセヌリ党の変化と改革は格差解消と福祉拡大を望む国内外の流れを反映すると同時に、二大選挙を狙ったパフォーマンスの意味も帯びている。とにかく政党が時代精神を反映して変化するのは良いことで、その中に真正性まで含まれているならば加える私上がないだろう。
 しかしパク委員長が追求する過去との断絶や変化、改革は本当に誠実といえるのか疑問だ。彼女は李明博政府の問題点として対話不足と格差社会の進行を指摘した。対話は民主主義の後退を、格差は経済の失敗だといえると考えられる。格差はひとまず差し置いても、疎通と民主主義に対するパク委員長の思いはほとんど感じられない。
 最も代表的な事案が正修奨学会問題だ。正修奨学会は釜山(プサン)日報の株100%、文化放送の株30%と京郷新聞社の土地700坪余りを所有している財団法人で、いまだにパク委員長と深い関係がある。だが彼女はこの日関連質問を受けて "2005年に理事長をやめたので自分と関係ない。これと関連して奨学会は明確に立場を表明する必要がある" とまで話した。今でも朴正熙前大統領を‘王様’、パク委員長を‘大令嬢’と呼ぶ(<ハンギョレ> 2月4日付3面)チェ・フィリップ氏が奨学会理事長を務めているという事実と非常に距離感がある認識であり発言だ。
 世の中の仕組みは法律関係だけで成り立っているのではない。人脈でからまりあい、情でつながれている。パク委員長が本当に正修奨学会と関連がないならば、自身をいまだ王朝時代の上殿のように迎える人を理事長から退かせて、市民・マスコミ団体の要求通り社会に財団を還元できないわけがないはずだ。過去と断絶はひとからではなく自分から始めてこそ誠実だ。

原文: http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/519916.html 訳T.W