NPO法人 三千里鐵道 

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“私はKBSの影響力が恐ろしい”②ー提言

2010年11月12日 | 南域内情勢
★“私はKBSの影響力が恐ろしい”の続き。逆になったが、寄稿者の提言部分を載せる。


 KBSは公営放送としての姿勢を正せ

公営放送は権力の真の‘批判者’にならなければならないと、私は信じる。 ‘批判者’の役割こそ、公共に奉仕する公営放送が追求しなければならない最高の使命である。
今のKBSキム・インギュ社長はイ・ミョンバク大統領を至近距離で補助した特補出身だ。 キム社長はKBSをMBの‘信じあっれる反対者’として機能し、MBが本来の姿から外れるときには本来の場所に導いて上げなければならない。 それが過去の主君を本当に助けることになる。

だが今KBSは、MBを神話でぎっしり埋めた‘鏡の部屋’に追い詰め、神話の主人公のよう錯覚現象を誘発し、主君に自己確信と正当化をより一層あおりたてている。 権力者に自らの矯正の機会を提供するべきなのに、その意志は全く見られない。 これはMB政権を助けるどころか却って亡ぼすことになるだろう。

特補出身がKBS社長になって、特補出身らしい役割を正しくすることができないこと、これが即ち特補体制KBSの逆説だ。



“私はKBSの影響力が恐ろしい”

2010年11月12日 | 南域内情勢
今日G20の本会議、KBSの記者から憂いの告発があった。ソウルからは遠い蔚山からだが、もっと遠い海外からもこの異常な報道に恐ろしさを感じる。
光州鎮圧を実況中継した現KBS社長の就任は、MB統治美学の秀作になった。まずは緊急投稿氏の記事、ご覧ください。namsang


“私はKBSの影響力が恐ろしい”

[緊急投稿] MB滅亡とKBS - ‘特補体制’の逆説

2010年11月11日(木)08:28:22キム・ヨンジン蔚山KBS記者・前KBS調査報道チーム長( media@mediatoday.co.kr)


<KBS ニュース9>は一昨日(11月9日)、KBSの媒体信頼度と影響力が全て1位になったと大々的に報道した。

信頼度は44.2%、影響力は何と52,4%と集計された。 単純数値で見れば、KBSの影響力は我が国すべての新聞、放送、インターネット媒体の影響力をみな合わせたより大きいわけだ。

KBS記者として私は、この数値が誇らしくなければならない。 だがそうでない。 本当は、私はKBSのこの影響力がとても恐ろしい。 正確に言えばこの影響力の向かう先が恐ろしい。
メインニュースの<ニュース9>には間違いなくG20広報リポートが必ず入っている。 G20準備状況報道から“G20首脳会議. 予行演習、各国指導者らの配偶者代役を使い…等など。

だが、この程度は愛嬌に過ぎない。
9時ニュースが終わるやいなや、夜10時から<G20特別企画-コリア奇跡を探る>、<G20企画-世界は今>を放送して<ニュースライン>でまたG20を取り扱う。夜11時半から<G20特別企画-世界首脳に聞く>、<G20特選ドキュメンタリー-食べ物番組と走る。
夜10時から翌日明け方まで G20特別企画を編成し、G20特集’以外は割り込む余裕すらない。

‘G20神話’特集に3千 3百分を投入

そして昨日夜<KBS ニュース9>は以前に短信で処理した‘G20経済誘発効果数十兆’等と出した。‘世界経済中心軸として突出’等のリポートで、G20に対する幻想を極大化させるなど、何と15件のG20関連リポートを吐き出した。

G20が開かれる今日と明日は編成表がすべてG20特集と生放送で壁貼りされている。

だがKBSが何と3,300分を注いで視聴者たちにじゅうたん爆撃するメッセージは、非常に単純だ。 G20ソウル開催で“大韓民国が世界の中心にそびえ立った”という神話だ。 この神話を形成して、支えるストーリーは非常にぼう大だが、あらすじは世界主要20ヶ国指導者らと肩を並べ、超強大国の米国と中国の間で仲裁者と調停者役割をする、新しい経済秩序を左右する世界的な指導者が現れた、それがまさにイ・ミョンバク大統領だということだ。

‘永続的キャンペーン(Permanent Campaign)’の害悪

この英雄神話は‘檀君以来最大の行事’、‘国家ブランドと国の品格を画期的に引き上げる行事’等と華麗な修辞(rhetoric)で装う。

だが、この神話作りは、去る80年代に米国の言論人シドニーブルーメンタル(Sydney Blumenthal)がかつて明らかにした‘永続的キャンペーン(Permanent Campaign)’の典型的な事例だ。 ブルーメンタルは‘永続的キャンペーン’が戦略的計算とイメージ メーキングが結びついた政治イデオロギーと規定して、政治指導者が当選した以後にも政治的目的を貫徹して、大衆の同意を持続的に操作するための政治工学だと話した.
政治評論家のジョークライン(Joe Klein)は、レーガン大統領時期からホワイトハウスによって普遍化した‘永続的キャンペーン’は、ジョージ・ブッシュ政権に達して最高境地に達し、完全にどん詰まりを見せたと辛らつに批判した.


最近各報道機関で相次いで報道しているイ・ミョンバク大統領支持度は大部分50%を上回っている。 大統領府も自ら調べた支持度を発表して自画自賛している。 執権後半期に50%越えた支持率は異例的な数値であることは明らかだ。 しかし我が国全報道機関を全部合わせたより影響力が大きいKBSが、G20を控えて3,300分を割愛して雰囲気を盛り上げているのに、G20首脳会議の議長席に座る人物がこの程度の支持も受けることができないならば、かえってそれが変なことであろう。

支持率は単純に政治指導者の人気度を現わす尺度に留まらない。 現代政治で支持率はそれ自体が強力な権力行使道具だ。 自身の主張を押し通して、反対意見は黙殺できる包括的根拠となる。 それが政治指導者らが支持率に固執する理由だ。
ブッシュ前大統領は存在しない大量殺傷兵器でイラクの脅威を誇張し、イラク戦争をはじめた。 その時ブッシュの支持率は何と80%台に到達した。 その驚異的な支持率が招いた破局は、皆がよく知っているとおりだ。 そしてその破局を助長した他の主演は、米国の主流メディア媒体だ。


MB ‘英雄伝説’にオールインした公営放送KBS

今私たちの社会はMB政権とKBSなど主流言論が作り出したG20キャンペーンに、じゅうたん爆撃され、民間人不法査察問題、UAE派兵問題、4大河川問題など重大な懸案らを忘却していきつつある。
韓国の大多数言論人らはG20が半年ごとに開かれる会議体制に過ぎなく、たとえソウルでどんな合意が導き出されても拘束力がない象徴的水準に留まり、この会議で私たちが世界の中心国家になるはずもないことを、あまりにもよく知っている。 首脳会議が閉幕すれば、G20はすぐ忘れられる一過性行事ということも周知している。

それなら国民を幻想に追い詰めた欺瞞の代価をどのように払うべきか?

どうせバラ色レトリックは、まもなく忘却されることで、今週末からは広州アジア競技大会がまた再び私たちの‘国の品格’装置として登場するだろう。 大統領府は大韓民国を輝かせたメダリストらを招請して宴会を施して写真を撮って、もう一つのキャンペーンを行うことで、その後のキャンペーンを政権内部に布陣した。

MB政権の‘永続的キャンペーン’が、また続くのだ。(②に続く)