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バス停に残した詩ーある機動警察の涙

2008年10月11日 | 南北関係関連消息
今年の夏、韓国はBSEとチョップルで揺れた。時は流れ、追憶の彼方に…
と、思っていたら、僕の尊敬する詩人金芝河がインターネットサイトに記事を載せた。「蝋燭を松明に」しようとした、政権転覆意図をもった左翼運動と非難した。返す刀で李政権にも苦言!しかし、新聞には、チョップルデモ批判だけが掲載され、今後ネットで投稿がありそう。


胸を打つ詩が、バス停に残されていた。過去の抵抗詩人の言動に塞ぐ僕に、一筋の希望の光が…。
*訳が下手でご免! その日の状況など感じ取っていただくだけで、甲斐があり!


題目 : ある機動警察の涙
詩人 : 京畿道で勤務中の機動警察


君は
どうして笑っているの
何がそんなに楽しくて
何気ないように笑うのか

暴徒に追われ
頭が割れ、血を流しているのに
それが楽しい事なのか


私はお前を理解することができない
教科書と格闘すべき忙しい時間に
お前はどうして蝋燭を持って
それ一つだけを信じて
私の汚い軍靴の前に立ったのか

お前にすまないわけではない
ただ, 獣になってしまった
私の仲間たちが憎くて
あまりにも無能力な自分自身が憎くて
'公権力'という名前で罵られる私を恨む
憎悪し, また呪い、そして悲しく
私は泣く、むせび泣く



私は君が憎い
するなと確かに止めたのに
無邪気に光化門前で叫んだ
君が憎い

君はただ
安物芸能ゴシップをのぞき見て
上がらない成績を嘆いて
友とカラオケ屋をハシゴしてれば良い

私はただ
好きな野球競技を観覧して
時には下手な詩を書き、頭悩まし
友と焼酎を傾ければ良いのに…

君と私はただ
混沌としたこの世の中で
このように
出会うべきでなかったのに...



君の過ちではないことを
私の過ちでもないことを
デモ隊が暴徒ではないことを
あまりにもよく分かっている

理想と真理と現実と規律と感情と…
私はこの幾多の乖離の中で
何を言いたいのか...
そうだ 本当は
君にすまないと思わないと、
その言葉は偽りだったのだ

私は愛している
涙ぐましいほど光る君たちの蝋燭の灯を
心より愛しているのだ

私は泣く
そう, ただ泣く
自分自身がとても惨めで見窄らしくて
声を出して狂ったように泣く

夜更かしして、泣いて声がかれて
顔に涙がまぜこぜになっても
愛する君が流した涙と血に比べれば
塵ほどの価値もない


君はしきりに笑う
大丈夫だと言いながら
この位は何でもないと
すがすがしく笑う

こめんね, 守ってやれなくて
ありがとう、そして愛しているよ

喉の渇きで人知れずむせんで
君逹が愛する '民主'を
私もそっと呼んで見る.

歴史が気の弱い私に
重い原罪で辱めても恨まない
私はこの時代が生んだ
びっこの私生児なのだから

民主よ… 愛しているよ
民主よ… 愛しているよ
一晩中まんじりともしないで集会を見守り
不遜にも長文の詩を書きなぐった
機動警察を代表し弁護するつもりなどない
ただこんな人もいることを知ってほしい

機動警察にいることが、すまない
公権力という名で生きていることに、
…すまない。









(注)
2008年 6月 6日午前キャンドルデモを見守った  京畿道で機動隊行政要員で勤務中の機動警察がソウル世宗路バス停に 残した 詩