迷宮映画館

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うまれる

2011年03月05日 | ドキュメンタリー映画
さて、そろそろ孫の一人や二人がいてもおかしくない年になったもんで、自分にとってのなにか大きな収穫。。。という映画ではなかったが、なかなか勇気ある作品ではなかったかと思う。

3人産んだ身としては、お産のことなら何でも聞いてくれ!てなもんだ。3回が3回とも違ってたし、あの小さなふにゃふにゃしたもんをこの手に抱いた時の感慨もしっかり覚えてる。先に言ってしまうと、あの可愛かった・・・・。。。。こうなるんですよ・・・と。

おまけに長年生きてきたもんで、さすがにいろんなお産を知ってる。もう犬のお産!というくらいに、楽勝で、ぽろんぽろんと産んだ人もいれば、超超難産、苦しみぬいた末に死産だった人、子宮が外に出てしまった人、20年近くも不妊治療を続け、もう駄目だとあきらめて治療を辞めた途端、妊娠した人。。。

そんな方々を身近に知っている。それらにはどの人にも壮絶な話があって、過酷な体験を経ている。それらの話というのは、言うべきものなのか、語るべきものなのかは、わからない。子供を産むことに対して、不安を抱いてる人に、後押しになるのか、力になるのか、それもわからない。

結局、産んでみなけりゃわからないのだ。そう!だから産んでみましょ。みんなみんな、それぞれ違うんです。正解はないのですよ。おかあちゃんは強いから大丈夫!どんと来いです。

一番印象的だったのは、先生が言ってた「お父ちゃんはなる準備を出来ない。でも、なれる!」みたいな話。お母ちゃんは、時間をかけて、腹の中で子供を守り、徐々に母になっていくのだが、父親はそうはいかない。でも大丈夫です。ちゃんとお父ちゃんになれますから。。。。

といいつつ、この映画を見てて、何とお父ちゃんたちのできてること!若いのに人間が出来てる。妻に対して、理解し、いつくしみ、なんとも大きい。いや、多分にそういうお父ちゃんを持ってるから、この映画に出る!との選択が出来たんだろうが、ふた昔前には、なかなかない姿だったなああ。

立会出産なんて、今じゃ常識なんでしょうが、それをすること自体が、まだすごい!ことでしたから。ちゃんとやってる人もいましたが、やらない選択も普通。きっと今じゃ、やらない方が顰蹙を買うんじゃないかな感じたのも事実。

それこそ血の苦手な男性もいるだろうし、出産がスタイルになってはいないだろうか、こうあらねばならないと言うもんになってはいないだろうか。それこそ人それぞれの妊娠、出産。自分をしっかり信じることも大事なことだよ。

伴夫妻が、最初の陣痛で、助産院に行ったとき、あたしは「あ~、まだまだ」と思ってました。奥さん、ニコッと笑ってましたもん。
最初の出産の時、陣痛室で一応うんうん唸っていたあたしを見に来た医者が「どうだ?」、あたし「痛いっす」と、笑顔で答えたのですが、その答え、「笑ってるから、まだまだだ!」と・・。
そんとき、こんだけ痛いのに、まだまだ?とむかっときたのですが、本当にまだまだでした。

◎◎◎

「うまれる」

企画・監督・撮影 豪田トモ
ナレーション つるの剛士


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2 コメント

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Unknown (KLY)
2011-03-06 00:13:30
命のリレーはそれだけで奇跡ですね。
私は男なので真和さんを観ていてなるほどなぁと思いました。「お父さん!」と呼ばれても自分の事だってわからないじゃないですか、一瞬。やっぱりそこがお母さんとの1番大きな違いなんだなって。
もちろん両親共に自分を愛してくれたことは充分に理解していますけれど、この作品を観ていたら、お母さんの愛情と、お父さんの愛情って違うんだろうなって思いました。もちろん良いとか悪いとかそういうことじゃなくて。
ほぼ同時期に観た『玄牝』そして、『無防備』という作品が私の中で出産を扱った作品としてはベスト3かな。
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>KLYさま (sakurai)
2011-03-06 22:24:21
そうですね。お父さんは、お父さんになろうとしないとなかなかなれない。
お母ちゃんは、有無を言わさずなっちゃうんですよ。愛情の違いとかではなく、役割の違いみたいなもんでしょうかね。
でも、ああいう父ちゃんたちって、いいなあ~と思いました。
いまどきのお父ちゃん。ここ10年くらいで、ずいぶんと価値観が変わったように思えます。
先日、友人の見舞いで病院に行きましたが、夫婦そろって父母教室みたいなもん?見事に二人揃って、病院内をめぐってました。
次に「玄牝」きますので、こっちも楽しみです。
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