セッションズ

いやーー、とにかくいろいろと驚いた。まずびっくりは、役者さんたち。ポリオで首から下がマヒの青年を見事に演じていたのが、50歳を軽く超えてるジョン・ホークス。癖のある役が多い印象だったが、いやいや御見それしました。何ともナイーブな青年を好演。それもほぼ表情だけ。

で、性欲はもちろんある！高名な元ボクサーさんは、人間の三大欲求は、「食欲と、睡眠欲と、あと一つは・・・・・」に「にゅーよく」とお答えになったそうだが、（素晴らしい！）なきゃ困るのが性欲。生きてる者としては、これがなきゃ存亡の危機にかかわる。生きてる証拠だ。

でもって、セックス・セラピストなるものがあり、セックス・サロゲートなる職業というか、役割というか、そういうもんがあるっていうのにはたまたびっくり。この年になっても、まだまだ知らないことが多くて、ためになります。映画のいいとこ。

その難役をこれまた素晴らしい演技で惜しげもなく肉体を披露したのが、はたまた50にならんとするヘレン・ハントさん。これまで、お脱ぎになった作品・・・と考えても、さっぱり思い浮かばないのだが、なんつか神々しさすら感じてしまうほどの美しさだった。

とってもデリケートな問題なので、当たらず障らず。できれば、見ないふりとか、目を背けてしまいがちなテーマ。しかし、そこを真正面からドンと突きつけられた。そこもびっくり。これを表したっていう気概みたいなもんを役者さんたちがしっかと表してのが、やけにまぶしく感じた。

いろんな立場の女性が登場するが、どの女性もみんな素敵。最初に面倒を見ていたとんでもな女性がご愛嬌。力強い作品でした。

◎◎◎◎

「セッションズ」

監督　ベン・リューイン
出演　ジョン・ホークス　ヘレン・ハント　ウィリアム・H・メイシー　ムーン・ブラッドグッド　アニカ・マークス