迷宮映画館

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ザ・テノール 真実の物語

2014年10月30日 | さ行 外国映画
オペラはさっぱり門外漢なもんで、こんな話があったとはまるで知りませんでした。映画ってのは、これだからやめられない。実話です。

「アジア史上、最高のテノール!」と称賛されていた韓国人のオペラ歌手のベー・チェチョル。ヨーロッパで活躍し、日本のプロデューサー、沢田の目に留まり、日本での舞台も大成功。飛ぶ鳥落とす勢いだったときに、奈落の底に落とされる。何と甲状腺ガン。手術によって命は助かったが、声楽家としての命の声を失ってしまった。

失意のどん底にいるチェチョル。生活をなんとか支えようと、元声楽家であった妻も復帰しようとするが、うまくいかない。何かと障害になり、これ以上ない嫌味を並べ、悪役の権化見たいな役やってる紅毛人の女の子が超効いてる!いやーーー、いくらなんでもあんなに性格の悪い子はいないと思うんですが、どうでしょう。

一家の主なら、んなことで落ち込んでばかりじゃなく、なんとかせなあかんでしょ!と尻でもひっぱたくなるのですが、そこになんとか彼を復帰させたいと頑張ったのが、沢田。熱意だけは誰にも負けないエネルギッシュな奴。これがまた、伊勢谷君が似合うこと、似合うこと。無駄に高いテンションがぴったり。声帯形成手術の権威が日本にいるってことで、手術を受けさせ、歌声を取り戻させようと奮闘します。

その手術の様子がすごい!実際にそうだったということです。手術は部分麻酔。甲状軟骨形成手術とやらで、骨片を声帯に持ってきて、一番適切な所を探し出し、声を出しながら、術式を進行させるというもの。うーん、ブラック・ジャックみたい!!と思ってしまいました。

手術は成功、これでまたもとのような声が出せる・・・と思ったが、横隔膜の神経も切れていることが分かり、完全に元通りになることはやはりできません。でも、絶対に歌を捨てることはできない彼のために、沢田が舞台を用意します。彼の復帰を何より望んでいる家族のため、ファンのため、そして自分自身のために。。。。

日韓が共同して、実際にも力を合わせて作りあげた話が、こうやって出来上がったということが何よりだと思いました。実話の持つ重みと、実際のベー・チェチョルの歌声が何より雄弁です。復帰した舞台で歌った「アメイジング・グレース」の歌詞が、あまりにも彼の人生にぴったり過ぎて、泣けました!

細かいこと言うと、いろいろあるんで、ここは口をつぐみますです。あたしの苦手なユ・ジテじゃなかったら、きっともっと・・・・。

◎◎◎○

「ザ・テノール 真実の物語」

監督 キム・サンマン
出演 ユ・ジテ 伊勢谷友介 チャ・イェリョン 北乃きい ナターシャ・タプスコビッチ


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