迷宮映画館

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ファースト・ポジション

2013年02月17日 | ドキュメンタリー映画
日本の忍者の修行の話を思い出した。小さな木を植えて、毎日毎日それを飛び越える。最初は低い簡単なジャンプが、毎日やることによって木の成長とともに、とんでもなく高いところまで飛べるようになると。。。

みんながみんな、飛べるようになるわけでもなく、途中で挫折する人もいるはず。毎日毎日こつこつやってもできない人もいれば、コツコツやってきっちりやれる人もいるだろう。そんな姿を思い浮かべながら、この映画を見た。「ファースト・ポジション」!

バレエのドキュメンタリーは面白い。本当に興味深い。バレエという絶対に人間離れしたものに打ち込んで、ありえない方向に体を曲げ、片足のつま先一本で全体重を支え、とんでもない負荷を肉体にかけながら、顔には一切そのつらさを出さない。すごい。すごすぎる。人間ってすごいなあ~と思って、ちょっとだけ自分のモチベーションを上げるのがバレエを見て、思うこと。

今回のドキュメンタリーは、ちょっと毛色が違ってた。ユース・アメリカ・グランプリという9歳から19歳までの世界中の子供たちが挑むコンクール。これで上位に入賞すると、奨学金がもらえ、一流のバレエ団に入団する切符がもらえる。5000人の子供が挑むというもの。いやーー、壮観!すごい。

パリ・オペラ座のバレエやら、バレエリュスやら、いろいろと見てきたが、子供たちというのがいい。完成されたものもいいが、緊張して転んだ姿、うまくいかずにとことん落ち込んだ様子、嬉々として成功を喜ぶ表情に、あどけない姿にいろいろなものを背負っている。

クローズアップされた子どもたちは、皆それぞれに違った環境でバレエをやってる子たちだ。容姿にも恵まれ、才能も有り、普通の高校生やりながら、バレエに打ち込んでいる女の子。家族中が応援し、すべてが子供たちのバレエのために動いている裕福なお家。シエラレオネ出身、内紛で家族を惨殺されアメリカに養子となってやってきた少女、コロンビア出身、家族の生活を思いっきり背負わされてる少年、才能に恵まれ、見事な踊りを見せながらも努力を惜しまない少年。。。。

いくら頑張ってもできない、うまくなれない、どうにもならない。。。とっても上手な子を見て、「あの人には才能があるから・・」といいたくなる。見てて思った。素晴らしい子、勝ち抜いた子、選ばれた子、みんな才能がある。素晴らしい。きっと、成功する人、天才・才能がある人ってのは、努力をし続ける才能があるんだってこと。きっと、木を飛び続ける努力ができる才能があるのだ、と。

◎◎◎◎

「ファースト・ポジション」

監督 ベス・カーグマン


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