私がクマにキレた理由

大学を卒業したアニー。経済と文化人類学の勉強を済ました。で、何になろう？？若いアニーには、輝ける未来が待っているはず・・・。

一人でアニーを育てた母は、アニーにちゃんといいとこに就職してもらいたいと願う。それも道理だが、アニーが素直になることができなかったのは、母のせいのような気がしないでもないんだけどなあ。ま、子供に期待をするのは親のサガだけど・・・。

さて、いいとこに就職しようとして、アニーははたと詰まった。一体自分は何をしたいのか？何をするために御社を受けるのか・・・。

自分がよくわからなくなってしまったアニーは、ふとしたことで、アッパーイースト、いわゆるＮＹのお金持ちの有閑マダム・・・もとい・・自分磨きで忙しい主婦に出会う。彼女は息子・グレイヤーのナニー（子守）探していた。

うん、セレブのボンボンのナニーか・・・。ちょっと腰掛の、小金を貯めるにはいいかなっと、ナニーに！！

どうせ子供の世話なんか、簡単なはず・・・と思いきや、これほど思い通りにならないものはない。おまけに母親は典型的な教育ママゴン。なのに自分は子供に対して、何にもしない。ただ命ずるだけ。

自分の考えが甘かったことを反省しつつ、グレイヤーのキカンボウぶりの理由もわかってくる。両親は不仲で、母親はまっすぐ自分を見てくれない。さびしいグレイヤーに愛情を注ごうとするアニーだが、それではナニーの原則を破ることになる・・・・。


ＮＹの上流階級のらしさがものすごくよくわかる。人間暇だと、ろくなことがないのだが、いいとこの奥さんが、仕事で忙しいなんてあり得ないか。だったら、せめてちゃんと子供の世話でもしろよ！と言いたくなるところだが、ここはアメリカ。典型的でないといけない。

こうあらねばならない、ああいう生活スタイルをしなければならない。。。。アメリカ人って、つくづく自由じゃないなあと思ってしまう。映画だからオーバーに描いてはいるのだろうけど、上流階級はこうしなければならない、中流の人はこうやって、貧しい人はこうだぞっと。

だからアメリカンドリームなんて言葉も生まれるんだろうけど、ほんでもって、その辺をあざけってもいるのだろうけど、きっとあの国は変わんないだろうな。

なかなかよくできてた。ところどころに脚本の少々の難も見え隠れしたが、クマにぶちぎれのスカヨハちゃんの言葉もほろっとさせてもらった。グレイヤー少年も可愛くうまかったし、さすがの貫禄、ローラ・リニーは相変わらずうまい。

おまけに、ええーー！っと思うほど太って、イヤらしさ百点満点のポール・ジアマッティ！！本当にいやらしいです。ほとんどいいんだけど、母親の過剰な期待めいたもんだけが引っ掛かった。娘を思うからの当たり前のことなんだろうけど、別に人様に迷惑掛ける仕事じゃなし、成人した娘が何しようと、母がああだこうだ言わなければならないもんですかね。
　
全然違うけど「おくりびと」を思い出してしまった。仕事は何でも大事。一所懸命しましょう。あのまま証券会社に勤めてたら、今頃大変でしたよ。

あたし的には、今までとちょっと違ったハーバード君のクリス・エヴァンスがかわゆかったです。

◎◎◎○●

『私がクマにキレた理由』

監督・脚本　シャリ・スプリンガー・バーマン　ロバート・プルチーニ
出演　スカーレット・ヨハンソン　ローラ・リニー　アリシア・キーズ　ポール・ジアマッティ　クリス・エヴァンス　ニコラス・リース・アート　ドナ・マーフィ