愛読者の皆さん、こんにちは。
以前、ここで相続登記漏れの話をしました。 司法書士が関与していながら相続登記漏れかよ - 司法書士佐季papaの毎日が一期一会 (goo.ne.jp)
このときは司法書士の確認が杜撰だったからだと思っていますが、たとえ資料(権利証、固定資産評価証明書、名寄帳等)を入念に確認していたとしても、それでも相続登記漏れが生じることは十分にありえます。それは、固定資産評価証明書や名寄帳は市町村単位で作成・交付されることもあって、請求した市町村以外に存在する不動産はそこには記載されないからです。残念なことに現時点で全国規模で被相続人名義の所有(共有)する不動産を網羅的に抽出する公的な手続はありません。だから、知りえなかった他市町村の不動産に関しては相続登記がされないままの状態となります。
そこで、このような状態を解消するために、それは即ち相続登記義務化を実効性あるものにするためにとでも言いましょうか、「所有不動産記録証明制度」が令和3年に創設されました。これは言わば全国に点在する不動産の名寄帳です。相続財産の調査に一役買うことが期待されており、法務局で取得することが出来ます。ただし、検索の精度にも限界はあるため、すべての不動産が明らかとなるわけではないことには注意が必要です。
例えば、被相続人がAさん(父)だった場合、Aさん名義の不動産は見つかるとしても、Aさんが相続したBさん(祖父)名義の不動産は網の目から零れ落ちてしまいます。また、転居や婚姻による住所氏名の変更登記を済ませていなかった場合も零れ落ちます。これは、あくまでも請求した時点での「登記記録」の証明だからです。
なお、この制度は令和8年4月28日までに施行されることになっています。
では、ブログの愛読者である皆さんもそうでない皆さんも、今日が昨日よりも幸せな1日となりますように
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