司法書士佐季papaの毎日が一期一会

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死亡の場合の代理権不消滅

2023年02月06日 | 不動産登記

愛読者の皆さん、おはようございます。

『代理権の不消滅』

いったい何のことかさっぱりわからんと言う司法書士はいないでしょう。とは言っても、多分ですが、経験しているのは会社代表者の資格に関する場合がそのほとんどだと思います。かく言う私も個人の死亡の場合は経験したことがありません。

ちなみに、この代理権の不消滅を不動産登記法第17条ではどのように規定しているのかと言うと、
登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。」として1号では「本人の死亡」、4号では「法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更」とあります。この4号がよく経験するケースです。
ちなみに、民法第653条では「委任は、次に掲げる事由によって終了する。1 委任者又は受任者の死亡委任者による」と規定されているので、原則としては、登記申請手続のためにもらっていた委任状は本人の死亡により使えなくなります。だから、この不動産登記法第17条は民法の特則ということになります。

では、1号の「本人の死亡」とは具体的にはどのようなことかと言うと、例えば、2/3(金)付けの贈与で、2/3(金)付けの贈与証書と登記用委任状は当事者から既にもらっているようなケースを考えてみてください。2/6(月)に登記申請をする予定でいましたが、2/4(土)に贈与者が亡くなってしまいました。しかしながら、生存中に贈与の効力は生じており、かつ、登記用委任状ももらっているので、Aさんが亡くなっても、代理権不消滅の規定により、それらの書類を使用しての登記申請は可能ということです。

ただし、登記申請をするためには贈与者の相続人の戸籍謄本等を添付しなくてはならないことから、直ぐには申請出来ません(この場合は贈与者の印鑑証明書の有効期限に注意しましょう)。

この話を法務局の登記官(友人)にしたところ、「個人の死亡の場合の登記申請は経験したことが無い。結局、戸籍謄本等は添付しなければならないので、通常は代理権不消滅の規定によるのではなく、相続人の地位に基づいて登記申請をするのだろうから」とのこと。

彼も経験が無いとのことなので滅多に無い登記だとは思われますが、相続人の地位に基づく登記申請だと全員の実印等が必要となるので、協力してくれない相続人がいるようような場合は不消滅の規定を利用せざるを得ないことになりそうです。

では、ブログの愛読者である皆さんもそうでない皆さんも、今日が昨日よりも幸せな1日となりますように 

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