「ぼくはアルゼンチンにおける自分の最初の夜間飛行の晩の景観を、いま目の当たりに見る心地がする。それは、星かげのように、平野のそこここに、灯ばかりが輝く暗夜だった。
あの一軒では読書したり、思索したり、打ち明け話をしたり、この一軒では、空間の計測を試みたりアンドロメダの星雲に関する計算に没頭したりしているかもしれなかった。
しかしまた他方、これらの生きた星々のあいだにまじって、閉ざされた窓々、消えた星々、眠る人々がなんとおびただしく存在することだろう・・・・・。」
(「人間の土地(1939)」堀口大学訳)
あの一軒では読書したり、思索したり、打ち明け話をしたり、この一軒では、空間の計測を試みたりアンドロメダの星雲に関する計算に没頭したりしているかもしれなかった。
しかしまた他方、これらの生きた星々のあいだにまじって、閉ざされた窓々、消えた星々、眠る人々がなんとおびただしく存在することだろう・・・・・。」
(「人間の土地(1939)」堀口大学訳)