ここ最近に読んだウツ本について。
織田淳太郎『医者にウツは治せない』光文社新書、2005年8月
スポーツライターおよびウツ関係ライターである著者によって、ウツに対するクスリ漬け治療への批判などが述べられております。
いわゆる暴露本とかでなく、自身の経験やインタビューなどから、ウツにも多様な形態があることを指摘し、一括りにとらえる危険性を指摘している良心的な著作といえます。
まあ、個人的には、スポーツ療法を紹介している部分で、文章を書くことの効果にも触れられていて、ブログで気分転換する自分を正当化したりして。
読んでいる途中で気がついたのですが、この著者は、『巨人軍に葬られた男たち』(新潮文庫、2003年に復刻されたらしい)を書いたヒトなのですね。なるへそ・サ・ワールド秋の祭典スペシャル。
プロ野球の世界に入った若者が心を病んでしまい、球団の理解のない対応などもあって、悲劇的な最期を遂げてしまう実話であり、彼ならではのスポーツノンフィクションといえます。
決して明るい気分にはなりませんが、読み応えはあります。
そのほか、個人的にオススメなジャイアンツ関係本としては
上前淳一郎『巨人軍陰のベストナイン』角川文庫、1982年
などがあります。
V9という空前の黄金時代を築くための影の部分、といってしまうと切なくなりますが、それだけにとどまらない魅力にあふれた著作です。
チャンスをいかせないまま消えていった好選手、そして、彼らのライバルとして立ちはだかったV9戦士たちの姿は、かなり興味深く読むことができると思います。
<今日のおしごと>
自分の研究に関する資料を、約3ヶ月ぶりに精読しました。
しあわせです。