地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成24年3月14日(水)  晴れ   磐城壽

2012-03-14 18:06:44 | 日本酒


「磐城壽」   鈴木 大ちゃん



震災後、やっとゆっくりと膝を突き合わせて話ができました。

地震の後の津波の様子、最初の警報は3メートル 

浪江町 請戸の防波堤は5メートルまでを想定していたので最初はお父さんと蔵に残るつもりでいたそうです。

それが5メートルの警報となり、そして先に到達した岩手・三陸沿岸では10メートルの津波が来たとの情報に
これまでの想定を超えたものであるその時はじめて意識したそうです。

消防団である大ちゃんは最後まで避難の呼びかけをしていたそうです。 
しかし中には避難しない方も多く、波が来た時の光景が忘れられないそうです。

本人も松の木をなぎ倒しながらやってくる津波より命からがら高台まで逃げたそうです。
懸命に避難を呼びかけつつも、3人の幼なじみが亡くなったと聞きました。

その時蔵から持ち出せたのは避難所で着るための防寒具だけだったそうです。

津波より1日目 全壊した蔵を目の前にもう酒造りはできないとおもったそうですが、
2日目の避難所で浪江町の方々から「磐城壽」をまた飲みたいとたくさんの声に
「もう一度 磐城壽を造りたい」と気持ちに変わったそうです。

その日(3.13)はちょうど「若手の会」をシダックスホールを行っていた日、夕方大ちゃんより無事との連絡を受け電話を通してお互い号泣したことを覚えています。

ただ原発のこともありその「思い」だけで八方ふさがりの状態であったことは間違いなく、進む方向は全く見えていませんでした。 

持病のあるおばあちゃんのため避難所離れを農大同級生であった米沢の蔵元のお世話で山形の地に移りました。
進む方向が見えない中、気晴らしに訪れた上杉神社の雪に埋もれた石柱に米沢藩主「上杉鷹山」が読んだ「為せば成る」の一文を見て
「蔵再建への思い」をさらに強くしたそうです。

そして「貴の一文」に書かれた会津若松「鶴ヶ城」での県内外の蔵元との交流。

「國権」 細井さんから「うちの蔵人みんな手伝うから1本酒を仕込みなよ」の一言で実現した「地縁復興純米酒」

山形の小関先生の紹介で現「鈴木酒造店 長井蔵」となった蔵元との出会い。

いろんな方々の協力と応援、ご縁があって福島の地を一時離れるにしても「磐城壽」を一日も早く仕込む決断をしました。

あまり感情を表に出さない大ちゃんですが、話しているだけで気持ちはびんびん伝わってきます。

私もできるだけの応援を行動に移したいと思います。

今季は総仕込み700石(内100石程度が銘柄を引き継いだ地元用「一生幸福」となります。)を目指し頑張っております。 

幸いに3期醸造が可能な冷蔵設備があるため、手直ししながら6月の甑倒しまで浪江町から避難された方々を思いつつ酒造りを続けます。

来月には「山廃純米 生」が出荷予定。  「とろとろおやじ」をイメージした活性濁りと純米酒をベースにしながら取り組んでいます。


熟成 「土耕ん醸」は米作りから始める決意ですので早くて3年後の予定。、

できたお酒を持って味ノマチダヤ試飲会にもどんどん参加してもらいたいますのでまずは「磐城壽」飲んで応援!!!




仲間はたくさんいます。  安心して仕込みを続けてください。

4月8日(日)は「並木橋 なかむら」さんの花見の会に参加してくれます。




平成24年3月11日   曇り     貴の一文  あの日から一年。

2012-03-11 18:57:36 | 貴の一文


貴の一文   あの日から一年



はりきり企画部より~


今日 「磐城壽」  鈴木 大介君がマチダヤを訪ねてくれました。

久しぶりにゆっくり話ができました。

彼の前向きの姿勢、その強さに驚きそして安心しました。  必ずやってくれます。

酒造りを再開する決意の節目はいくつかあったようですが、
その一つに会津若松「鶴ヶ城」で取材も兼ねた蔵元同士の花見の会も「磐城壽」を再び醸したいという思いを強くしたきっかけになったそうです。

ちょうど「貴」たあぼがその時の画像を」送ってくれました。

以下 久々の「貴の一文」です。

※写真は2011年4月20日に会津若松の鶴ヶ城で撮った一枚です。

3月11日です。

東日本大震災からちょうど丸一年です。
あの日の2時46分、ちょうど瓶詰めをしている時でした。
交代で休憩を取るため、休憩室に入ると震災のニュースが流れ、そして、あの津波が押し寄せました。

あの津波の後、石巻にある日高見の平井さんと連絡が取れず、
ただ、私よりも酒屋さんにまず知らせが入るだろうと、酒屋さんのブログを片っ端から見て安否確認をしたのを覚えています。

あれから1年が経ちました。

蔵が壊滅的ダメージを受けた蔵、磐城寿さんのように津波で流されてしまった蔵
いろいろありますが、そのほとんどの蔵が今年も造りをされています。
その精神力たるや並大抵の事では無いと思います。

今年一年で一番考えた事。それは、もし私が蔵を失った時、私は何を心の拠り所に酒造りを復活させるだろうかという事です。

数年前、群馬泉さんの蔵が全焼した時は「山廃酒母用の乳酸菌」が残っており、それを酒母室に振り掛ける事から酒造りを再開されました。

磐城壽さんは、福島県ハイテクプラザに保管されていた山廃酵母により、となりの山形県に蔵は移っても浪江の酒蔵の魂は引き継がれています。

私達造り手は、常に更なる高みを目指して日々精進しなければなりません。

酵母、酒米、造りの技術、そのすべてをより高いものにする、

それはある意味当たり前の事です。


ただそれ以上に酒蔵にとって、そしてものつくり企業にとって大事な事、それは「ブランドアイデンティティ」だとつくづく思いました。

「水」「米」「酵母」「乳酸菌」・・・100年の歴史を背負う大事な宝です。

私達蔵元は同時に大震災が起きた時にはライフラインである水を届け、米を炊き出しに使い、お酒で地域の人達に勇気と希望を届けなければならない。
そういう使命も同時に果たす責任があるのだと思いました。

地域の人達と共にお米を育て、そしてその地下にきれいな湧き水が生まれ、それらを使って米の味のする素直なお酒を造る。

当たり前の事に思える事を心から感謝する、そんな3.11からの一年だったか思います。

私も、そろそろ落ち着かなきゃ~。

to be continue...


近々きっと「たあぼ」より明るいニュースが届くと思います。

震災より1年後の「春」はもうすぐです。


本日は多くの方に東北・北関東のお酒をご購入いただき本当にありがとうございます。

「磐城壽」も純米、本醸造共に完売  入荷待ちとなりました。  ありがとうございます。


2年後も3年後も もっともっと・・・・・ 日本人として同じ気持ちを持ち続けましょう。 



 


平成24年3月10日(土)   冷たい雨   POWER TO THE 東北! 北関東!  Again

2012-03-10 12:01:00 | 日本酒


POWER TO THE 東北! 北関東! Again



冷たい雨が降っています。

朝は雪交じり。

寒い3月です。

3.11  いろんな思いが交錯します。

応援するほうが疲れてはいけないので はりきっていきます。

被災した蔵元のお酒を飲んで応援しよう!!

あの時の気持ちを忘れずに  「POWER TO THE 東北! 北関東!」








乾坤一 3.11搾り ササシグレ 1.8Lから 新澤醸造店 旧蔵(三本木)最後の仕込み 「M」 純米吟醸 1.8L    

浪江町の方たちに届け  磐城壽 純米 1.8L   等々


復興へ向けた東北・北関東のお酒を店頭にて並べております。

ぜひ飲んで応援よろしくお願いいたします。



宮城より 2酒 新しいお酒が届きました。



阿部勘  純米辛口   1.8L  2,415円   辛いというよりクリアーな切れある飲み口

山和   特別純米   新酵母「ほの馥」使用   1.8L  2,625円   ほのかな香の余韻


  




平成24年3月7日(水)  曇り   仙菌へいってもう10日も過ぎましたね。

2012-03-07 19:23:07 | 日本酒


株式会社 せんきん   お伺いしてもう10日過ぎましたね。



日にちはあっという間に過ぎていきます。

2・26(日)に飲食店 と総勢32名で栃木県 さくら市  株式会社 せんきんへ乗り込みました。




大型バスで乗り付けちゃいました。  う~ん 広いぞ せんきん

参加者の半数は蔵元初体験  しっかり勉強していただきます。








仙菌始まって以来の大人数で押しかけちゃいました。  

来てます 仙菌ブーム   でもブームは盛り上がれば終わっちゃうからほどほどに・・・・




マサ菌の造りへのストイックさがあってこその 仙菌バランスです。 

造りは「和」ですよ。



2階の釜場から1階の枯らし場まで運びます。  重労働と思いきや人数がものを言いました。  1回で終了。




この日は「雄町」の仕込みでした。




続いて洗米  

皆気合入りすぎて 超高速洗米となりました。  割れちゃったか~????




休憩タイム  

お弁当とこれから出荷の「亀ノ尾」を利き酒して午後の作業開始

 



味ノマチダヤ出荷分のラベル貼りです。

失敗したら「買い取り」という心地よい緊張感の中での作業となりました。

マイ・ラベルには蔵見学記念 カズ菌のサイン入り




空になってもずっとお店に飾ってください。





最後にマイ・ラベルを各自もって  「ありがとう~ 仙菌」 の記念撮影


ありがとう!!!!  カズ菌&マサ菌  そして親切に指導してくださった小林さん 蔵人のみなさ~ん ありがとう!!!


ヨメ菌は?



特報


3月25日(日)   栃木県さくら市より 「薄井カズ菌」様 ご来店  

「仙禽 花見酒」 味ノマチダヤスペシャル 店頭試飲販売行います。

来ないと買えません!  60本限定  ラベルはオリジナルで「ヨメ菌」作成中の・・・・ はず。  

価格は3,000円前後   花見酒らしいやつをこの日のために絞ります!!


こうご期待 !!!!!! 

 




 


平成24年3月3日(土)  晴れ   ひな祭りと伯楽星

2012-03-03 19:18:24 | 日本酒


新澤醸造店の「麹」と思い出の酒



新澤さんのところより「麹」を分けてもらい家で「塩麹」を作ってみました。

1週間ほどで出来上がり 「鶏肉」~「鮭」と漬けてさっそく楽しんでおります。

麹がいいのでおいしくできました。 



麹は500g  800円   残念ながらただ今入荷待ち!   冬場だけの少量出荷となります。



そして麹と一緒に写っているのが 旧蔵 三本木で昨年夏 最後に仕込んだお酒 メモリーの「M」酒です。


新澤杜氏より~

震災復興商品ではなく、あくまで最後の蔵のお酒として、歴史をお届けしようという気持ちで、ギリギリまで悩みましたが出荷させて頂く事に決めました。

こういう商品もある。   という事で、丁寧に「伝える」という仕事をしていきたいと思います。

やはり夏場という事で、糖度高く、酸味でキレ味を出す流れとなっております。

食中酒という形というより、歴史を楽しんで頂くという気持ちで味わって頂ければ幸いです。


M 純米吟醸   五百万石(一等米)  酸度:1.8   糖度:2.0  アミノ酸:1.4


1.8L  2,856円     720ml  1,785円    まもなく入荷!




3月11日が近付くと新たな緊張を感じます。  たくさん応援したいけど、前にはしっかり進んでいきたいですね!


新澤醸造店 TV放送予定

来週、3月6日(火曜日)  ※3/7より予定変更になりました。
フジ系列の深夜番組ニュースジャパン番組内で、当蔵が7分程度全国放送される予定です。
(急な放送の差し替えで後日以降に延期になる可能性もあります)

 

見てみましょう。

 


平成24年3月2日(金)   雨    日輪田の曜平くん

2012-03-02 18:54:21 | 日本酒


日輪田の曜平くん


萩野酒造 HP 開設のお知らせが来ました。

みんなでのぞいてみましょう! 

 

いつも大変お世話になっております。

この度、弊社のウェブサイトを開設いたしましたので、お知らせいたします。

http://hagino-shuzou.co.jp/

今後ともよろしくお願いいたします。

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日本酒 萩の鶴 日輪田 醸造元
萩野酒造株式会社

専務取締役 佐藤 曜平

〒989-4806
宮城県栗原市金成有壁新町52



HP内 ブログの曜平くんの画像がキュンときます。




今は専門的なお酒の話ですが、「鉄道」や「メタリカ」の話も登場してほしいですね。



今 味ノマチダヤでは新酒 第二弾 「純米吟醸 美山錦 しぼりたて」と「21BY 阿波山田錦 純米原酒」を発売中



「美山錦」は「蔵の華」と違い 切れある旨口酒に仕上がっています。 食中で「伯楽星」といい勝負してまっせ~~

21BY阿波山田は 熟成好きのマチダヤ用に24本のみキープ頂いたもの  新酒の時期 この味わいが深くしみます。

純米吟醸 しぼりたて 美山錦 1.8L   3,255円

21BY阿波山田錦 純米     1.8L    3,150円