地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成21年9月19日(土)  曇  とろとろおやじ

2009-09-19 19:05:36 | 日本酒


「とろとろおやじ」の秘密

9月27日の味ノマチダヤ試飲会の参加も決まり「会津娘」と主に福島県代表として、
はりきって「ひやおろし」の提案をして頂きますが、
好評を頂いております「とろとろおやじ」も販売続行で、
再び試飲会にてまだ体感されてない方に「世界の大ちゃん」が提案させて頂きます。
これから季節「お燗」もいかがでしょうか!!


   
 
「とろとろおやじ」を醸した「世界の大ちゃん」こと「鈴木 大介」杜氏 
本人は以外と「ぐでぐでおやじ」かもしれません
では以下「とろろおやじの秘密」について  

むくれた足の、靴下の跡が生々しい様子。
足の爪を切るとき、腹がつかえて苦しい様子。
歯磨きをして、思わずオエッとなる様子。
そんなおやじ達のとろとろとした愛くるしさ。
全てを受け入れる潔さ。あきらめ??
そんなおやじさんたちをイメージしたのではありません。

一番はとろとろ加減さ。 ここでは勿論、液体の流動性を指します。
濃い滑らかさと触感=クリーミーさ

秘密は搾り、布越しにあります。
詳しいことは書けませんが、試験醸造に大の男が4人虚しく?
4時間掛け、「愛」の一文字と共に摺りこみました。

その後、能率良い手法を編み出しても、愛は忘れません。
とろとろおやじがあっての、発明の母。

次は、濃さと滋味溢れる味わいを実現するための固体発酵。
やはり詳しいことは書けませんが、
町内の神社のお神酒(どぶろく)仕込みからヒントを得ました。
暖かい時期でも、合理的に微生物管理ができるのが特徴です。
おそらく真夏にも仕込みは可能でしょう。
コロンブスの卵的な手法ですが、
日本酒造りには、知らないだけで様々な手法が存在するもので、
これが奥深さでもあります。

他になさっているお蔵が存在するかもしれませんが、
とろとろおやじの「とろとろ加減さ」を表現するに、
搾りと仕込みのこの二つの手法は必要最低条件となっています。

つかえなく流れる“とろとろ”加減さに、
愛くるしいおやじさん達の癒しの存在にも似た、
そんな滋味溢れる「とろとろおやじ」をお楽しみ頂ければ、蔵人の歓びもひとしおでしょう。
世のおやじさん達は不滅です。


【開発秘話】

本来、はりきり企画部が考えたネーミングは「カミナリおやじ」
当初、スクリューキャップで瓶詰めしたため超バリバリの強烈発泡
ガス抜きしながら開けても優に20分以上はかかりました。

昔、お父さんから「カミナリ」が落ちたら下を向いてじっと我慢するのと、
早く飲みたくてもじっと我慢して開栓するその様をかけて「カミナリおやじ」と
するはずだったのですが・・・ 
ガス抜きの王冠キャップに変えたらウンともスンとも言わない・・・
もう「カミナリ」は落ちなくなっていました・・・ 残念 
発泡がなくなった分にごりの「とろとろ感」が増殖しましたので
急遽「とろとろおやじ」にネーミング変更したしだいです。

次回は多少は発泡感を残し最初は「ピカピリ」あとで「トロトロ」という
1本で2度おいしい酒に「世界の大ちゃん」と取り組みたいと思います。