ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

Cool Stylishなペアリング 【ジュエリーCAD vs ハンドクラフト】 Vol.2

2008年05月19日 | ジュエリー作品&試作品

Cool Stylishなペアリングの話Vol.2です。(Vol.1はこちら

ジュエリーCADなら簡単に出来るかもしれないけど、あえてハンドクラフトで作ったリングです。

裏はしっかり抜いたのですがやはり、デザイン的に重量が出てしまいまして、メンズ・レディース用ともにずっしりしています。



角ばっていてエッジだらけのデザインですので、そのままでは自分にも人にも危害を加えそうですし、洋服にもひっかかりそうです。鋳造してから、すべてのエッジや角を自分の指先で触りながら、ひっかかりやざらつきがなくなるまで何度も調整しました。幅広のリングですので、とくにリング内径の部分は内甲丸にして、スルっと気持ちよく指どおり滑らかになるようにしています。
 
指定どおりの形や寸法でジュエリーCADで簡単に作れたとしても、快適な着用性を実現するために、最終的には人の手による介在が必要でしょう。

余談ですが、ある年配の職人さんの工房を見学する機会がありました。デスクの隅に女性物のニットとかレースのついた服とかパンティストッキングとかが丸めて置いてあって、撮影に使うのかな?と不思議に思って聞いたところ、

『仕上げが終わったら、自分の顔の上で上下左右に擦ってみて痛くなかったら、次にニットとかレースとかパンティストッキングとかにブツを擦ったり揉んでみて、どう乱暴に扱っても全くひっかかりがなかったらオレ的にはOKなんだよ。』

と教えてくださいました。なんと細やかな心配りなんでしょうと言うと、その職人さん、『うちのカカアに指輪作ってやったらさ、セーターにひっかかるってゴチャゴチャうるせえもんだからよう。』と照れてましたが、今も私はその”師匠”の教えを守っています。

たしかにジュエリーが服に引っかかたり、髪の毛にからまったり、ってありますよね。女性を”かっこわるい目にあわせない”ためにも、大切な気配りだと思います。



メンズリングだけなら徹底的にカッチリ作ってハードに決めてもよかったのですが、依頼主の女性がとても可愛くて、おしゃれでチャーミングなのです。華奢な彼女の普段のファッションはアクセサリーも含めて、フェミニン。このリングの印象のような”ハードでボーイッシュ”な感じではないので、正直このデザインがあのか細い指に合うのだろうかと思いましたが、彼女は彼氏がデザインしたリングを全面的に受け入れる姿勢だったので何も言いませんでした。

本音を言うと、彼女のリングは幅をもっと細くして、上面のクロスの部分にメレ石をいれるとかしたかったなぁ・・・。

   

お二人さん、はい、チーズ!




なんで、今ごろ”桜”なんだって?
実をいうと、先月にはとりあえず鋳造まで出来てましたので、仮磨きして慌てて写真をとっておいたのです。お二人に渡すための記念の写真として、2008年の今年に咲く桜と同じ時期に生まれたリングをどうしても一緒に撮りたくて・・・。

この桜、たまたま近所の公園で遅咲きのものを見つけて失敬したのですが、花の色が普通のソメイヨシノよりも濃いピンクでラブリーですよね

制作期間は短かったのですが、なかなかお互い忙しくてスケジュールが会わず、そのままになっておりました。ようやく今週お約束が取れたので磨き直しをして完成しました。

お二人がいつまでも仲良くラブラブでありますように!


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
綺麗~ (銀石)
2008-05-21 01:44:33
ぴかぴかに仕上がりましたね^^
デザインは確かにハードですが、
ROSEさんの心配りがリングに
優しさを与えているように見えます。
ストッキングはいい方法ですね。
僕もやってみようかな・・・
でも買う勇気がない・・・
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お母さんのをもらいましょう (ROSE POSY)
2008-05-21 02:51:00
銀石さん、遊びに来てくださってありがとうございます。
これ、”仮磨き”なのです。写真上では光って見えればいい程度に磨いただけなのです。このあと丁寧に磨きなおしました。最終成果物ではルーペで見てもまったく無傷で、鏡のようですよ。(^^)V

ご依頼のデザインが、すべての寸法が細かくご指定なのでROSEの意匠は全く出る余地はありませんでしたが、とても勉強になりました。手作りでシンメトリックなものを作るのは大変難しいですね。

パンティストッキングはあると便利です。ジュエリーのひっかかりテスト用だけでなく、いずれ、ワックスモデリングをやることになったときも最終磨きのアイテムとして大変重宝します。

そりゃ、うら若い男性がひとりで買いにいくのはかなりヤバイでしょうから(笑)、お母さまにジュエリー制作に使うことを説明して、伝線したのを捨てないでもらっておきましょう。(このコメントを印刷して持っていけば説得力あるかも!)代替品があればいいのですが、パンストに相当するメンズものアイテムを思いつきませんので・・・。

学校で切り売りするといいのですけどね。一足は必要ないので、10分の1くらいに切って、1切れ30円とかで売ればよいのです。ぜひ先生に提案してみてください。(先生が男だと赤面しそうですが。)

私が前に単科でちょっとだけお世話になった日本xxクラフトのワックス科では、教材の一部として、パンストを切ったものを生徒全員に配ってました。
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早やっ! (norihito)
2008-05-21 07:09:19
もう出来上がってる早いですねぇ!
POSYの文面で写真では表現できない部分も創造できます。
面やエッジが取れてるので甘辛風?

どんな写真見ても綺麗に撮れてますね!教えてください(^^)
僕の写真は、全然ダメダメで見せる写真は写せません。

横浜はお店ではなく、営業用に小さな小さな事務所です。
岐阜の片田舎じゃ仕事にならなくて(笑)
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甘辛、とってもいい語感♪ (ROSE POSY)
2008-05-23 02:04:54
甘辛っていい語感ですね~。

キャストが上がった状態ではエッジがすごいトギトギでキュウリも切れそう!角を向けて相手を殴ったら確実にえぐれるだろうな、という状態だったのです。『毎日つけっぱなしにするつもりです』、と聞いて、私の独断でどの方面から擦ってもひっかからず、また痛くないようにしっかり面取りしたものです。

しかし、これはいわゆる造り手による勝手なデザイン修正(補正)、ということになってしまうので、実はこれらのリングを作る前に、試作品を1本作ってお見せしました。サイド部分のフォルムの修正希望がありましたが、エッジを落として全体的に雰囲気をやわらかくしたことに関しては、特にご不満がなかったようなので、同路線で”本番”を造りました。
試作品はもちろん、彼氏さまのスペアリングとしてプレゼントするつもりです。

写真ですか?完全に我流です。ジュエリー雑誌や通販ショップの写真を研究して、みようみまねでなんとかそれっぽく近づけようと努力していますが、やはりプロには全然及びません。せっかく買ったイチデジもうまく使いこなせず、あいかわらず3世代くらい古い、バカチョンのコンパクトカメラで撮っていますので、いろいろな工夫も出来ず進歩がなくて悶々としています・・・。プロのフォトグラファーの方、だれか突っ込んでくれヨ~!って感じです。
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