ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

かわせみが教えてくれたこと

2007年04月29日 | ジュエリー作品&試作品
すみません。ブログ始めたばかりのもんで、あちこちと話題が飛んでしまいます。ジュエリーにまつわる思い出話をひとつさせてくださ い。


『カワセミ』(ブローチ)

私は鳥が好きで、写真集で「カワセミ」という美しい小鳥がいることを知り、どうし ても実物が見たくなりました。

あるとき、たまたま善福寺池公園を散歩していると、池の一角に黒山の人だかりがで きていました。アマチュアの野鳥カメラマンたちでした。

初老の男性に、「何を撮っているのですか?」と尋ねる と、「カワセミですよ。お気に入りの止まり木があって、いつも同じ時間に休憩に来るのです。私はもう充分撮りましたから、どうぞ。」と、ご親切にも私に見 学の場所を譲ってくれたのでした。

このカワセミ君、”パパラッチ”たちをものともせず、平気で池に突き出た枝に止まって、くつろいでいました。 時々、池に急降下&ダイビングしてお魚を獲ったりもしていました。かなり人慣れしているようです。
私も裸眼ではっきり、その瑠璃色の 美しい姿を拝むことができました。仕草がとても愛らしく、まさしく宝石のような鳥です。

ちょうど、その時私は、彫金の基礎技術の中間課題に悩んでいました。糸鋸引きにはじまり、板同士のロウ付け、シャカ玉、銀粉溶かし、 鎚目、ブローチピンの取り付け、いう複数の新しい技術を1つの作品でクリアせねばなりませんでした。

はっきり 言って憂鬱でした。2週間何もする気が起きませんでした。その苦手意識を吹き飛ばさんがために、作品のモチーフに、「カワセミ」を選ぶことにしたのでし た。

憧れの鳥、大好きな鳥ですから、とにかく張り切りました。端材で何度も何度も練習してから本番に取りかかり ました。アドレナリン出まくりの時って、人はあまり失敗しないもんなのですね。いくつものやり直しがきかない工程をどんどん難なくクリアしていくことがで きました。

 

その当時の私の場合、 『与えられた課題をひとつも失敗しないで成功させること』、ということが大変なプレッシャーでした。その”邪念”がデザインの自由な発想や自信を奪ってし まっていたのでした。いかに要領よく課題をクリアするか、ということばかり考えていたので、なかなか作品のデザインが決まらなかったのです。< br>
しかし、「大好きなカワセミを作品にするぞ!」という目標が出来た途端、憂鬱な宿題は、チャレンジングな楽しい創作活動 に一変したのです。

ものづくりの基本は、楽しむこと、につきますね!




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