ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

アートワックスモデリング 

2012年09月10日 | ジュエリーよもやま話

 
ビーズ専門誌は、近所のよく行く書店で取り扱っていなかったこともあって、今まで買ったことがありませんでしたが、先日、たまたま見つけたので買ってみました。

ファッション誌のように洋服とアクセサリー作品のコーディネート写真がたくさんあって、眺めているだけで楽しいです。

そういえば最近、ビーズの勢いはどうなんでしょうか?手芸コーナーにはビーズの本をあまり見かけなくなりましたし、(以前、大全盛のときは、10冊以上出てました)渋谷の東急ハンズのビーズ売り場は売り場面積をかなり縮小していましたので、そろそろ下火になっているのかもしれません。

日本の奥様たちはお習い事大好きですが、飽きっぽいのか、次々といろんな新手の手芸・工芸が登場しては、盛大に大ブームになったかと思うと、廃れるのも潮を引くように、といった感じですよね。 

そしてブームにつきものが、認定講座とか、認定資格。(笑) そういや、私の同僚が、”うちのカミさんが、プリザーブドフラワーとやらにはまって、資格を取ってインストラクターになりたいから、スクールの費用30万円出してくれって、うるさくせがんで困る。”と愚痴っていました。

さてさて、ブームとはまったく関係なくですね、そろそろ飽きつつある(?)ビーダーさんの心をつなぎとめそうな、素敵な(笑)講座が登場しました。 このビーズ雑誌は、あまりブログネタにならないなぁ~とぺらぺらめくっていたところ、発見しました!(けして、学校の回し者ではありませんぜ、、、)

アートクレイシルバー、という純銀粘土のクラフトがありますが、それの姉妹もん?と思いきや、運営母体は異なるようです。 (DOVEという吉祥寺のジュエリースクールのようです。興味ある人は自分でググって見つけてくださいね。)


コースで作成する作品の一覧を見ましたがお店で普通に売ってそうな、若い女性が好きそうなデザインです。(カエルの置物はちょっと・・・アレ?でしたが。。。)器用な人なら、あっという間にプロ顔負けのモデラーになっちゃうのではないでしょうか。

今まで、”メタルパーツはお店で既製品を買うもの”、と思っていたビーダーさんたちが、自分でデザインしたパーツを自分で作れるということでは、かなり画期的だと思います。(コスト度外視すれば、ですが。。。)

ワックスモデリングの通信講座は、ビデオなどで以前からありましたが、この"アート”がつく、ワックスモデリング講座のポイントは、

・初心者向けの扱いやすいオリジナルのワックス素材を使用 (私も使ってみたい!既成のワックスとどう違うのか知りたいです。)

・ワックス原型を送ると、キャスト、磨きから、希望すれば、メッキ、石留め、ゴム型量産までやってくれるアフターサービスがある(もちろん、講座の初期費用に入らないサービスもあると思います)

・資格つきで、コース修了し、一定のレベルに達したと認定されれば、インストラクターになれる。そうしたイントラさんたちも同じシステム(教材・資材・サービス)を使ってどんどん、フランチャイズ化して拡散していくのでしょう。(これはアートクレイシルバーと同じですね) 

・・・ということです。

誌面上は、体験コースでコレ↑を作ったような設定になってますが、
さすがに初体験ではいきなりここまでは無理ですね。ディテールは先生の手が入ってるでしょう。 (^^;

このビジネスモデルは、学校だけが儲かるわけでなく、キャストや磨き、石留めなどの加工業者さんたちにも確実に仕事が回りますし、生徒さんは、面倒な後工程は人におまかせして、"創作活動に専念”でき、いずれインストラクターやジュエリーアーティストとして活躍できる。(といった意味合いのことがHPに書いてある)ある意味、Win-Winなんじゃないでしょうか。

アー トワックスモデリングの認定資格は1級から3級まであるそうで、1級取得は25万円(ツールとか資材とか後工程の加工賃もコミコミ)だそうです。だいたい、若い女性をターゲットにした民間資格講座は、どれも25~30万が相場みたいですね。OLさんや主婦が手を出せるお手頃ラインなんでしょうか。

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話がかわりますが、ほんとに日本にはいくつの民間資格が存在しているのでしょうか?
日本人は勉強好きな上に、依存性が強いというか、『一流大学に行きさえすれば明るい未来がある、 と同じノリで、資格さえ取れば仕事がある、ぼくもわたしもお教室(お店)が開ける、と思っているお目出度い人が多いからこそ成り立つビジネスモデルが、” 資格・検定商売”。 そして、どんな趣味分野にも、必ずといっていいほど、”なんとか協会”というのが存在しています。

中には、先に民間資格ができて、ブームに目をつけたお国が、”(社)○○協会”を立ち上げて、天下り役人を送り、"国家”の認定資格を作って、商売を横取りしてしまう、といったアコギなことも横行しています。 

それにしても、”なんとか協会”の会員になっている、ということが一種の安心感になるのでしょうか、”なんとか協会”ができると、すぐにわらわらと人が集まり、お金も集まる、なんとも不思議な現象です。商売をしてお金を稼ぎたいはずの人たちが逆にお金を取られている、、、。”会員”同士はネットワーキングや疎結合だにしておらず、何かの集まりがあっても、それは個々に得しそうな情報が欲しいからであって、ただの烏合の衆、ということが多い。(いや、お互いに商売敵のライバルということになるのでしょう)

日本の民間資格は一種のフランチャイズ経営のようなもので、自分でコース開発や教材作成・資材調達をしなくていいので、楽して教室を始めたい人には、こういうシステムに乗るのがいいのかもしれません。ただ、誰でも簡単にできる、ということは、つまり、ライバルも沢山出てくるわけで、また集客できるかどうかは結局は"ご本人様の頑張り次第”。いくら学校や協会が、"アナタのビジネスをサポートします!”(この言葉の響きがまた耳に心地いい・・・)といっても、やはり最後は自己努力なしでは生き残れないと思います。そんなに楽してオイシイ話はないということです。

私は残念ながら、民間資格を1つも持っていません。必要な技術や知識を身につけるために学校(教室)には行きますが、プロになるには資格はあまり必要ないと考えています。(いつまでたっても、アマチュアのままですが・・・笑)