ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

マーケットを見ていますか??

2012年07月19日 | ROSE POSYのひとりごと

今日はちょっと辛口。

リードジャパン主催の2013年の国際宝飾展(IJT)の同時開催企画として、

『ガールズジュエリー東京』 

の第一回が開催されるそうです。出展者募集の案内がきました。

なんでも、対象は、20~30代向けだそうで、ジュエリーと”ハイアクセサリー”のトレードショーだそうです。

ハイジュエリーならわかりますが、ハイアクセサリーって・・・。は?

上代5千円以上だと、”ハイアクセサリー”なのかな。では、ジュエリーとアクセサリーのボーダーは何なんでしょうね~。

コンセプトは、”若い女性に、ジュエリーそしてこだわりのアクセサリーが持つ本物の素晴らしさを伝えたい”・・・だそうです。

私、このDM見て、吹き出してしまいました。ごめんなさい。でも、20代と30代って、全然違うんですよ。まず、30代の女性を捕まえて、”ガールズ”、は無いです。もしかして、”東京ガールズコレクション”をパクってるつもり???なんのために、20代前半、25歳以上、30代前半、アラフォー・・・って、女性向けファッション雑誌が細かく分かれているか判っているのでしょうか??

20代でもすでに成人ですが、30代は、分別のある立派なオトナの女性です。”ガール(Girl)って、本来の意味は、”少女”ですからね。”女子”の意味じゃありませんよ。"森ガール”とか、ファッション的に少女的雰囲気のオトナの女性はいるかもしれませんが・・・・。そういうナチュラルな少女っぽい分類のオトナの人は、そもそも宝飾品はつけません。

この企画を考えた人は、マーケティングをわかっていないのかな。 不景気で高額ジュエリーが売れない。高額商品=50~60代のババアが買うもの。ババアがだめなら、ガールズだ!、ガールズっていくつよ?、20代から30代くらいでいいんじゃね??っていうような、おおざっぱなノリで、こんな企画を決めたんじゃないですか???

お金も暇もある”ババア”が買わないものを、ババア(つまり、お母さま世代ですね)よりも、お金も暇もない、”ガールズ”が自分のお小遣いで、それなりに高いジュエリーを買うと思いますか?まあ、何がしか、ちっさいプチダイヤとかハートとかクロスとか、ちまちま売れると思いますが、そもそも需要がないので、”こだわりのアクセサリーが持つ本物の素晴らしさをわかってほしい”といわれてもこの世代にとってはリアクションに困ると思います。

ちょこっと所得多めでおしゃれな、銀座・六本木・青山・表参道あたりの、OLさんたちを観察しましたか?まあ、百歩譲って、新宿・渋谷あたりのお嬢さんたちがどんな装飾をしているか見ましたか?合コンによく使われる飲食店に行ってみましたか?

街を歩く暇がない?だったら、王様のブランチに出演している、半分素人の女の子たちのファッションを見れば傾向がわかりますよ。少なくとも20代後半までは・・・。だれが、”ハイアクセサリー”つけてますか?毎日乗る電車の中でも、ハイソな人が沢山集まる場所でも、”あれ、いいなぁ”というような印象的な装飾品をつけている若い女性はほとんどみかけませんよね?指輪なんて、もう絶滅に近いです。むしろ、美術工芸に値しそうな素晴らしい技巧のネイルアートに思わず眼がいってしまいます。

まず、20代と30代のファッションの差をよーーく観察してほしいですね。30代は、勤め人にしろ、子育て世代にしろ、社会的責任を自覚しているオトナの女性たちなのです。収入に余裕が出てきたとしても、20代とは、お金をかけるところが違います。

それでも、以前お話したように、若い女性はおしなべて、とにかくお金がかかる。服、靴、バッグ、化粧品、美容院、ネイルサロン、エステ・・・。お習い事やグルメや海外旅行も愉しみたい。それに引きかえ、”対費用効果”の少ない貴金属類にお金を使う余裕までは・・・・??はっきりいってないです。

それに昔ほど、いまの若い女性は”ヒカリモノ”に強い執着や興味はないのです。装飾品が見栄を張るものとわりきっているなら、当然、誰が見てもわかるブランド物を選ぶはずです。実際、私の職場にいる最近結婚した女性たち(30代~アラフォー)は、全員が、エンゲージリングとマリッジリングに海外ブランドの商品を選んでいます。ずばり、この世代に新規の需要を喚起するのはかなり難しいと思います。

そもそも、これだけ趣味・嗜好が個性化している現在、マーケティング・セグメンテーションを、単純におおざっぱな年代でぶった切ること自体がナンセンスだと思います。大手ファッションブランドがアクセサリーに手を出したとしても、徹底的に市場をリサーチして、かなり細かくセグメントを分けて商品展開するか、そうでなければ、粗利を得ることに完全に割り切って、質とかつくりとかといった面倒くさいことは言わず、海外生産品を安く仕入れて売りさばくであろうと思っています。

・・・で、アンタ、なに人のやることにケチつけてんのよ!じゃあ、アンタだったらどの世代をターゲットにするのよ!・・・って、逆襲されそうですが、テレビ通販でがんがん売れてる世代を対象にすればいいのですよ。
デザインとか価格帯は、あまり関係ありません。電話の向こうで、”一目惚れですぅ。”と興奮してるのは、少なくとも”ガールズ”じゃないですよ。