つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

乾坤一擲。

2023年12月19日 10時30分00秒 | 賭けたり競ったり
                                         
本日(2023/12/19)より、大阪「住之江競艇場」に於いて
賞金王決定戦競走「ボートレースグランプリ(THE GRAND PRIX)」が始まる。
昭和61年(1986年)の創設から38回目を数えるそれは、文字通りの大一番だ。
今年1年間の獲得賞金上位18人が鎬を削り合い、ビッグマネーと日本一の栄冠を目指す。

開催は6日間。
■1日目、2日目は年間賞金ランク7位~18位による「一次予選」。
 ⇒ここで半数がふるい落とされる。
■3日目~5日目は一次を勝ち上がった6名と、年間賞金ランク1位~6位による「二次予選」。
 ⇒ここでも半数が脱落する。
■最終日・6日目は生き残った6名による「優勝戦」。
 ⇒優勝者は賞金1億1000万円を獲得しチャンピオンが決まる。

勿論、興味のない方は関心もないだろうが、僕(ファン)はその行方が気になって仕方がない。
何をしていても脳内からレース予想が消えることはなく、
最終決戦を迎えるまで、何度も、何度もスクラップ&ビルドを繰り返すのだ。
そんな楽しくも悩ましい時間を過ごす中で切望して止まないのは、
「毒島 誠(ぶすじま・まこと)」の戴冠である。



振り返れば、ここまで苦闘を積み重ねた1年だった。
年初、地元群馬での優勝を皮切りに3月まで2度のG1レース制覇。
滑り出し好調と思った矢先、急激にトーンダウン。
ビッグレースで勝てない日々が続き、
今年は年間ランク13位で一次予選から出走することになった。



不調の原因については、本人曰く『モーター(エンジン)調整の方向を変えた為』とのこと。
その理由は『寒い冬の住之江で勝つ為』。
つまり、グランプリに向け、信念を持って変革に取り組んできたという。
ならば、ここが乾坤一擲の大勝負だ!
強敵たちを打ち破り雌伏から至福へ!
彼が最後のピットまで辿り着けたとしたら、僕は住之江競艇場へ足を運ぶつもりだ。
「毒島」からの招待状が届くのを心待ちにしつつ、今夜から舟券を買うとしよう。


                          
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古(いにしえ)のてがみ。

2023年12月16日 22時02分02秒 | 日記
                                  
世界最古の「紙」は、紀元前150年頃のものだという。
古代中国「前漢」時代に編み出された大変貴重で高価な「紙」が普及する前、
世界各地では様々な媒体が利用されたきた。
例えば、古代メソポタミアの粘土板、古代エジプトのパピルス。
古代ギリシャなどのオストラコン、西アジア・ヨーロッパの羊皮紙などがそれだ。
日本や東アジアでは、木の板に墨で文字をしたため、通信ツールや、記録メディアにしてきた。
いわゆる「木簡(もっかん)」である。

わが津幡町・加茂(かも)遺跡で発見された木簡---
「加賀郡ぼう示札(ふだ)」は、平安時代(西暦800年代半ば)のお触書。
国内最古のもので、当時の暮らしが窺える重要な資料なのだ。
また、同遺跡からは他にも複数の木簡が出土している。

そんな縁もあり、時空を超えた「古(いにしえ)からの手紙」をリメイクするイベントが開催されると聞き、
本日(2023/12/16)、会場となる文化会館シグナス・研修室へ足を運ぶ。



子ども歴史民俗講座「古代の手紙~木簡年賀状を書こう~」には、
事前応募した町内の小学4~6年生、14~5名が参加。
見学だけのつもりだったのだが関係各位の配慮を賜り、僕も小学生と机を並べた。
まずは、木簡のあらましを受講。
隣合わせた子供が熱心にメモを取っていた。
感心である。
そして、木簡年賀状作り体験スタート。





スポイトで硯(すずり)に水を垂らし、黙々と手を動かすこと20分余り。
手先に疲れを覚える頃、ようやく粘り気のある墨液が少量溜まる。
墨をすったのは、一体、何年ぶりだろう。
こんなに苦労する作業だったのだと実感しつつ、筆先を浸して絵や文字をしたためる。
筆を走らせ、改めて墨の濃淡や滲みの味わいを再認識。



そして、木簡の「実物」を間近に拝見。
今から1000年以上昔の墨文字が鮮明なのに驚き、感激。
色んな学びを得て、充実した時間を過ごした。
木簡年賀状は、主催者から郵送していただけるとのこと。
拙作の宛先は自分自身。
元旦に届くのを楽しみにしている。
                            
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小品、冬の散歩道。

2023年12月14日 06時30分00秒 | 日記
                           
今投稿のタイトルは洋楽ナンバーに由来している。

昭和41年(1966年)「サイモン&ガーファンクル」が発表したもので、日本で知られる曲名は邦題。
現題は「A Hazy Shade of Winter」。
“仄暗く霞んだ冬”とでも意訳すればいいだろうか。
作者の2人「ポール・サイモン」と「アート・ガーファンクル」は共にアメリカ・ニューヨーク出身。
日本の青森と同じくらいの緯度にある彼の地の冬は寒冷と聞くが、
2023年12月前半は最高気温10℃前後。
今のところ暖冬傾向のようだ。
わが津幡町も似たり寄ったり。
先日「A Blue Sky of Winter」の散歩を楽しんだ。



上掲画像は街中の小道。 
背の低い門柱にアートを配してあり、個人的に気に入っている。
きっと所有者は趣味のいい人なのだろうと推測。
また、道の途中に建つ造形物---「嘆きの天使」と勝手に名付けた像もいい感じだ。



膝を抱えてうずくまる天使像に蔓が絡まっていた。
もう何年も前、最初に見かけた時は白一色だった外観が、
風雪にさらされることで劣化し所々剥がれ落ちてきている。
まるで時の経過と共に、嘆きの度合いを深めているかのようだ。



小道を抜けた先には冬桜。
観察した記憶にある限り、この木の開花期は11月頃と4月頃の年2回。
いわゆる二季咲きだ。
冬も細々と咲き続けるが、例年は数輪が開く程度なのに小さな花が満開の勢い。
桜も暖かさに驚いているかもしれない。



津幡川沿いではヤツデの花が目に留まる。
花期は晩秋~初冬。
タイミングはちょっとズレている気はするものの概ね今時分だ。
他の花が少ない頃に咲き、活動収束間際のミツバチやハナアブ、ハエなどに蜜を与え受精を促す。
ヤツデの生存戦略である。

さて、次の日曜日(2023/12/17)あたりから気温が低下して雪予報。
今シーズンの冬はどうなることやら。
                           
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そして、歌声が残った。

2023年12月10日 07時07分07秒 | 手すさびにて候。
                         
「美しい歌声」とはどんなものか?

一般的には、聞いていて気持ちがいい、耳当たりがいい、
伸びやかな高音、豊かな低音---などを連想するかもしれない。
また、ハスキーな声(だみ声)、裏声、枯れた声などに魅力を感じる人もいる。
嗜好は様々で、美の基準は主観的。
民族や言語、時代やジャンルによっても異なるだろう。
万人が認めるそれを決めるのは困難と言える。
だが、概ね多数が納得することは無きにしも非ず。
定冠詞付きの声---「The VOICE」と呼ばれた男のそれは、その1つだ。

ほんの手すさび 手慰み。
不定期イラスト連載 第二百三十二弾「フランク・シナトラ(with bunnys)」。



かつて歌手の必須条件は「大きな声」だった。
舞台から客席へ肉声を届けるには、バックバンドに負けない声量が求められた。
目いっぱい声を張り上げると、迫力はあるものの表現に制約を及ぼす。
しかし、アンプ・マイク・スピーカーなどが発明され状況は一変。
歌唱の幅が広がった。
「シナトラ」は、いち早く巧みに音響装置を活用した1人である。

まだワイヤレスやハンドタイプの登場以前、
彼はスタンドを鷲掴みにしてマイクと口元の距離を変えながら歌ってみせた。
更に、憧れの先輩「ビング・クロスビー」の歌い方を学び、イタリア・オペラを研究。
低い声で囁くように歌うスタイルを確立する。

努力を重ね磨き上げた2オクターブの軽やかなバリトン。
天賦の甘いマスクにブルーアイズ。
細身のダークスーツと小粋な中折れ帽。
絵になる伊達男は全米の黄色い声援を集め、元祖アイドルになった。

その後、長いキャリアの中で数々のミリオンヒットを記録。
銀幕では2度のオスカー受賞。
ラスベガスのカジノホテルオーナー。
政財界にも太いパイプを持ち、20世紀後半のショービズ界に君臨した帝王。
「The VOICE」は「The BOSS」でもあった。
彼の眩い成功譚には、暗黒街との黒いウワサがつき纏う。
それはルーツがイタリア(シチリア)だったからに他ならない。

最初に新大陸へ入植しアメリカを建国したイギリス系、
WASP(White Anglo-Saxon Protestants)を頂点にしたピラミッドの中で、
ヨーロッパ組最後発のイタリア系移民は最下層に位置し、迫害の対象となる。
特に肌が浅黒い南イタリアのシチリア人は、非文明的で下等と見下された。
伝統校への入学や映画館への出入りを禁じられ、
教会で座るのは白人席ではなく、有色人種用席の隣が定位置。
不慣れな土地、不慣れな言語、不慣れな文化、そして苛酷な環境。
シチリア人たちは居場所を確保しようと、同族によるコミュニティを創る。
そのうち闇社会でのし上がろうとした集団が「マフィア」だ。

「フランク・シナトラ」の父親はシチリア、母親はイタリア北部ジェノバ出身。
この投稿のほゞ108年前、1915年(大正4年)12月12日に誕生する。
生まれ故郷はハドソン川を挟んだニューヨークの対岸、ニュージャージー州ホーボーケン。
ここはアメリカが第一次世界大戦に参戦した折、出兵の主要港となり、
「風紀を守るため」という理由で200軒以上の酒場の閉鎖が命じられた。

それから3年後、全米に「禁酒法」が施行。
酒の醸造と提供はご法度になり地下に潜行。
それを取り仕切り、富を得たのがマフィア。
密造酒と一緒に客へ提供した娯楽がジャズ。
戦争が禁酒法を生み、禁酒法がマフィアを育み、マフィアはジャズの親になったのだ。

港町の裏通りで回る赤白青のサインポール。
表は大きな鏡の前にチェアが並んだ理髪店。
奥まった洗髪台の後ろには厚く頑丈な鉄扉。
合言葉を交わしてドアを潜った先は別世界。
ダウンライトに照られたウッドカウンター。
人いきれとタバコの煙が籠る「BarberのBar」。
ステージには黒人ジャズマンの演奏に合わせて歌う、若き「シナトラ」の姿があった。

マフィアとの距離が近いのは、ごく自然な成り行き。
親戚づきあいのようなものだったとしても不思議はない。
マッチョな男たちとの酒と薔薇の日々が声に艶を与え「The VOICE」を創り上げた。
僕は、そんな風に思うのである。

1998年(平成10年)「フランク・シナトラ」病没。
享年82。
波乱万丈の人生を送り天寿を全うした。

生前、栄光の影に隠れた犯罪、謀略、醜聞は公然の秘密。
いわば“パンドラの箱”だったが、死後、タブーではなくなった。
人々が“シナトラの箱”を開けてみると、やはり黒煙が溢れ出た。
それは時の風に吹かれ過去へと流れ去ってゆく。
今箱の中には「美しい歌声」だけが残っている。

Fly Me To The Moon (2008 Remastered)


Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like on
A-Jupiter and Mars
In other words, hold my hand
In other words, baby, kiss me

Fill my heart with song and let me sing for ever more
You are all I long for
All I worship and adore
In other words, please be true
In other words, I love you

Fill my heart with song
Let me sing for ever more
You are all I long for, all I worship and adore
In other words, please be true
In other words
In other words
I love you
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津幡短信vol.118. ~ 令和五年 師走。

2023年12月09日 19時19分19秒 | 津幡短信。
                            
先回(2023/12/03)では、寄る季節の足音を感じつつ、
自戒を促す意味を込めて冬に備える論調で投稿したものの、今のところ的外れ。
わが津幡町の空はよく晴れ、雪は影も形もない。
本日(2023/12/09)の日の出は6:53、日の入りが16:37。
太陽運行のスケジュールだけは冬らしいが、陽気は穏やかである。
そんな昨今の津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回は以下の3本。
                               
【クリスマスの装い。】
                   


津幡中央銀座商店街のワンコディスプレイはツリーをバックに赤いおべべ。
すっかりクリスマス仕様になって、道行く人を見詰めている。
コロナが明け(たと思う)賑わいは戻るのかと思いきや、物価高が冷や水。
今年も物静かな師走になるのだろうか?



とは言え、イベント事だ。
「スガイ書店」ではサンタコスプレで書籍を届ける企画を打ち出している。
なかなか楽しそうだ。

僕はと言えば、気になるのは12月24日(日)に優勝戦を迎える「競艇グランプリ」。
今年の艇界ナンバー1決定戦である。
過去数年プレゼントはもらっていないが、心の底から楽しみにしているのだ。
厳しい道程になるだろうが「毒島」の戴冠を願って止まない。

【冬枯れに新しい装い。】



津幡町・庄(しょう)イチョウ並木は葉を落とし、すっかり冬枯れ。
今朝の散歩中に撮影を試みたところ、ちょうど「のるーと」がフレームイン。
令和5年(2023年)12月4日(月)から導入された町の新しい公共交通だ。
時刻表がない予約型の乗り合いバスサービス。
僕はまだ利用したことがないが、評判を集めて欲しい。

【電飾の装い。】

冬場にイルミネーションが定着したのはいつ頃だろう?
(一社)日本イルミネーション協会(←そんなモノがあるのは初めて知る)によれば、
世界初のイルミネーションは16世紀のドイツ。
電球が発明される以前、ろうそくの光を用いていた。
装飾に電気が使われたのが20世紀あたりから。
日本では明治時代に端緒が開き、昭和~平成と徐々に広まったらしい。
空気が澄んでいて輝きが増す。
木々の葉が落ち、取り付けやすい。
夜が長い。
--- こんなところが、冬のイルミネーションシーズンの理由のようだ。





「津幡中央公園」のイルミネーション、今年のテーマは「PEACE~平和」。
ハートの造形物の上から張り渡した万国旗には、
ウクライナも、ロシアも、イスラエルも、パレスチナも、朝鮮民主主義人民共和国も含まれている。
争いや脅威は継続中。
今のところ平和は絵に描いた餅だ。
                         
<津幡短信 vol.118>
                      
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