今年の艇界ナンバー1を決める大会、
賞金王決定戦競走「第38回ボートレースグランプリ」が終わった。
住之江競艇場の夜空に最後まで輝いていた星の名は「石野貴之(いしの・たかゆき)」。
自身4年ぶり2度目の戴冠となった。
今投稿のタイトルにした「1′56″5」とは、優勝戦での彼のゴールタイム。
ファンならお気付きのことと思うが「かなり遅い」。
通常に比べ10秒近くは長く走っていたことになる。
スローペースの原因は「事故」。
レース序盤で2号艇が転覆してしまったのだ。
競争水面上に事故艇又は救助艇がある場合は追い抜き禁止。
それらと距離を保ち、艇間隔を取って、安全第一で航走しなければならないのがルール。
つまり、事故が起こった時点の状態で着順は確定すると言っていい。
後は、ゆっくりコースを3周するだけ。
後は、トップを走るレーサーの独り舞台。
スリルに起因する興奮は消えたが、
代わりに祝福が呼び起こす高揚のボルテージは上がった。
満場のイシノコールを心行くまで噛みしめながら、
降り注ぐ万雷の拍手をたっぷりと浴びながら、
令和5年(2023年)の王者はゴールラインを跨いだ。
思うに、もし事故がなかったとしても1着は変わらなかっただろう。
他の5人は誰も追いつけなかっただろう。
それほど完璧なスタートとファーストターンだった。
勿論「絶対」はない。
しかし「結果」はもう動かない。
このリアルが全てだ。
おめでとう!石野!!
アナタは強かった!!