つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡駅の懐かしき声。

2012年02月15日 23時17分26秒 | 鉄道
「あんころぉぉー!」

僕が高校生だった時分まで、国鉄・津幡駅のホームに列車が止まると、
辺りに、一本調子で力強い声が響いたものだ。
発声元は「きびあんころ」を入れた黒い箱を肩に掛けた売り子さん。
僅かな停車時間の間、懸命に声を振り絞っていた。

 

かけ紙には北陸本線・津幡名物とある「きびあんころ」は、
一世紀の歴史を刻む鉄道銘菓。
餅米を蒸し、きび粉を練り込んだ小さな団子に漉し餡をまとわせた、
素朴な味わいのスイーツだ。
駅舎近くの「庭田商店」にて100年前から同じ製法を堅持している。
かつては、乗降客を相手に直接販売されていたのだが、
現在は駅舎内の売店で販売。
立売スタイルが姿を消して久しい。

「あんころぉぉぉぉーっ!」

発車のベルが鳴り車両が動き出すまで続く威勢のよい大音声こそ、
津幡駅の名物だった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 津幡町にて手向ける花。 | トップ | 津幡町で見つけた、氷の下の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿