つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

舞台と銀幕に魅せられて、昭和。

2017年03月16日 22時35分52秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載第三十七弾は、「魅せられて」を歌う「ジュディ・オング」と、
映画「エーゲ海に捧ぐ」の主演女優「イロナ・スターラ」こと「チチョリーナ」。

「筒美京平」作・編曲によるイントロが流れると、胸が高鳴った。
「阿木燿子」のペンによるフレーズがメロディに乗ると、高鳴りが増した。

『南に向いてる窓を開け 独りで見ている海の色
 美しすぎると怖くなる 若さによく似た真昼の蜃気楼』

サビに差し掛かり、妖艶な世界は頂点に。

『Wind is blowing from the Aegean 女は海
 好きな男の腕の中でも 違う男の夢を見る Uh-- Ah-- Uh--Ah—
 私の中でお眠りなさい
 Wind is blowing from the Aegean 女は恋』

よくワカラナイけど、オトナのオンナってスゲェー!!(中坊りくすけ、心の叫び)

昭和54年(1979年)にリリースされた「魅せられて」は、
オリコンチャートで9週連続1位、年間シングルチャート2位。
120万を超える枚数を売り上げ、日本レコード大賞に輝いた。
大ヒット誕生の理由は、楽曲の素晴らしさは勿論、
歌い手のエキゾチックな個性と、舞台演出が果たした役割は大きい。

両腕を広げると、裾から手首まで袖が扇状に広がる白のドレス。
バックライトに透け、シルエットも露わに佇む様子は、
可憐な一羽の白孔雀が舞い降りたかのようで、耳目が釘付けになった。
このパフォーマンスが与えたインパクトは大きく、モノマネが流行る。
津幡小学校の女子達も、カーテンやテーブルクロス、シーツやバスタオルなど、
大振りの布を体に巻き付け、なりきったものである。

そして、拍車をかけたのが、「イロナ・スターラ」こと「チチョリーナ」。
のちに、ヨーロッパ・ポルノ界でトップを張り、イタリア国会下院議員となる女傑だ。

昭和52年(1977年)、芥川賞を受賞した同名小説を元に、
作者「池田 万寿夫」自らがメガホンを握った映画「エーゲ海に捧ぐ」で主演。
下着メーカー「ワコール」が彼女を起用してキャンペーンを張った。
紺碧の空と海をバックに白いフロントホックブラ姿の外国人女性。
スピーカーから流れてきたのは「魅せられて」。
このCMによって、曲の知名度はいやがうえにもアップした。
エンターテイメントの仕掛人たちの思惑によって、
2人の美しい女性が綾を成した、ヒットメイクだったのである。

ステージは、現世(うつつよ)における異世界だと思う。
スクリーンもまた、同じ。
しかも、モチーフは、当時の日本人にとってまだ遠いヨーロッパ、
バルカン半島とアナトリア半島に挟まれた、地中海最深部。
人々を魅了する要素が満載だった。

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