つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

GP2021観戦記④~幻。

2021年12月20日 23時23分23秒 | 賭けたり競ったり
                         
「本当の勝者は誰だったのだろう」

1着は、4号艇で出走した“福岡の総大将”「瓜生正義」だった。
2着は、5号艇に乗艇した“長州の白鮫”「白井英治」だった。
3着以下は --- いない。
ゆうべ、大阪・住之江競艇場で行われた「第36回 グランプリ」優勝戦は、
悪い意味で「歴史に残るレース」になってしまった。

本番の並びは、1245スロー/36ダッシュ。
4対2の隊形。
スタート直後から捲りに出ようとする5号艇「白井」。
その動きをけん制して止めた4号艇「瓜生」が、
返す刀で1号艇「峰」に、目の覚めるようなツケマイ(※)を放つ。
(※旋回内側の艇にピッタリ「付けて回り」外から抑え込む高等技術)



「瓜生」の攻めが決まった瞬間、「峰」はインの僅かなスペースから応戦しようとした。
しかし、これは無謀な苦し紛れ。
回り切れずターンマークに激突。
そのまま、もんどりうって横転。



そこに、切り込んでいた2号艇「丸野」。
突貫体制で追いすがった3号艇「平本」。
最内を狙い加速していた6号艇「毒島」。
皆、避けきれず、次々と乗り上げ、転覆。





複数が舟底を見せ折り重なる様子は、まさに死屍累々。
惨事と言っていい。
最後方にいた「白井」だけが難を逃れ、トップの「瓜生」に続いてゴールイン。
最後まで走り切ったのは二艇しかいない為、3連単、3連複は不成立。
このレースの発売総額42億7,000万円余りの96%、
41億1,000万円以上が購買者へ返還された。

開始からものの数秒で決着した前代未聞の日本一決定戦。
救いだったのは「白井」が残ったこと。
もし彼まで事故に巻き込まれたら、全不成立、全返還になるところだった。
そして、4人のレーサーが大事に至らなったことだ。



勝ったのは確かに「瓜生正義」である。
たとえ事故にならなくても一着だった可能性はとても高い。
だが事故が起こらなければ結果は違っていたかもしれない。
それは、誰も見ることのできない「幻」となってしまった。
息を突かせぬ攻防も。
胸を躍らせる逆転も。
歓喜も祝福も、涙も。
僕の毒島戴冠の夢も。
すべてが幻と消えた。

「本当の勝者は誰だったのだろう」
                     

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