つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

聖夜のスタンダード考、のようなもの。

2021年12月25日 00時30分00秒 | 音とアート。
                  


クリスマスである。
冒頭の画像は「津幡町文化会館シグナス」の玄関ロビーにて、数日前に撮影したもの。
毎年12月になると登場し、来館者の目を楽しませているクリスマスツリーだ。
根本あたりからだろうか?
小さな音量でお馴染みのメロディーが流れている。

さて、今回はクリスマス・ソングのスタンダードナンバーから筆を起こそう。

『I'm dreaming of a white Christmas.
 夢見ているのは、ホワイト・クリスマス。
 懐かしい日々そのままに。
 木々の梢は輝き、子供たちは耳をすませる。 
 雪の中を走る そりの鈴の音に。

 I'm dreaming of a white Christmas.
 夢見ているのは 真っ白な雪のクリスマス。
 全てのクリスマス・カードには、こう書綴られている。
 あなたにきらめく幸せな日々がありますように。
 そして、クリスマスが一面の銀世界に包まれますように。』
(White Christmas/意訳:りくすけ)
 


耳にした記憶がある方も多いであろう楽曲「ホワイト・クリスマス」。
舞台と銀幕を股にかけ活躍したアメリカのエンターテイナー、
「ビング・クロスビー」の代表的な持ち歌だ。
彼が1942年に主演したミュージカル映画の主題歌。
つまり、発表のタイミングは第二次世界大戦のさ中である。

清らかな白銀のクリスマス、無邪気だった子供の頃のクリスマス、
平和なクリスマスを連想させる歌は、戦時体制下のアメリカで大ヒット。
以降、スタンダードナンバーとして5000万枚を売り上げ、ギネス記録に認定。
カバーや、収録されたアルバムを含めると、1億枚以上がセールスされたと考えられている。

上掲のバージョンを歌っているのは「ヘレン・メリル」。
歌唱力はそれなりだが、
“ニューヨークのため息”と呼ばれるハスキーなアルトボイスが魅力的だ。

続いては、やはりスタンダードナンバーと言っていい、
彼女の代表的レパートリーを取り上げてみたい。



『君の待つ家に帰れたら、なんて素敵だろう。
 空高く木枯らしが子守唄を歌うとき、暖炉のそばに君がいてくれたなら。
 僕が望んでいるのはただそれだけ。
 冬に凍える星の下でも。
 灼けつく八月の月明りの下でも。
 君を思い浮かべれば耐えられる。
 You'd be so nice,
 You'd be paradise to come home to and love.
 可愛い君、
 愛する君がいる家は、楽園以外の何物でもないんだ。』
(You’d Be So Nice Come Home To/抜粋意訳:りくすけ)

邦題は「大橋巨泉」が付けた『帰ってくれたらうれしいわ』。
この曲も元々は戦時下のアメリカで公開された映画主題歌だった。
凍える星の下、灼けつく八月の月明かりの下とは、異国の戦場。
この戦争が終わったら五体満足で家に帰りたい。 
故郷で待つ笑顔に再会したい。
そんな最前線に身を置く兵士の気持ちを代弁しているように思える。
 
スタンダード---「標準」とか「基準」とされる音楽がある。
その呼び名は、生まれ落ちた時代の耳に届き、心に届き、
時の流れがもたらす風化を耐えてきた勲章のようなものだ。
                         

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