つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

戴冠ならず、夢は未来へ。

2017年12月25日 23時50分34秒 | 賭けたり競ったり

日本中が「キタサンブラック」の大団円で盛り上がったきのう。
艇界でも大一番が行われた。 グランプリ(賞金王)優勝戦である。
僕は、応援するレーサー「毒島 誠(ぶすじま・まこと)」の招きに与り、
大阪「住之江競艇場」へ足を運んだ。

一年の総決算は、大変な賑わい。
最寄りの駅から人波に押されて場内へ向かう。

「やっぱり桐生、1号艇は固いで。」
「いや菊池やろ、あのスタートはあなどれん」
「石野や、大阪魂!」等々、
勝手な予想を述べながら、出走表を手にしたファンが次々と吸い込まれてゆく。
皆、一様に期待と興奮が入り混じった笑顔ばかり。
やはり「お祭り」だ。
嬉しくて、僕も思わずほくそ笑む。

メインイベント前の露払い、第一レースから観客席は埋まっている。

缶ビールを並べ、声を枯らしながら辺りを煽り笑いを取る赤ら顔のオッチャン。
自分の買い目成立を祈り、拝み手でレースを見守る人。
初心者らしき後輩に、レースのイロハを解説する人。
仲良くお好み焼きを食べる家族連れ。
静かに水面を見つめるカップル…。

思い思いにグランプリ最終日を楽しんでいた。
また、あちこちでイベントも開催。

元ボートレーサーで、現在は解説者の「秋山基裕(あきやま・もとひろ)」さんの予想会。

ボート好きタレント「坂上忍(さかがみ・しのぶ)」さんの予想会。

オールスター、メモリアル、ダービー、クラシック、グランプリ、
格式の高いSG5競走を制したレーサーに贈呈されるメダルの展示。
(※現在は、まだ達成者はいない)
他にも、歴代グランプリ覇者の記念パネル展示。
CMでキャラクターを務めるタレント「渡辺直美(わたなべ・なおみ)」トークショー。
プロ野球・ソフトバンクホークス「内川聖一(うちかわ・せいいち)」トークショー。
出店も多く、大盛会である。

照明が灯る頃、場内はますます込み合ってきた。
水際は立錐の余地なし。
観戦場所を確保するのも一苦労。

大一番が近づいてきた。
徐々に熱気が高ってくるのを肌で感じた。

大型ビジョンに優出6戦士の顔が映し出されると、沸き起こる大歓声と拍手!
最高潮である。

しかしその時、僕は喧騒の中で独り、自責の念に囚われていた。

当日はすこぶる成績が良く連続して的中を重ね、
その数が8つを越え、こう思った。
『このままパーフェクトで12Rを迎え、
 溜まった運と銭を全て注ぎ込もう。
 そして「毒島」を優勝に導こう!!』
連勝記録は9に延びた。
…が、10R、11Rを外してしまい唇を噛んだ。
『すまん、ブス!バトンを渡す事は出来なかった。』

それでも一番見たい景色…5号艇を頭に総流しで全てを張る。
人垣をかき分け最前列へ。
競争水面近くの柵に両手を掛け「毒島」がここに辿り着くまで歩んできた
長く険しい道のりを振り返り、目頭が熱くなった。
嗚咽を堪えた時、ピットアウトを告げるファンファーレが鳴った。

本番進入順は、
1コース、桐生順平(1号艇)
2コース、峰 竜太(3号艇)
3コース、菊地孝平(6号艇)
4コース、井口佳典(2号艇)
5コース、石野貴之(4号艇)
6コース、毒島 誠(5号艇)

風雲急を告げ、空から雨が落ちてきて暗くなり、気圧がスッと下がる。
つまり大時計が見づらくモーターパワーが落ちる。
風は殆どない。
ダッシュに不利だと感じた瞬間、12秒針が回ってスタート!
案の定、外枠勢が遅れを取る。
1号艇が真っ先にターンマークを回った。
桐生順平グランプリ初制覇!賞金1億円ゲットで年間賞金ランクもトップに浮上



結果は1-2-3。
2着、3着争いは激戦で見応えがあったが、1号艇を脅かす者はいなかった。
決まったものは致し方ない。
夢は未来へ受け渡された。
来年もまた住之江で。
平成最後のチャンプになった「ブス」が見たい。


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