日本中が「キタサンブラック」の大団円で盛り上がったきのう。
艇界でも大一番が行われた。 グランプリ(賞金王)優勝戦である。
僕は、応援するレーサー「毒島 誠(ぶすじま・まこと)」の招きに与り、
大阪「住之江競艇場」へ足を運んだ。
一年の総決算は、大変な賑わい。
最寄りの駅から人波に押されて場内へ向かう。
「やっぱり桐生、1号艇は固いで。」
「いや菊池やろ、あのスタートはあなどれん」
「石野や、大阪魂!」等々、
勝手な予想を述べながら、出走表を手にしたファンが次々と吸い込まれてゆく。
皆、一様に期待と興奮が入り混じった笑顔ばかり。
やはり「お祭り」だ。
嬉しくて、僕も思わずほくそ笑む。
メインイベント前の露払い、第一レースから観客席は埋まっている。
缶ビールを並べ、声を枯らしながら辺りを煽り笑いを取る赤ら顔のオッチャン。
自分の買い目成立を祈り、拝み手でレースを見守る人。
初心者らしき後輩に、レースのイロハを解説する人。
仲良くお好み焼きを食べる家族連れ。
静かに水面を見つめるカップル…。
思い思いにグランプリ最終日を楽しんでいた。
また、あちこちでイベントも開催。
元ボートレーサーで、現在は解説者の「秋山基裕(あきやま・もとひろ)」さんの予想会。
ボート好きタレント「坂上忍(さかがみ・しのぶ)」さんの予想会。
オールスター、メモリアル、ダービー、クラシック、グランプリ、
格式の高いSG5競走を制したレーサーに贈呈されるメダルの展示。
(※現在は、まだ達成者はいない)
他にも、歴代グランプリ覇者の記念パネル展示。
CMでキャラクターを務めるタレント「渡辺直美(わたなべ・なおみ)」トークショー。
プロ野球・ソフトバンクホークス「内川聖一(うちかわ・せいいち)」トークショー。
出店も多く、大盛会である。
照明が灯る頃、場内はますます込み合ってきた。
水際は立錐の余地なし。
観戦場所を確保するのも一苦労。
大一番が近づいてきた。
徐々に熱気が高ってくるのを肌で感じた。
大型ビジョンに優出6戦士の顔が映し出されると、沸き起こる大歓声と拍手!
最高潮である。
しかしその時、僕は喧騒の中で独り、自責の念に囚われていた。
当日はすこぶる成績が良く連続して的中を重ね、
その数が8つを越え、こう思った。
『このままパーフェクトで12Rを迎え、
溜まった運と銭を全て注ぎ込もう。
そして「毒島」を優勝に導こう!!』
連勝記録は9に延びた。
…が、10R、11Rを外してしまい唇を噛んだ。
『すまん、ブス!バトンを渡す事は出来なかった。』
それでも一番見たい景色…5号艇を頭に総流しで全てを張る。
人垣をかき分け最前列へ。
競争水面近くの柵に両手を掛け「毒島」がここに辿り着くまで歩んできた
長く険しい道のりを振り返り、目頭が熱くなった。
嗚咽を堪えた時、ピットアウトを告げるファンファーレが鳴った。
本番進入順は、
1コース、桐生順平(1号艇)
2コース、峰 竜太(3号艇)
3コース、菊地孝平(6号艇)
4コース、井口佳典(2号艇)
5コース、石野貴之(4号艇)
6コース、毒島 誠(5号艇)
風雲急を告げ、空から雨が落ちてきて暗くなり、気圧がスッと下がる。
つまり大時計が見づらくモーターパワーが落ちる。
風は殆どない。
ダッシュに不利だと感じた瞬間、12秒針が回ってスタート!
案の定、外枠勢が遅れを取る。
1号艇が真っ先にターンマークを回った。
桐生順平グランプリ初制覇!賞金1億円ゲットで年間賞金ランクもトップに浮上
結果は1-2-3。
2着、3着争いは激戦で見応えがあったが、1号艇を脅かす者はいなかった。
決まったものは致し方ない。
夢は未来へ受け渡された。
来年もまた住之江で。
平成最後のチャンプになった「ブス」が見たい。
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