津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
節目の100回目の投稿は、以下の4本。
【山笑う。】
山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになる様子をいう季語「山笑う」。
今時分は開花も加わり、賑やかになる。
県道59号線を脇に入り「合羽池」越しに、小高い山を見つめた。
冬の間はモノトーンに沈んでいたが、全体的に緑の面積が増えてきた。
山桜、ハクモクレンも確認できる。
また、ビジュアルだけじゃなくサウンドも賑やか。
ウシガエル、シジュウカラ、コゲラ、キジなどの声が交錯。
中でも際立つのは、ウグイスの美しいさえずり。
春は鳥にとって“恋の季節”だけに、お盛んである。
多くの生き物たちの息吹きを感じ、改めて、日本の自然は懐が深いと実感。
四季の営みは美しく、環境循環の理に適っている。
平地は少ないが豊かな水や土壌がある。
世界を見渡せば、荒れ地や砂漠が広がり、灼熱や寒冷に支配され、
もっと厳しい条件の地域・国は珍しくない。
そして、平和の価値も実感。
こうして、呑気に春を楽しめるのは穏やかだからこそ。
ウクライナをはじめ、戦乱の只中にある国や地域ではこうはいかない。
【枝も笑う。】
街路樹のイチョウの枝から伸びる、小さな若芽。
やがて扇形の葉が茂るだろう。
染井吉野からバトン受け継いだ八重桜。
可憐だが儚さも持ち合わせた染井吉野に比べ、大振りで逞しい。
【建築は進む。】
葉桜越しに写るのは「津幡町住吉公園温水プール(仮称)」建築現場。
町のHPによると---
「町民の誰もが生涯スポーツと健康づくりに活用できる
快適で身近な温水プールの整備」--- との事。
オープンは来春予定。
かなり建ち上がってきた。
【鳥は空を飛び、人は地で糸を垂れる。】
春爛漫ながら、飛び交う燕は夏が近いことを教えてくれる。
1週間前は数羽しか目にしなかったが、今はその姿を見るのに苦労しない。
大胆に目の前をかすめ去る燕を撮影しようとスマホカメラを構えるも、
画像の端に捉えるのが精一杯だった。
虚空に向かって何度もシャッターを切った後、
津幡川へ目を向けると、釣り人を発見。
狙うは、フナ、コイ、ブラックバスあたりか。
僕も、今度、文庫本を片手に釣り糸を垂れてみるかと考える。
<津幡短信 vol.100>