つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

家亀、野亀。

2017年09月10日 23時08分26秒 | 自然
今朝は、津幡小学校の向かい「学童保育つばたっ子」に立ち寄った。

昼間、仕事または病気などで、保護者が家庭にいない小学生を、
放課後や春・夏・冬休みなどの期間、預かる施設。
働きながら子育てをする町民を支援するのが目的だ。
…おそらく、待機児童たちを慰めるペットなのだろう。
その軒先では、何種類かの「生きもの」が飼育されている。
大きな青いポリ容器を覗き込むと、亀がこちらを仰ぎ見ていた。

俗に「鶴は千年、亀は万年」という。
亀は長寿の象徴だが、実際も長生きである。
平均でも30年以上、ギネス認定された最高齢は188歳を越えるんだとか。
比較的運動量が少なく、代謝が穏やかで、ゆっくり生きる事が理由とされる。
確かに動きは緩慢に思えるが、自然界では案外素早い。

事実、津幡川へ注ぐ支流「総門川」にて目撃した亀は、
水の浮力を得つつ、鋭い鉤爪で川底を捉え、
やや首を伸ばし加減にバランスを取りながらスタスタと移動していた。
実に軽快なのである。

昭和生まれなら、亀を飼った経験がある方は少なくないと思う。
僕も津幡川で捕獲したイシガメを育てた事がある。
モシャモシャと小松菜を食べる様子、
甲羅から四肢や首を出し入れする様子、
仰向けの状態から首を支点にブリッジで裏返る様子などを観察して楽しんだものだ。
人間側の勝手な心情では「可愛がっていた」。

しかし、ある日、学校から帰宅してみると、彼の姿は忽然と消えていた。
自分で水槽の蓋を外し、玄関の引き戸を開けて屋外へ脱走したのである。
僕は哀しみを覚えながら、野の亀の逞しさに舌を巻いた。
コメント
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