つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町の青空に浮かぶ孤独な影。

2011年04月01日 23時32分25秒 | 日記
「今日の一枚」は、散歩中の上空を飛翔する一羽の「鳶」。
翼はピンと伸びたまま。
気流を上手く捉え、大きく弧を描きながら悠々と飛んでいる。
背景の碧い空によく映え、美しい。

全長は60cm前後。
翼を広げると150cmほど。
タカ科の中では比較的大型の部類らしい。
アジア~ヨーロッパ~アフリカ~オーストラリアと、
地球上に広く分布している猛禽類だ。

津幡町でもよく見かける。
子供の頃は「トンビ」と呼んでいた。
学校からの行き帰り。
ピ~ヒョロロロロと鳴き声がする方に顔を上げれば、
その姿を目にする事が出来た。
とても身近な存在だったのだ。
一方、彼が暮らす高みは、決して手の届かない遠い世界。
文字通り“孤高”という表現がピッタリに思えた。

…などと考えながら飛んでいる「鳶」を眺めていたら、
中学時代、現代国語の教科書に掲載されていた
「トンビ」と同じグループに属する「タカ」と鷹匠の物語を思い出した。

舞台は東北。
時代は1960年代。
農閑期の仕事として古くから生活に根づいていた「鷹狩り」が、
時の移り変わりと共に消えようとしていた高度経済成長期。
年老いた最後の「鷹匠」が、
大空を自由に飛翔する一羽の若い鷹に魅せられる。
捕獲してみたものの、野生はなかなか屈伏しない。
手を血まみれにして鷹に餌付けを試みる、老いた鷹匠。
決して諦めない強い意志に支えられた渾身の調教の甲斐あって、
やがて、人と鷹が、種を超えた信頼関係を築くまでになる。
そしてある日、村の家畜を襲う狡猾で獰猛なキツネを退治する事に。
決戦の場は、雪深い山の中。
果たして、戦いの行方やいかに…。

確かそんなストーリーだった。
授業中にも関わらず、感動で胸が震えたのを覚えている。
コメント
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