与謝野晶子の 乱れ髪？

濃い紅紫の、ウェーブのある花びらの先端に白絞りの入る悩ましいダリア、
乱れ髪。ダリアの中でも珍しいタイプです。

この命名は花びらのウェーブを髪に見立てたものでしょうが、ひらがなで
「みだれ髪」 といえば有名な女流歌人・与謝野晶子 (旧姓 鳳、1878－1942)
の処女歌集です。1901年 （明治34年） 8月15日、東京新詩社と伊藤文友館
の共版として発表、女性の恋愛感情を真正面から歌い上げた歌集で、大き
なセンセーションを巻き起こしました。
このときはまだ鳳 (ほう) 姓で、表紙装丁デザインは藤島武二だそうです。
いま読んでも、ハッとするような瑞々しい言葉の力に驚かされます。

中から一首。

　　　　　くろ髪の千すじの髪のみだれ髪
　　　　　　　　　　　かつおもひみだれおもいみだるる　　　晶子


この写真を撮ったのがちょうど 110年後の8月15日というのですから、偶然
とは恐ろしいものです。
作出者は 「みだれ髪」 と名付けるのを遠慮したのかもしれませんね。　　　　　　　
　　　　　　（群馬県前橋市　ぐんまフラワーパーク　110815）
　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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もっともみだれ髪らしい一輪。