らんこ先生のようちえん日記

能登半島にある幼稚園での小さな出来事の日記です。

2011年

2011-12-31 15:20:59 | Weblog

2011年がもうすぐ終わろうとしています。

幼稚園のお庭の雪もほとんどとけました。子供達が作ったカマクラがお庭の真ん中にぽつんと残されています。さっきはその周りにハトが1羽。静かなお庭でなにか実を探しているようです。ハトの好物の一つが山ゴボウの実。今年は高くのびてしまった山ゴボウ。子供達が背伸びしてとっていたその枝も今は枯れてなくなっています。

2011年。きっと日本にいる人全てが忘れ得ぬ年になったでしょう。何年たってもあの年自分は何をしていたかを覚えていそうです。

2011年の1月。幼稚園・教会は工事中でした。大雪や資材の関係で、「本当に3月に完成するの?」という状況で迎えた新しい年。「早く新しい建物ができて、普通の幼稚園に戻りたい」というのが最大の願いでした。

全ての工事が完了というわけにはいかないまま、3月10日の引き渡し予定日を迎えました。なんとか形をつけて3月12日に引っ越しの第1弾をすることになり、その準備をしていた3月11日。

一年中、カメラを手放さず何でも写真に撮る私ですが、この3月11日~14日には一枚も写真をとっていません。それだけ衝撃が大きかったのでした。なんとか引っ越しをして、3月13日から礼拝堂を使用しはじめ、14日から新しい厨房を使い始め・・・。忙しく「新しい日常」を作っている中で、テレビから映し出される、「日常を完全に失った人々」。自分たちが能登半島地震から復興したと思った瞬間に見せつけられたこの厳しすぎる現実は、画像として残さずにただ頭の中に心の中に残しました。

今2011年を終わるにあたり、考えること。毎日の何気ないことがどんなに大切なことか・・・。毎年毎年繰り返されることがどんなに大事なことか・・・。そして小さな子供達の成長がどんなに希望に満ちていることか・・・。

2011年、忘れられない年。忘れてはいけない年。

 

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