リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

97. お墓参りとクリスマスマルクト

2017年05月31日 | 旅行

2016年・ドイツ14回目の旅 No.53

     

            ヨハネスはここに眠っています 感謝のリースを捧げました


◆12月2日(金) ヨハネスのお墓参り 10474歩

  今日は何はともあれ早起きして8時41分の電車に乗ってローテンブルクに向かいます。というのも計算してみるとせっかくローテンブルクに行きながら聖ヤコブ教会を見る時間がとれないからでした。どっちみち二人は時差で早めに目が覚めることは織り込み済み。ですから6時半起床、朝食後8時のバスに乗るのです。
 今朝のバスは結構混んでいて、二人の切符を買う分乗車が遅れ、後ろ向きの席に座ることになりました。これで少々酔ってしまいました。列車には充分間に合いましたがなかなか出発しません。工事で遅れるとアナウンス。約20分遅れて出発しました。これではシュタイナハの乗り換えに間に合いません。10分ぐらいまでは待ち合わせてくれると知っていますが、さすがに無理でした。寒い朝。どうしたものかと思いましたが、駅前の雑貨屋さんが目にとまりました。ここで少々休憩するしかありません。二人は焦りもせずクッキーを買ってカプチーノを飲んでいます。


            慌てず、なるようになるという自然体の二人 確かに…


 結局ローテンブルク駅に着いたのは11時10分前でした。フリーデルには11時頃駅をタクシーで出ると伝えてありますから、ローテンブルクの町まで行って聖ヤコブ教会まで見に行く暇はありません。急いで予約してあったリースを受け取りに行き、ついでにトイレへ。タクシーは中年の運転手さんでちゃんと住所をナビに入れて難なく出発。前回の運転手さんは近くまで行ってから相当迷ったので地図を用意してあったのですが、使う必要もほとんどありませんでした。運転手さんは日本のフクシマに関心があるらしく、「日本は原発を何で止めないんだ」と私に質問してきます。私も原発に反対する多くの国民がいるのに政府が突き進んでいるのだとできる範囲で情況を説明。二人で盛り上がっている内にブッフ・アム・ヴァルトに着きました。

 そろそろこの辺かなとやはり多少迷う内に「ここだ!」と思う家があり、戻ってもらいました。でもフリーデルの池が庭にないのです。それで少し自信をなくしかけたところでフリーデルの姿が見えました。後で聞いたところでは庭のセンターポイントにあった池は一人ではとても面倒を見きれないのでつぶしたとのことでした。たくさんあったリンゴの木も大分切ったそうです。それでも家の中をきれいに整え、フリーデルの笑顔は昔のまま。奈々子を連れておいでと何度も言われていた約束をようやく果たすことができて嬉しく思いました。
  フリーデルは私たちのためにマウルタッシェン、シュペッツレなどの郷土料理を用意して待っていてくれました。十亀さんが頑張っておかわりするとフリーデルは嬉しそうでした。昼食後、雨が降っている中をフリーデルの運転でお墓参り。彼女の生家の奥に教会があり、ヨハネスはここの墓地(写真・トップ)に眠っているのです。私が持ってきたリースを捧げてメッセージカードを供えると、フリーデルは手にとって涙ぐみ、「このカードは持って帰るわ」とポケットに入れました。

 家に戻ると今度はケーキと美味しい珈琲です。私は何度このケーキをいただいたことでしょう。そして最後に写したのが下の写真です。


       

         楽しみにしていたフリーデルのお手製ケーキ                 私にとってフリーデルの笑顔が何よりのクリスマスプレゼントでした


 このあと、フリーデルがさっきの運転手さんにお願いしておいてくれたとおり、2時少し前にタクシーが来たのでフリーデルとお別れをしてクレークリンゲンに向かいました。今度の運転手さんは優しそうな女性です。帰りにも迎えに来てもらうようお願いすると快諾。帰りの足を確保することができてホッとしました。ルーフバスを呼ぶこともできなくはないのですが、いつも何かが起こるクレークリンゲン、今回は万難を排して夜のクリスマスマルクトに行きたかったからです。昨夜、クレークリンゲンのブルク牧師さんからメールが来ていて、「明日は会議で出かけるので会えませんが、あなたの帽子は受付に預けてありますからね。またツーリストインフォのヴェーバーさんがインタビューに行きますのでよろしく」とのことでした。

 ヘルゴット教会に着くとすぐにヴァーグナー夫人が奈々子が編んでくれた白い帽子を手渡してくれました。そしてヴェーバーさんが待ち構えていてインタビューが始まりました。しばらくお話しをするとお礼にワインをくださいました。

 その後、斜め向かいの指ぬき美術館に行きました。奈々子は一度来ているのですが、十亀さんが指ぬきを作ってみたいらしく、せっかくクレークリンゲンに行くのならと訪問希望が出たのです。ホームページで開館時間をチェックしていたにもかかわらず、行ってみるとしっかり鍵がかかり、中も暗いのです。よくよく見ると「開館日にもかかわらず開いていないときはこのベルを押してください」というメモがありました。そこでベルを3回ほど鳴らすと、「はいはい、今行きますよ」と館長さんがこちらに向かってやってきました。中は暖かくてホッとしました。小さな美術館なので見るのにそうは時間がかかりませんでしたが、奈々子と十亀さんは専門の漆の指ぬきを熱心に見ていました。その後、しばらく上のショップで時間を過ごし、タクシーが来てくれたのでローテンブルクに戻りました。

 町の中に入ると二人は城壁に登ってみたいとのこと。まだ明るかったので家々の様子も見られました。窓辺に飾られたクリスマスの灯りが西欧の雰囲気を醸し出しています。町の中心に行くと、午後は入れないはずの聖ヤコブ教会から人が出てくるのです。今日はクリスマスの時期で特別に夕方5時まで開いているとのこと。しかも無料。朝行くつもりが列車の遅れで行けなかったので、またしても天の助けです。こうして思いがけず聖血の祭壇とマリア祭壇というリーメンシュナイダー最高傑作の内2点を十亀さんに見てもらうことができました。
  その後はゆっくりとクリスマスの雰囲気を堪能しました。時差もあるでしょうにお墓参りにもつきあってもらって本当にお疲れ様。フリーデルの愛情たっぷりのご馳走とケーキで夜もあまりお腹が空きませんでした。以下、ローテンブルクのクリスマスマルクトや町の様子を載せておきます。


           



                   

※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA, H. Sogame

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