美しい彫刻たち その4
この作品は、やはりボーデ博物館にある美しい彫刻の一つです。「悲しむ聖母」というタイトルで、ボヘミアの作家(名前はわかりません)による1380~1390年の作品だそうです。モデルがいたのかどうかわかりませんが、私のフランス人の友だちとよく似ています。この聖母は、まだどこかあどけなく、ふっくらしたあごの辺りに若さと可愛らしさを感じさせます。そして、どこか悲しみを超越した深さを感じます。リーメンシュナイダーの聖母が持つ雰囲気に少し似ています。けれどももっと柔らかく、暖かい雰囲気を持っています。石彫ですが、頭にかぶっているヴェールと衣服の襞はとても丁寧に彫られていて、このボヘミアの作家の力量も大変なものです。彼女の様々な角度から見た写真を載せておきます。
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