リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

25. バンベルク

2016年05月04日 | 旅行

新・旅日記 No.8 2009年冬の旅

 バンベルクの大聖堂

 ニュルンベルクからバンベルクまでは列車でちょうど1時間ぐらいです。途中でブッテンハイム駅を通り、「あれ? 聞いたことがある」と思ったのですが、そこにはリーメンシュナイダーの手になる墓碑があったのでした。この町がニュルンベルクとバンベルクの途中だということが当時はよくわかっていなかったので、翌日来て見ようと思いました。

 駅からの道は結構歩きでがありましたが、ゴロゴロとトランクを転がしながらホテルまでたどり着きました。旧市街にほど近い場所にあるホテルです。一休みしてからこの日の目的地、バンベルク大聖堂まで歩きました。川を渡ると小さなお土産やさんのショウウィンドウが目を惹きます。坂を上り詰め、大聖堂の重たい木のドアを開けると、小さな通路があり、その先左手に聖王ハインリッヒと后クニグンデの石棺彫刻が威厳を持って横たわっていました。この彫刻は資料によると1449年から1513年までかかったと書かれています。蓋の上には気品ある王と后の姿、石棺の回りにはそれぞれストーリーのあるモチーフが彫られていて、どれも1~2カ所、以前は人々の手によって触れられ、撫でられていたのだろうと思われるような艶がありました。今はしっかりと鉄柵で囲われ、触れることも柵無しで撮影することもできないのが残念です。

 このバンベルクには2011年にも夫とドイツの友だちのヴィリーと一緒に来ました。そのときに、夫はパンフレットで、ヴィリーは自分の目でもう一体のリーメンシュナイダー彫刻を見つけたのです。私はつくづく自分の視野の狭さを思い知らされました。堂内を一巡りすればわかったはずなのに、一覧に載せた目的の彫刻を確かめ、撮影し、じっくり見たら他の彫刻や祭壇をおろそかにしていたのですね。目隠しをされた馬のようです。自分で目隠しをしていたことを恥ずかしく思います。その後は目的を達成した後も堂内、建物の周りも気を付けて目に焼き付けるように努力しています。

 ※バンベルクの彫刻も写真でお見せしたかったのですが、個人的な研究に使うものだけという撮影条件が書かれていたので残念ながらご覧に入れることができません。植田重雄著『リーメンシュナイダーの世界』(恒文社)には石棺の3場面のレリーフが紹介されています。

                                            

 

<ドアがとても大きくて重たいバンベルクの大聖堂                                                                  

※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA


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